2018 week8

 回る運命の糸車。人はそこから逃れることはできない……。

 というわけで皆さんお待ちかね、Fitzpatrickサイクル"https://twitter.com/DrawPlayDave/status/1038870549533876224"が帰ってきた。今回はいつものように「先発QBの負傷」"http://www.thedrawplay.com/comic/ryan-fitzpatrick-meets-jameis-winston/"から始まるものではないのだが、いずれにせよFitzが先発を奪い取る"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000980443/article/"という展開は同じ。4つのインターセプトを喫したWinstonはベンチに下げられ、代わって出てきたFitz"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000979292/article/"はレーティング154.9を叩き出し、あと一歩までBengalsを追い詰めた。
 シーズントータルの成績で見てもWinstonのANY/Aが4.91とリーグ平均を1ヤード以上下回ってボトム5に顔を出しているのに対し、Fitzpatrickの数字は驚愕の10.18で規定数に達しているQBたちの中ではリーグトップだ。ドロップバック数はWinston161に対してFitzpatrickが149とそれほど差はない。つまり今シーズンだけで見るならどう見てもWinstonよりFitzpatrcikの方が圧倒的にいいQBと言わざるを得ないのだ。もちろんキャリアトータルで見ればWinstonのANY/A+が101あるのに対しFitzpatrickは96と、Winstonの方がマシなのだが、足元の差は大きい。
 個人的には「半シーズンの結果」より「キャリア全体の結果」の方が将来予測には役立つ(年齢などの条件はある)と思っている。またWinstonは一般的には評価されにくい才能を持っており、その1つがパスプレイのうち1st downを取る比率。Winstonはキャリアトータルのこの数値で37.3%を記録しており、Fitzpatrick(32.0%)はもとよりRodgers(34.6%)、Brady(35.8%)、Brees(36.0%)といった超一流どころすら上回っている。2015シーズン以降でもRyanに次ぐ2位だ"http://www.footballperspective.com/jameis-winston-great-at-picking-up-first-downs-and-throwing-interceptions/"。さすがに今シーズンだけだとFitzpatrickの方がこの数字も高いのだが、母数の少ないデータでどこまで判断すべきかという問題はやはりつきまとう。
 もちろんこのゲームでFitzpatrickがQBとして活躍したからといって、彼が先発確定でWinstonはクビになると決まったわけではない。そう判断するにはFitzはあまりにも年を食っている(今年の11月で36歳になる)。もしかしたら来シーズンくらいまでは先発として計算できるかもしれないが、基本的にはあくまで「緊急登板」と考えるべきだろう。Buccaneersが迫られているのは、Winstonを将来のQBとして信頼し続けるべきか否かという決断だ。彼らはWinstonの5年目オプションを既にピックしている"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000926838/article/"のだが、その金額は21ミリオン弱とかなり高い"https://overthecap.com/player/jameis-winston/3849"。
 つまり安いQBとしてWinstonを利用できる期間は実は今シーズンが最後なのだ。残念ながら過去3年、Buccaneersは1度もプレイオフに出ることなく、今シーズンもこのままだとルーキー契約QBのメリットを生かせないまま割安サラリー期間が終わりかねない。本来なら今シーズンが終わるところでQBを含めたチームの方向性見直しが必要になるところだ。ただ今のままだとむしろコーチ陣の入れ替えなどの方が先行しそうな印象もある(2009シーズン以降、BucsのHCが3年を超えて続けた例はない)。Winstonを5年目まで引っ張り、でも新しいコーチ陣からは「前政権の置き土産」として冷たくあしらわれ、結局2020年にもう一度QBをドラフトし直すという、ダメチームにありがちな展開が見えてしまうのが困ったところだ。
 Winstonを巡りBucsが転換点を迎えているという話はOver The Capでも触れられている"https://overthecap.com/jameis-winstons-future-with-the-bucs"。そこで「避けるべきシチュエーション」とされているのはRedskinsにおけるCousins、及び今現在のBortlesであり、まあ要するにさっさと切れと言っているに等しい。さらに大けがをすると来シーズンの21ミリオン弱のサラリー支払いが決まってしまうため、今後はベンチから出すなという指摘もしている。もしかしたらBucsのユニフォームを着たWinstonのプレイは、もう見られないのかもしれない。
 なおWinstonと同期のMariotaの今シーズンANY/Aは4.47と彼より低い。現時点で規定試投数に達しているQBたちのうちANY/Aの下位7人を見ると、新人と本来は控えのBeathardに加えてこの2人が顔を出している。またMariotaのキャリアトータルANY/A+は100とWinstonとほぼ同じ。あの年のドラフトQBで今なおスターターとして残っているのは彼ら2人だけであり、その2人がこの状況ということは2015ドラフトQBは実は不作であった、ということかもしれない。まあ誰ひとりとして1万ヤード投げられなかった2013ドラフト(EJ ManuelやGeno Smithの年)よりはマシだが。

