次の注目日に動きだすチームはおそらく例年より多いだろう。しかしここで焦って余り物FAに高額投資をするようなチームは、きちんと哲学を持ってチーム作りに取り組んでいるというより、単に流行に乗って動いているだけの可能性がある。応援するチームの先行きとかGMの能力を見るうえで、補償後FAに対する彼らの姿勢は大きな判断材料になるのではないか。
もう一つ、注目が集まるのはドラフト後に各チームでカットもしくはトレード対象になりそうな選手の行方だ。Bill Barnwellは既に32チーム全てについて、カット候補の名を挙げている"
http://www.espn.com/nfl/story/_/id/26632732/"。基本的にドラフトでニーズが埋まったポジションの選手が候補になっているが、あくまで外部から見た予想でしかないわけで、基本的にはオフシーズンの暇つぶしコンテンツと考えるべきだろう。
続いてJaguarsの選手が3人並ぶという面白い事態に。別に3人がそろってクビになると予想している訳ではなく、Josh Allen指名によって余ったEdgeの誰かが放出されるか、あるいはEdgeからDTへのシフトが起きてDTのDareusが放出される可能性があるという理屈だ。キャップのきついJaguarsならではの指摘だろう。
それよりも重要なのはパス効率と一緒にランの効率も上がっていること。パスのY/Aは驚愕の8.2ヤードに達しており、そしてランのY/Cも4.79とこれまたかなり高い水準に上がっている。そしてその理由としてSharpはpersonnel、つまりオフェンスのメンツに関する話を紹介している。
今や事実上のデフォルトとなっている11 personnelだが、実はこのメンツを揃えた時のランプレイはかなり効果的だそうだ。ランプレイのうち成功扱いとなる比率は52%あり、Y/Cも4.8となかなかに高い。Patriotsや49ersなど特定のチームが多用し、ランで大きな効果を上げている21 personnel(2RB、1TE)と比べてもあまり遜色のない効果的なランを展開できている。11を見たディフェンスは5DBで対処しようとし、結果的にboxの数が減ることがランにとってプラスになっているようだ。11からランを展開する比率も増えている。
さらに興味深いのはパスとpersonnelとの関係だ。WRを3人配置する11の時は7.5Y/Aしかないのに、12や21だと8.5ヤード前後までパスの効率が向上し、WRを1人しか置かない13や22ではさらにこの数字が高くなる。1st downのパスのうち11から投じられたものが62%を占めていたのに対し、12からは21%、21からはたった9%だったそうで、相手が予想しないメンツからのパスほど効果的であることが数字に表れているという。
Sharpはここにまだ改善の余地があると見ている。各チームとも、もっとWRの少ない状況からパスを、多い状況からランを繰り出すべきである。12からパスを出したチームは一部を除いて高いsuccessとY/Aを記録している。TEを2人配置し、いかにもランを重視していますというメンツからパスを出せば、それだけ相手の裏をかいていいパスを出せる。Sharpはそう主張している。
1st downからパスを投じ、それが大きな効果を上げていたチームとしては、ChiefsやVikings、Buccaneers、Saintsなどがある。必ずしも有能なQBがいるわけではないチームでも、それなりにいい成績を残していた例はあるのだ。一方でSteelers、Coltsのようにパス比率が高くてもリーグ平均並みかそれ以下のチームもいるので、1st downのパスが常に成功するとは限らないが、トータルとして見れば効果は期待できるということだろう。
彼のサイトは細かいデータを見ることができる点ではありがたいのだが、細かく分類しすぎていて母数が小さくなる傾向がある。その意味でも個別チームの傾向を探ろうとするより、リーグ全体の動向を見る方に向いているデータだと思われる。
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