NFL week7

 第7週に入り、またもやQBで負傷者が出た"http://www.espn.com/nfl/story/_/id/21113016/"。CardinalsのPalmerは8週ほどアウトになる見通しで、またDolphinsのCutlerも少なくとも次週の試合は出られなさそうだ。さらに先週、鎖骨を骨折して手術したPackersのRodgersがIR入り"http://www.espn.com/nfl/story/_/id/21090568/"し、ColtsのLuckは回復に遅れが生じている"https://www.cbssports.com/nfl/news/colts-andrew-luck-out-until-at-least-thanksgiving-after-setback-likely-longer/"。
 怪我人の増加に合わせ、複数のQBが先発するチームも増えてきた。今シーズンは既にVikings、Raiders、Titans、Packersが先発負傷で控えが先発したほか、TexansとColtsが第2週に、Bearsが第5週に、Brownsが第6週に、そして49ersが第7週に不振を理由に先発QBを変えている。第8週にはこれにCardinalsとDolphinsが加わるわけで、全体の3分の1以上のチームが先発交代を経験することになる。もっとも例年、1人のQBが全試合先発するのはリーグ全体の半分くらいなので、今年が特に多いとまでは言えなさそう。

 勝敗では1敗チームが1つまで減少、2敗以下のチームも両カンファレンス5チームずつまで減り、ようやく少しずつ構図が見えてきたという感じだろうか。一方、1勝以下のチームは今週も敗北し、Brownsや49ersの先行きは暗くなっている。だが本当にまずいのはこの両チームよりもColtsかもしれない。DVOA"http://www.footballoutsiders.com/dvoa-ratings/2017/week-7-dvoa-ratings"でも、EPA"https://twitter.com/bburkeESPN/status/922837785534443523"でも、そしてSRS"https://www.pro-football-reference.com/years/2017/"でも、Coltsこそが本当にやばいとの指摘が出ている。
 オフェンスはまだLuckの不在という言い訳もあるのだが、ディフェンスはそうも行かない。1試合平均失点は31.7点と、2番目に悪いCardinals(27.3点)より4.4点も悪く、この差はCardinalsとPackersなど3チーム(12番目タイ)との差よりも大きいのだ。喪失ヤードが1試合平均425ヤードとPatriots(427ヤード)に次いで悪いうえに、Patriotsがいつの間にか「曲がるが折れないディフェンス」(1失点当たりの喪失ヤードは18.0)に戻っているのに対しColtsは折れやすいディフェンス(同13.4)になっているためだ。
 もちろんシーズン途中の数字に過ぎず、この後で状況は変わる可能性もある。でも現時点ではColtsこそ再建モードに入らなければならないチームのように見える。彼らは実のところ、2010シーズン以降において失点がリーグ全体の上位に入ったことが1回しかない。それだけ長期にわたって弱点であったディフェンスを放置した結果がこの現状だ。どうしてこうなってしまったのか。思い浮かぶのは2人のQBの比較である。
 1人目のQBの成績を見ると、先発試合数は135、パス成功率は63.2%でY/Aは7.89、TD/Intレシオは3.13倍でQBレーティングは99.95。もう1人は108試合、61.5%、7.67、2.38倍でレーティング94.38となる。2人ともなかなかいい成績ではあるが、あらゆる面で見て前者の方が後者を上回っているのは間違いない。だがこの2人のサラリーを見ると、前者が年平均21.9ミリオンの契約となっているのに対し、後者は24.6ミリオン弱とこちらの方が高い。
 キャリアトータルの金額になるとさらに差が広がる。前者がこれまでの5年間に46.2ミリオンをもらったのに対し、後者の同期間の収入は66.1ミリオン。今後の契約は前者が残り契約期間3年(累計ベースサラリー45.1ミリオン)にとどまっているのに対し、後者はこれからさらに5年(同50.1ミリオン)は契約が保証されている。実績を見ればもっとたくさんもらうべき選手は前者のはずだが、サラリーは逆になっているのだ。
 前者のQBはRussell Wilson、後者はAndrew Luckだ。ただし両者の成績には大学時代の数字も含めている。もちろん、大学時代はLuckの方がいい成績を残していた。だがプロに入れば明白にWilsonの方が優れているし、しかもプロ入り5年強が強化した今では、プロで積み上げた数字の方が大きくなっている。にもかかわらずLuckの方が収入が多いのはなぜか。
 一つには、足元のNFLで生じているQB契約のトレンドがある。フランチャイズQBとされる者は、新しく契約を結んだ方が高額契約にありつける。今年のCarrとStaffordが典型例だが、同じことは2016年に契約を延長したLuckにも言える。Wilsonの契約更改(2015年)より1年遅かった分、Luckの契約が高額になったという理屈だ。
 だがLuckが契約更改する前の2015シーズンまでの(大学時代を含む)累計成績を見ても、やはりWilsonの方があらゆる面で勝っている。大学時代まで考慮に入れたとしても、Luckの契約がWilsonとの比較で高すぎるのは間違いない。新しい契約の方が金額が大きくなるという傾向以外にこの事態を説明できる理屈は、おそらくドラフト順位しかないだろう。同じことは今オフにQBとして最高契約を勝ち取ったStafford(ドラフト全体1位)にも当てはまる。
 大学時代の成績で決まるドラフト順位が、なぜいつまでもQBのサラリーに影響を及ぼし続けるのか、それは分からない。QB契約の全体的傾向以外には、認知バイアスがあるからという説明しか思いつかない。でもこうした「ドラフト順位の影響でQBに高すぎるサラリーを払い続ける」ことは、おそらくチームを長期にわたって害し続ける。Coltsの今シーズンの成績が、バランスを欠いたサラリー配分のためにもたらされている可能性はある。
 今シーズン終了後にColtsはLuckをトレードすべきだという記事"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000864489/article"も、そう考えると一理ある。文中で指摘されている通り、Luckの成績はリーグ平均に近いレベルだ。だがトレードすればかなり大量のドラフト権と交換できそうな存在でもある。だからかつてCowboysがHerschel WalkerをトレードしたようにLuckを売り出せば、チームを大いに強化できるというわけだ。
 そこまで思い切った策に行かないまでも、彼の契約見直しくらいはやるべきかもしれない。分不相応なサラリーをQBに払っている結果、他のポジションが強化できなくなっているのなら、そうした事態の改善に動くのはチームとして当然の対応だろう。でなければ、彼らはいつまでも輝かしく見えるドラフト順位に呪われ続ける結果になりかねない。All that glitters is not gold.
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