どちらもトップのPatriotsから4位のPackersまでと、最下位がJetsという点は同じ。プレイオフ出場については前者がPats、Steelers、Seahawks、Packers、Cowboys、Raiders、Panthers、Titans、Giants、Chiefs、Ravens、Cardinalsとなっているのに対し、後者はGiantsとCardsの代わりにFalconsとVikingsが入るといった違いがある。といってもこのあたりの違いは微妙なところだ。
予想勝利数を比較すると両者が一致しているのはBengals(8.2勝)とChargers(7.8勝)。逆にずれが大きいのはRamsでFOが8.3勝を見込んでいるのに対し、ESPNは6勝どまりと予想している。次に差が大きいのはJets(FOが6.3勝、ESPNが4.1勝)なのだが、これはFOの予想がより5割に近い数字を出しているためであり、上にも書いた通りどちらもJetsが最弱と見ている点は同じだ。32チーム中23チームはどちらも1勝未満の差で近い予想を出している。
予想勝利数の順位を見ると、ここでも最大の差がついているのはRams(FOが12位に対しESPNは28位)で、以下Vikings(FOが20位、ESPNが9位タイ)、Texans(FOが28位タイでESPNは18位)が続く。Ramsの差はFOがディフェンスを2位、スペシャルチームも2位としているのに対し、ESPNがそれぞれ14位、22位に位置づけているのが理由だろう。Vikingsの差もディフェンス(FOが10位でESPNが4位)とスペシャルチーム(FOが27位でESPNが3位)にあり、TexansはESPNの方が全体に高い順位に位置づけている。
まずSRSでは最も楽だと予想されていたAFC南だが、今回の予想でもやはり全体に楽だと見られている。例外はFOのTexans予想(リーグ10位の強度)くらいで、それを除けばいずれも下位にとどまる。次に楽な予想だったNFC西だが、ESPNも同じく緩いスケジュールとなっている一方、FO予想では49ersが5番目のスケジュールとかなり厳しい数字が出ている。RamsとCardsの評価がESPNに比べて高いため、49ersがその割を食った格好だ。
AFC北はSRSでもFOでもESPNでも楽なスケジュールと見られている。例外はFOでのBrowns予想くらいだが、これもRavensとBengalsの評価が高くなった影響だと思われる。SRSでは平均的な強度と見られていたNFC北は、FOやESPNではどちらかというと厳しいスケジュール予想となっている。例外はESPNのVikingsであり、こちらはLionsやBearsの評価が低くなっている恩恵を受けたと考えるべきだろう。
同じくSRSで平均程度のスケジュールと見られていたNFC南は、ESPNで特にBuccaneersとFalconsのスケジュールが厳しめになると予想されている。Saintsの評価がFOに比べてESPNで高くなっているあたりが波及したのかもしれない。逆にFOではPanthersが突出して楽なスケジュールを見込まれている。実力ではFalconsより下にもかかわらず地区優勝と予想されているのは、このスケジュールのおかげだろう。
昨シーズンよりぐっと厳しくなると見られていたAFC東だが、ESPNの予想だと少なくともPatsは27位とかなり楽ができる。FOの予想はもっと過激で、他の3チームも含めてスケジュールは極めて楽になり、Patsは32位とリーグで最も緩いスケジュールをこなす計算になる。共通する対戦相手のうち、Saints、Buccaneers、Broncosあたりの評価が随分と低くなっている(いずれもリーグ下位)のが理由だろう。
SRS予想で2番目にハードと見られていたNFC東は、FOやESPN予想では最も厳しいスケジュールになっている。特にFOは極端で、1位(Cowboys)から4位(Redskins)まですべてNFC東のチームが占めている。今年も1番盛り上がる地区になりそうだ。SRSで最もハードと見られていたAFC西は、ESPNやFOの予想では少し楽になると見られている。
AFCではカンファレンス優勝確率でPatsが34.7%、Steelersが24.9%と、このどちらかがSuper Bowlに出る確率が6割近くを占める。それに比べるとNFCの方が競争は激しく、カンファレンス優勝確率は最も高いSeahawksでも17.7%。NFC上位4チームの優勝確率を足しても5割には届かない。まあPatsだけでSuper Bowl優勝確率が32.3%もあるESPN予想よりはバラけていると言えるが。
FOの予想はFootball Outsiders Almanacを出版した時から色々と変化しているそうだ。Elliottの出場停止とLuckの負傷は両チームの評価を下げ、Watkinsの放出でBillsも数値が低下した。Patsはディフェンスの負傷がマイナス要因になったという。逆にDolphinsはBillsとJetsの弱体化で、CardsとRamsはColtsとの対戦においてLuckが出てこないためにプラス。そしてキッカーをカットしたBucsはスペシャルチームの評価が一気に上がったという。
もちろん、スタッツ系でなく従来型のランキングも公表されている。こちら"
https://www.sbnation.com/nfl/2017/9/5/16255238"では5種類の「従来型」ランキングがまとめて掲載されているので参考になるだろう。そして、その全てにおいてランキングトップはPatriotsで一致。誰がどう見ても今年の「倒すべきチーム」はPatriots、ということなんだろう。一方、最下位もそのほとんどでJetsになっており(例外はELO関連)、これまた世評がほぼ一致している。
2位以下を見てもSteelers、Seahawks、Packersといったスタッツ系で評価の高い面々が従来型でも上位に顔を並べている。両者の間にあまり違いがないということは、それだけスタッツ分析が定着し従来予想にも影響するようになったためだろう。あるいは各チームの勢力図固定化が進み、分析手法にかかわらず似たような結果しか出てこなくなったという傾向を示しているのかもしれない。
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