 一方Brownsではコーチングスタッフのパージが始まった。HCのJackson"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000980394/article/"、OCのHaley"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000980416/article/"がクビとなり、DCのWilliamsが暫定HCに就いた。結局JacksonのBrownsでの成績は3勝36敗1分、勝率0.088で終わり。Raiders時代は8勝8敗だったので、トータルだと勝率0.205となる。コーチの評価が難しいのは確かだが、少なくとも現時点でいいところは見つからないし、そしてファンは手放しで喜んでいる"https://www.dawgsbynature.com/2018/10/29/18038448/"。
 フロントやコーチ陣に関しては継続性こそが大事だという指摘がある"https://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56751312.html"。確かに長くやっているHCやGMがいい成績を残しているのは確かだが、それは単に「いい成績を残しているからクビにならない」だけかもしれない。ダメなHCやGMを、継続性が大事だからという理由でいつまでも引きずるのは拙いという見方だってありだろう。一方でチーム人事の安定性を欠いた状態が目先に捕らわれたギャンブル的チーム作りをもたらすとの指摘にも一理ある。チーム作りは腰を据えてやるべきとの意見だ。
 再建を始めた翌年にはcompetitorになるべきだと指摘していたのはOver The Capだ"https://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56792616.html"。もし彼らの言う通りなら、SashiとJacksonの組み合わせは3年目に入ってなお上向く様子がなかったのだからもう見切るべきとの判断は間違いではないだろう。Brownsだけでなく、他の多くのチームで最近は「短期間での結果」を求め、ダメなら早々にコーチを入れ替える傾向が見られる。
 考えてみれば長く続けているHCにしても、結果は早いタイミングで出していた。BelichickはPatriotsに来た2年目にSuper Bowlを制しているし、ReidもEaglesの2年目にプレイオフにたどり着いている。一方、結果を出すのに時間がかかりながらも、温情あるオーナーの下で長々と続けているHC、例えばBengalsのLewis(キャリア全体で勝率0.530)やCowboysのGarrett(同0.551)を見ると、一流どころに比べて物足りない成績なのは間違いない。
 そうでなくても現在のNFLは労使協定とサラリーキャップの組み合わせによって「4年以内に優勝を目指す」タイプのチームが増えている。2年目を終えてもなおプレイオフに行ける様子が見えない場合、残された僅かな期間でリングを手に入れることに対する疑念が深まるのは仕方ない面はある。継続性という言葉は美しいし、またGMやHCを短期間で評価するのは難しいことも確かだが、それでも早めにHCを切り替える流れが収まることは当面なさそうだ。

 なお、第5週の時点で「NFCよりAFCの方が成績がいい」"https://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56787058.html"という事実を指摘したが、それから3週が経過したところでこの関係はあっさり逆転した。第8週終了時点でAFC全体の成績は60勝62敗2分の勝率0.492、得失点差は-55と、僅かながらNFCに負け越している。得失点で見てもNFCは16チーム中10チームがプラスとなっているのに対し、AFCは7チームとこれまたNFCの方がいい数字だ。ただ個々のチームを見るとNFCの方が格差社会となっている。Giantsと49ersが1勝しかしていない一方、Ramsはいまだ負けなし。一方のAFCには全勝チームがなく、1勝チームが1つのみ(Raiders)である。
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