プレイオフが始まるところで、各チームの戦力についてExpected Pointsを使って分析してみよう。データはPro-Football-Referenceのものであり、少なくとも普通のヤードよりは各チームの実力を示すものと考えられる。まずはオフェンスで、左からチーム名、パスのEXP、ランのEXP、トータルEXP(カッコ内はリーグ順位)だ。
Patriots 209.01(1) -14.17(8) 198.54(1)
Steelers 162.56(3) -39.83(23) 123.02(3)
Jaguars 71.65(13) -27.40(15) 36.68(12)
Chiefs 114.88(8) -1.07(5) 109.91(5)
Titans -11.92(24) -11.31(7) -27.82(21)
Bills -7.71(23) -36.03(18) -48.55(24)
Eagles 133.20(5) -30.87(16) 100.75(6)
Vikings 133.68(4) -50.18(26) 81.27(9)
Rams 104.94(10) -19.64(9) 85.88(8)
Saints 126.67(7) 24.12(3) 151.65(2)
Panthers 51.16(14) -22.88(12) 28.70(13)
Falcons 130.44(6) -36.81(19) 88.77(7)
パスオフェンスで見るとPatriotsが突出し、次がSteelersだ。彼らに比べるとNFCの上位陣は少し落ちる。中でもQBが控えに交代しているEaglesのパスオフェンスは、額面通りにはいかないと見るべきだろう。逆に下位に沈んでいるのがTitansとBills。彼らのパスオフェンスは、点数という面ではプラスよりマイナスに影響している。
ランオフェンスは、正直あまり全体の攻撃力に影響を及ぼしていない。2人のプロボウルRBを抱えているSaintsはさすがにプラスになっているが、それ以外は全チームマイナスだし、それぞれの差もそれほど大きくはない。そのためトータルEXPはパスオフェンスとあまり変わらない。このためオフェンストータルではPatriots、Saints、SteelersとChiefsあたりまでがそれなりに高い数字を出している。
次はディフェンスだ。
Patriots -72.54(20) -3.72(30) -77.44(28)
Steelers -2.51(9) 5.66(24) 11.17(11)
Jaguars 121.90(1) 60.82(4) 185.27(1)
Chiefs -78.42(21) -0.76(27) -75.49(27)
Titans -83.18(22) 71.25(2) -2.91(14)
Bills -27.14(12) -16.74(31) -36.60(18)
Eagles 27.93(5) 41.35(10) 71.03(4)
Vikings 46.37(3) 33.97(14) 79.44(3)
Rams 17.08(6) -3.02(29) 25.23(8)
Saints -31.47(13) 8.91(23) -11.65(15)
Panthers -32.75(14) 43.11(8) 14.91(10)
Falcons -57.29(18) 11.43(22) -38.39(19)
突出してパスディフェンスが強いのはJaguars。彼らはランディフェンスも強く、全体でもぶっちぎりのトップだ。AFCでは彼ら以外にディフェンスでプラスを出しているのはSteelersだけ。基本的にディフェンスの弱いチームが集まっている。
一方NFCではVikings、Eagles、Ramsといったシード上位陣がパスディフェンスを中心にそれなりのディフェンスを構築している。またランディフェンスが強いPanthersもSteelersを上回る順位になっており、こちらのカンファレンスでは強力ディフェンスの争いを見ることができそうだ。
オフェンスとディフェンスの合計EXPが大きい順に並べると以下のようになる。
Jaguars 221.95(1)
Eagles 171.78(2)
Vikings 160.71(3)
Saints 140.00(5)
Steelers 134.19(6)
Patriots 121.10(7)
Rams 111.11(8)
Falcons 50.38(10)
Panthers 43.61(11)
Chiefs 34.42(13)
Titans -30.73(18)
Bills -85.15(24)
ではワイルドカードの対戦はどうなるだろう。まずBills @ Jaguarsだが、BillsオフェンスはランもパスもJaguarsディフェンスに匹敵できるようには見えない。一方のJaguarsオフェンスはラン、パスとも凡庸だが、Billsディフェンスのうちパスは普通でランは明らかな弱点だ。Billsオフェンスが進まない一方、FournetteのランにBillsディフェンスが切り裂かれる展開が予想できる。
Falcons @ Ramsでは、Ramsオフェンスはラン、パスともそこそこなのに対し、Falconsディフェンスはラン、パスとも今一つ。この対戦ではRams側が優位だと考えられる。一方Falconsオフェンスはパスが強くランは今一つなのだが、Ramsディフェンスがパスにそこそこ強くランに弱いため、あまり相性は良くない。正面からぶつかるとFalconsの分が悪そうだ。
Titans @ Chiefsはどうか。Chiefsのディフェンスはランも冴えないが特にパスが悪い。Titansのパスオフェンスも悪いのだが相手がChiefsならそこそこは期待できそうだし、ランオフェンスはむしろ強い。一方Titansのディフェンスはランはかなり強いがパスがかなり弱い。Chiefsオフェンスはどちらも強いため、こちらではパス中心のオフェンスになることが考えられる。ラン頼りのTitansよりパスで攻めることができるChiefsの方が優位か。
最後にPanthers @ Saints。Panthersのオフェンスはどちらも平凡だがSaintsのランディフェンスが弱いため、そこに付け入る余地はありそう。一方Panthersディフェンスはそれほど悪くないのに対しSaintsオフェンスは特にランが強いがパスもかなりなものだ。どちらかと言えばPanthersの方が不利な組み合わせだと考えられる。
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