結論に飛びつこう。
というわけで2018シーズンの「がっかりチーム」「期待以上チーム」を予想する。数字の間違いではない。2018シーズン、つまり来シーズンの予想だ。まだ今シーズンのプレイオフ出場チームも決まっていない段階で気が早すぎると言われるのは当然だが、なに、NFLのファンなんて常にjump to conclusionsを繰り返している(分かりやすく言えば手のひらを返しまくっている)のだから別にここでやっても問題ないだろう。
ではどうやって予想するのか。「がっかり」や「期待以上」をもたらすのは、そもそも前提となる期待水準があるからだ。例えばGiantsは昨シーズン11勝5敗、プレイオフ出場という実績があったからこそ、今シーズンの低迷ぶりにファンが激怒している。だが私が当時から指摘していた"
https://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56175141.html "通り、彼らのスタッツ内容は決していいものではなかった。その意味では今シーズンの「がっかり」は実はある程度予想できたはずなのである。
そこで現時点までの各チームの勝率と、それ以外の様々な実力指標とについて標準偏差(Z-score)を算出し、各チームがどれほど実力からかけ離れた成績になっているかを調べる。勝率が実力より上に大きくかけ離れているチームほど来シーズンは「がっかり」に、逆のチームほど「期待以上」になる可能性が高まるはずだ。
調べる実力指標は得失点差、ANY/A differencial、及びドライブ指数だ。いずれも勝率よりは母数の大きなデータに基づいた指標であり、それだけによりチームの実力を反映している可能性が高い。あとはそれぞれのZ-scoreを勝率のZ-scoreから差し引き、その差を足し合わせる。この数字が大きいほど実力以上の勝率を残しており、逆なら実力未満の成績になっていることが分かる。来シーズンにはその反動(というか平均への回帰)が期待できるわけだ。
以下に第13週時点での数字を載せる。上の方ほど来シーズンに「期待以上」となる可能性が高く、下に行くほど「がっかり」リスクが高まる。
Browns -2.8
Chargers -2.7
Jaguars -1.9
49ers -1.4
Rams -1.2
Texans -1.2
Redskins -1.1
Buccaneers -1.0
Chiefs -1.0
Bengals -0.9
Saints -0.7
Ravens -0.5
Jets -0.5
Giants -0.5
Bears -0.4
Lions -0.3
Eagles -0.2
Cowboys -0.2
Falcons +0.0
Seahawks +0.2
Cardinals +0.2
Broncos +0.6
Patriots +0.8
Colts +1.0
Vikings +1.3
Raiders +1.4
Steelers +1.4
Panthers +1.7
Dolphins +1.8
Bills +2.3
Packers +2.6
Titans +3.4
「がっかり候補」としてはTitansが文句なしのナンバーワンだ。プレイオフにたどり着いたとしても、ファンは浮かれることなくシーズンオフもチームに圧力をかけるべきだろう。一方PackersはRodgersが欠場しているので、この数字を額面通りに受け取っていいのかどうかは微妙なところ。Billsは「がっかり候補」であり、HCが1年目であることを踏まえるなら実はGiantsに似ているとも言える。
今シーズンでは数値が+2以上あるいは-2以下になるほど勝率と実力指標の差が開いているチームは多くないが、毎年こうなるわけではない。2016シーズンのこの数値を見ると、「がっかり候補」(+2以上)はTexans、Raiders、Giants、Lions、Dolphins、Cowboysの6チーム、「期待以上候補」(-2以下)はChargers、Jaguars、Bears、Bengals、Falcons、Cardinals、Vikingsと7チームも存在した。昨シーズンは特に実力と表面的な勝率の開きが目立った年だとも言える。
そしてこれらのチームのうち、特に「がっかり候補」は現時点でかなり高い的中率を示している。もちろん「がっかり候補」が常に落胆をもたらすわけではなく、勝率に見合うだけのチーム力強化をシーズンオフにやっておけば期待通りの成績を残すことも可能なはず。でも実際にはそれができていないチームが多いのだろう。チームの勝率が実力を反映したものが、そうではなく単なる幸運なのか、「そこの認識をごまかす輩」は、次のシーズンに「地を這う」ことになる。
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