中でも回数が多かったのがPatriotsとSeahawksの各7回。Patsについてはいつものことだが、SeahawksはWilsonとの大型契約でドラフトの弾を増やす必要が出てきたのに合わせて積極的に動くことを強いられた印象が強い。QBに多くのサラリーを割り当てる以上、他のポジションはできるだけ安いルーキー契約で埋め合わせる必要があったのだろう。
Patriotsの成功例としてあまりに喧伝されすぎたことが、彼らのPick Swap Trade活用を抑制したのかもしれない。少なくともトレード相手はPick Swap Tradeの申し出に今まで以上に警戒するようになったことだろう。補償ドラフトについても、彼らよりも先にRavensが多用していたのに、Patsが活用するようになった結果としてFA市場が停滞するにまで至ったことを考えるなら、やはり優勝チームのやることはそれだけ大きな影響を及ぼすことを意味する。
実のところ、今年のPatsは例年とはむしろ逆のことをしている。彼らが行った7回のトレードのうちトレードアップは3回に対してトレードダウンはたったの1回。残る3回は複数指名権同士の交換となるため単純にアップかダウンかは判断しがたいのだが、Patsの方が受け取った指名権の多かったトレードをトレードダウンだと判断していもトレードダウンは計2回にしかならない。12個の指名権を持ちながら最終的に10人の指名(プラス2020年の指名権1つ)で終わったのは、それだけトレードアップの影響が大きかったことを示している。
モックの予想がほぼ完璧に的中していたのが、Panthersが指名したBurnsであり、49ersのBosaもほとんどモック平均と変わらない順番だった。彼ら以外にもBillsのOliver指名、RavensのBrown指名、JetsのWilliams指名、CardinalsのMurray指名、そしてPackersのGary指名あたりはモックドラフトがかなりきっちり予想できていた事例となる。
最もsteal扱いされているのがRedskinsのSweatであり、また同じRedskinsが指名したHaskinsもstealと評価されている。このあたりは「コンバインで評価が膨れた選手」「モックで過大評価されがちなQB」といった特徴が出ているとも解釈できる。思ったより下に落ちたと言われているAllen、トレードアップの成功例として語られることの多いDillardなどもstealの例だ。
逆にこの記事で典型的なreachと見なされているのがTexansのHoward指名、SeahawksのCollier指名、そしてPackersのSavage指名ということになる。ただし彼らは1巡でも下位の指名であり、1巡上位の選手たちほどはっきり固まった評価がなされていたわけではないため、それほど酷いreachという印象はないだろう。むしろ1巡でも下位と思われていた選手が上位指名されるケース、具体的にはRaidersが指名したFerrell、Giantsが指名したJonesの方が、reachの印象は強い。
Patriotsが指名したHarryはわずかにプラスで、少しばかりstealだったということになる。あくまでドラフト前の一般的な予想が全面的に正しければ、だが。
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