NFL week8

 アイエエエ"http://www.espn.com/nfl/story/_/id/21230962/"。今年もPatriotsがトレード市場を賑わせたか。とりあえず49ersファンは大喜び"https://www.ninersnation.com/2017/10/30/16579146/"。Patriotsファンはパニック"https://www.patspulpit.com/2017/10/30/16579050/"。Brownsファンはなぜ自分たちがこのトレードをできなかったのかとフロントを責めている"https://scout.com/nfl/browns/Board/105323/Contents/Schefter-49ers-have-traded-for-Garoppolo-109726630"。
 Garoppoloは今シーズンいっぱいで契約が切れる。残したければおそらくフランチャイズタグしかなく、先発トップクラスのサラリーが必要。それができないのであれば、まだ契約下にある間にトレードした方がいいという判断だろう。キャリア3年半で勝率10割とはいえドロップバックが102しかない選手に高いサラリーは払えないという理屈は分かる。行き先がBrownsではなく49ersになったのは、別カンファレンスの方がいいと考えたからだろうか。
 ただしこれにより、Bradyは少なくとも来シーズンまでは現役最前線でやってもらわざるを得なくなった。来シーズンの彼は41歳である。41歳で10試合以上に先発しなおかつANY/A+で100以上(つまりリーグ平均以上)を記録した選手は1997シーズンのWarren Moonしかいない。もし後2年踏ん張るとしたら、文字通り前人未踏の領域に挑むことになる。まさしく背水の陣だ。とはいえ40歳の今シーズンもBrady自身はANY/Aでリーグ2番手と極めてハイレベルを維持しており、簡単にはやめさせられないのも確か。だからこそ将来のフランチャイズQBを改めて選び直すという一種の賭けに出ざるを得なかったのだろう。
 ちなみにこのトレード、当初はBrian Hoyerも含まれていたそうだ"https://twitter.com/RapSheet/status/925172612677988353"。彼をトレードで獲得してしまうと補償ドラフトを失うことになるPatriotsがこれを断り、49ersがリリースした後で取りに行くことになるらしい。HoyerはかつてPatriotsにいたことがあるし、先発としてはともかくバックアップとしてはキャリアがあるので、これで今シーズンを乗り切るつもりなんだろう。Bradyの後継者は2018年のドラフトで選ぶことになると見られる。あとGaroppoloを切ったのでMalcolm Butlerにタグが使えるようになったとの指摘もある"https://twitter.com/spotrac/status/925172809290190851"。
 49ersはANY/Aでリーグ29位と低迷しているパスオフェンスの改善につながることを期待しているのだろう。ただし彼らはディフェンスも酷い状態(ANY/Aで28位)にあり、QBを変えるだけで状況が大幅に改善するとは思えない。とりあえずドラフト全体1位は避けたいというところだろうが、Garoppoloのチームへの適応が上手くいかなかったりすればしんどいことになる可能性はある。残る対戦相手の中にはGiants、Bearsなど比較的楽な相手もいるが、一方でJaguarsやRamsのように強力ディフェンスもいる。Garoppoloにとっては実力が問われる局面もありそうだ。

 今シーズンのトレード期限前には、Garoppolo以外にもトレードが続出した"http://www.espn.com/nfl/story/_/id/21231387/"。10月中には他にもAdrian Petersonのトレードがあった"https://twitter.com/AdamSchefter/status/925398032887271424"わけで、量も質も充実していたと言える。何より特徴的なのはPatriotsを含まないトレードが増えたことだ。
 昨年の期限前1カ月には5件のトレードがあったのだが、うち3件はPatriotsが絡んだもの。それ以前になると10月中のトレードが1件しかない年もある。NFLにおいてはドラフト中の指名権トレードが中心になりがちで、シーズン中の選手の入れ替えは多くない。その流れがこのように変わってきたのは、利用者の少ないマーケットほど非効率性が残り、そこで「儲ける」チャンスが増えると見たためかもしれない。利用者が増えてきたことにより、おそらく今後はより効率的なマーケットになっていくと思われる。
 で、そのトレードでやらかしてしまったと言われているのがBrowns。Garoppoloトレードの際にフロントが何もせず5時に帰宅してしまったことにコーチングスタッフが激怒しているという話"https://twitter.com/AllbrightNFL/status/925342090711764992"が出てきたのに続いて、締め切り間際にMcCarronのトレードでBengalsと合意したにもかかわらず、NFLに伝えそびれたためにトレードを成立させそこねた"http://www.espn.com.au/nfl/story/_/id/21241178/"。
 一説によると彼らはトレード成立を祝うのに忙しすぎて連絡を忘れていたという"https://twitter.com/HammerNation19/status/925468924795408386"。一方、別の説ではBengalsが間違った書類をNFLに送ってしまったことが原因だという"https://www.dawgsbynature.com/2017/10/31/16587976/"。さらにBengalsはそれを否定"https://twitter.com/MaryKayCabot/status/925544793639477251"。真相は藪の中だが、ネットは既にお祭り状態である"usat.ly/2z27c8r "。
 個人的にはGaroppolo(キャリアANY/A7.25)を2巡で持って行かれたチームがMcCarron(同6.27)に2巡と3巡を出すという時点で「新たなやらかし」だと思うし、トレード不成立は結果的にBrownsにとってプラスだった。そのためか、トレード不成立をBrownsが意図的にしでかした可能性まで指摘する声が出ている"http://profootballtalk.nbcsports.com/2017/10/31/browns-mccarron-excuse-doesnt-mesh-with-nfl-procedures/"。なぜフロントがそんなことをしたのかを考えるのも面白そうだが、思いつく理屈は組織内の対立(HCがトレードを要求し、オーナーもそれを後押ししたが、フロントが面従腹背に出たとか)くらいしかない。
 いずれにせよ、前回書いた「フロントが悪いのか、コーチが悪いのか、運が悪いのか」問題に関して、今後はフロントの責任を問う声が一段と高まりそうだ。彼らの基本方針が悪いとは思わないが、具体的な運用における不手際が目立っているのだとすれば、実務家としてはまずい。このままだと冗談抜きでシーズン終了後にPeyton Manningをフロントに入れようとする動きが具体化するかもしれない。
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