Steve Young +1.69
Roger Staubach +1.67
Peyton Manning +1.62
Joe Montana +1.55
Dan Marino +1.42
Tom Brady +1.379
Aaron Rodgers +1.375
Kurt Warner +1.29
Dan Fouts +1.25
Tony Romo +1.24
昨年のランキングと違うのはRodgersが順位を2つ落としたところだろう。結果としてMarinoが5位に、Bradyが6位にそれぞれ上昇した。Bradyも昨年までよりは成績が下がっているのだが、Rodgersの方が成績の落ち込みが大きかったのが響いている。2009-14シーズンにRodgersは低くても+1.3以上のRANY/Aを記録し続けていたが、2015シーズン以降はその水準に到達したことがなく、今シーズンも+0.64にとどまっていることが響いた。一方のBradyは+0.94とこの年齢にしては高水準で、その差がわずかながら順位の逆転につながったのだろう。
次はValue。こちらはRANY/Aと違って累積型なので、キャリア継続中の選手が順位を上げている。
Peyton Manning 15653
Tom Brady 13580
Drew Brees 12565
Dan Marino 12243
Joe Montana 8851
Aaron Rodgers 8118
Philip Rivers 7860
Steve Young 7605
Dan Fouts 7411
Ben Roethlisberger 6552
MVPクラスの活躍をしたBreesがMarinoを抜いて3位に登場。彼が凄いのはドロップバック数でFavreに次いで2人目の「1万ドロップバック」を達成してしまったところだろう。他にもRiversが2人抜いて7位まで成績を上げ、そして前回のランキングでは11位だったRoethlisbergerがFavreを抜いてトップ10に入って来た。Rodgersも含めこのランキングには現役QBが5人も顔を出しており、彼らが一斉に成績低下に見舞われない限りまだランキングは変わり続けるだろう。
こんどはランキング下位。昨年のランキングではRANY/A下位にGeno Smithを入れてしまっていたが、実は彼はドロップバック数1000以上という条件を満たしていなかったので、今年は省いている。さらにOsweilerの成績が多少好転してしまったため、下位ランキングに現役選手が1人のみとなった。
Bobby Douglass -1.88
Blaine Gabbert -1.76
Danny Kanell -1.58
Mike Phipps -1.52
Rick Mirer -1.45
Kyle Boller -1.44
Dennis Shaw -1.323
Christian Ponder -1.321
Scott Brunner -1.25
Joe Pisarcik -1.24
これだけ残念な成績のGabbertが、先発QBが怪我したとはいえプレイオフのかかった大一番に先発してしまうのだから、QBがどれだけ人材不足なのかが分かってしまう。というか米国なら「Kaepernickの方がまし」と言い出す者が必ずいるだろうな。次はValueの下位。
Rick Mirer -3241
Mike Phipps -2999
Trent Dilfer -2912
Blaine Gabbert -2882
David Carr -2722
Joey Harrington -2701
Mark Sanchez -2666
Bobby Douglass -2547
Dan Pastorini -2516
Kyle Boller --2357
Gabbertが(悪い意味での)活躍によってランキングを6位から4位に上げたほか、やはり先発試合を経験したSanchezが同じように数字を積み上げて9位から7位に出てきた。つまりこちらのランキングでも現役選手が着々と(マイナスの)数字を積み上げているわけである。さらにBollerの下にはMcCown(-2278)やBortles(-2266)も待ち構えている。高齢のMcCownはともかく、Bortlesがランキングに顔を出す日は近いかもしれない。
なおランキングには出てこない現役QBたちを見るとRANY/AではBreesが+1.23、Riversが+1.06、Wilsonが+0.86、Roethlisbergerが+0.85、Ryanが+0.84となっている。1000ドロップバックという基準に達していない中ではMahomesが+2.43という数字を出しているが、この水準はさすがに持続不可能だろう。Garoppoloは早々に怪我をしてしまったため、RANY/Aはまだ+0.94と高い。
低い方ではRosenの-2.79、Allenの-1.95、Darnoldの-1.08と新人三人衆が相当に苦戦している。成績上位と異なり、こちらについては平均への回帰がどのくらい働くか不明。もし彼らの実力がNFLレベルに達していなければ、いつまでたっても浮上しないリスクが存在するからだ。また優秀な選手ならプレイ回数が増える分だけ紛れが減るのだが、ダメ選手はいずれ出場回数が減り、母数が少なくなるため極端な数字も出やすくなる。
今シーズンを見るとキャリアのRANY/Aが低いにもかかわらず先発扱いが続いていた典型例がBortles(-0.80)である。新人との先発争いに敗れたMcCownや、先発の怪我で急遽雇われたAndersonよりも酷い成績だ。Bortlesの次に酷い先発QBはTannehill(-0.52)で、その次が早々に先発をクビになったBradford(-0.51)となる。さっさとBradfordを諦めたCardinalsもその後がRosenだったため苦戦したが、それでも次に進む決断ができただけましかもしれない。
つまりBortlesとTannehillをいつまでも抱えてプレイさせているチームの能力に問題がある可能性が存在するのだ。どちらもキャップマネジメントに問題があると言われているチームであり、そしてどちらもルーキー契約が終わった時点で次のQBに進むべきだったのに彼らと2度目の契約を結んでしまったチームである。よほど選手を評価する能力に欠けたフロントでなければやらかさないようなミスをしていると言われても仕方ないだろう。
だがこの両チームのフロントのうち、今の職を解かれたのはDolphinsのTannenbaumのみ。JaguarsはCoughlinとCaldwellのどちらも変わらずにとどまっているし、Dolphinsは以前にも書いたようにGMのGrierが昇格した。ここまでのDolphinsのチーム運営失敗がTannenbaumのせいなら目先も変わるだろうが、過去3年にGMとしてGrierが大きな役割を果たしていたのだとしたら同じ状況が続くリスクが残る。
Bortlesはすぐにカットすると来シーズンのデッドマネーが16.5ミリオンに達するし、Tannehillの場合は13.4ミリオン強になる。6月以降のカットならそれぞれ11.5ミリオン、7.9ミリオン弱まで減るものの、どちらも来シーズンのキャップスペースは少ない方(Jaguarsに至ってはこのままだと赤字)。要するにどちらもそろそろ「負の資産」を諦めるべき時が近づいているのである。同じく成績低迷かつキャップスペースが少ないBuccaneersを含め、どうチームを再建するかが問われている。
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