ロースターカット

 レギュラーシーズン前の最終カットも一段落し、各チームの陣容がとりあえず固まった。2017シーズンが始まる。
 全体の動向はこちら"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000837423/article"で確認できる。目立つ動きはこちら"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838786/article"のまとめが分かりやすいだろう。
 目立った動きとしては、カットに合わせて行われたトレードがある。例えばJetsとSeahawksはそれぞれDEとWRを相手に差し出した"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838619/article"。Jetsはトラブルメーカーを放出してどん底まで落ち込んでいるレシーバーを僅かに補強し、Seahawksは一段とディフェンスを強化して勝ちを求めようとしているようだ。前回紹介したこちら"https://overthecap.com/oldest-expensive-nfl-teams-2017/"の年齢サラリー分布によるとSeahawksは足元で「今と将来に勝つ」から来シーズンには「今勝て」モードに移ろうとしているところ。できるだけ勝てそうな人材を集めているところか。
 もう一つはPatriotsとColtsによる控えQBと若手WRのトレード"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838759/article"。昨シーズンはBradyの出場停止のためQB3人体制で臨んだ彼らだが、本来は2人QBが通常。不要な3人目のQBを売り払って代わりにEdelmanが消えた後のWRを強化するのが狙いだろう。ColtsはLuckがPUPリストを外れた"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838772/article"ものの開幕先発は難しく、控えのTolzienも冴えないところから、実戦経験がありプレシーズンも良かったBrissettを入手したようだ。
 BrownsはOsweilerをどうするかと思っていたが普通に解雇"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838651/article"。その直後、Lynchの負傷でSiemianの控えをどうするか悩んでいたBroncosが彼と1年契約を結んだ"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838783/article"。結局、1年半の間に複数のチームにトラブルを巻き起こし、多額のサラリーをゲットしたうえで、OsweilerはまたBroncosの控えに戻ったわけだ。当人にとっては評価を犠牲にして現金を得た18ヶ月ということになろうか。でももう先発として招かれることはないだろうな。
 大物としてはCardinalsから解雇されたChris Johnson、Bearsから放出されたVictor Cruzといった面々がいる。といってもどちらも旬は越えている選手であり、正直それほど違和感はない。またシーズンが始まれば怪我人も出てくるため、この時点でクビになった選手たちが完全にNFLでのキャリアを終えたとまでは言えない。それはFAのままとなっているKaepernickなどもそうだろう。ただ、中途半端に成績がいい選手というのは再建を目指すチームにとってはむしろ邪魔なところが問題ではある。
 他にカットされたQBで気にかかったのは、まずLionsを追われたKaaya。ドラフト前には結構話題になっていたように思うが、ロースターには残れずPS送りになりそう。他に新人でこのタイミングにクビとなったQBはいないようだが、かつての先発選手の何人かは職を失っている(Weeden、Barkley、Orlovsky、Clemensなど)。毎度のことながら悲喜こもごもである。
 ファイナルカット以外の話題としては、Flaccoが久しぶりに練習に参加したという話がある"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838760/article"。彼が練習するのは7月以来だそうで、プレシーズンは完全に不参加だった。チームにとっては多額の投資に見合わない成績を残している選手の怪我であり、治っても治らなくても悩みの種になるところ。前回書いたQBのサラリー問題を象徴するようなQBが、今年もゲームに戻ってくる。

 ESPNはFPIを使った2017シーズンの「大胆予想」"http://www.espn.com/nfl/story/_/id/20497627"を出している。と言っても、以前出した予想"https://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56357301.html"自体が大きく変わったわけではなく、その中から面白いものを切り出したというのが実態だろう。
 一例が6番目に出てくる「Patriotsは2007シーズンの、それどころか16シーズンの成績にすら匹敵できない」という予想。中身を読めばわかるのだが、前回出した予想の時点でPatriotsの予想勝利数は11.8となっており、16勝にも14勝にも届いていない。そしてこの予想は今回のところも変わっていない。もともとスタッツ系の予想では平均への回帰を見込んでいるためか、上位陣も下位陣も実際より5割に近い予想が出てくる傾向がある。Patriotsが弱くなるというより、そうした傾向が出ている予想である。
 違いが出ているのはSuper Bowlにたどり着く予想とそこで勝つ予想。前回予想(50.7%と34.7%)から低下して、それぞれ49.6%と32.3%になった。まあ微々たる変化だ。Edelmanが怪我でシーズンエンドとなった"https://www.sbnation.com/2017/8/25/16207232/"ものの、影響度は限定的。実際、昨シーズンのEdelmanはDYARが43、DVOAに至っては-9.2%だった"http://www.footballoutsiders.com/stats/wr2016"わけで、Cooks(226と+11.6%)はもとより、Hogan(145と+18.0%)やMitchell(132と+19.6%)と比べても下だった。
 2番目にある「Panthersがポストシーズンに戻ってくる」という予想も前回から変わらず。確率は微妙に低下している(47.9%から45.9%)ものの、リーグで11番目に位置している。4番目の「Broncosはもはやいいチームではない」も然りで、前回予想の時点で既に予想勝利数は7.8と勝率5割未満が予想されていた。今回はこの数字が7.7と微妙に低下。Siemianがどうこうというより、おそらく「ハイレベルディフェンスを長期にわたって続けるのは難しい」という過去の経験則を反映したものだろう。
 8番目の「QBにかかわらずDolphinsは決して17シーズンプレイオフには行けない」のところも、実は前回予想と変わっていない。当時からDolphinsは7勝チームだと見られていたし、今回も同じ結論。もちろんTannehillからCutlerへとQBが代わったため、その影響をどう見るかという問題はあるのだが、以前にも書いた"https://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56417877.html"ようにFPIはもともとCutlerになるとむしろマイナスと見ていたくらいだから、これまた以前から書いていた通りの話だ。
 一方でわずかに変化した部分もある。例えば1番目の「ChiefsがAFC西地区で優勝する」。6月時点では(とても微妙な差だったが)Raidersが優勝候補のトップだった。だからその後で何か決定的な変化があったというより、細かい数字の調整で順位が入れ替わったと考えるべきだろう。Chiefsはオフェンス、ディフェンス、スペシャルチームのいずれも平均より上というバランスの取れたチームであり、例えばMahomesがAlex Smithよりわずかでも上乗せになれば、期待値が上がることは十分にあり得る。
 5番目の「JetsはUSCからもう1人のQBをドラフトする」というやつは、要するに彼らがドラフト全体1位を手に入れるという話だ"https://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56442202.html"。以前はBrownsがその位置にいたのだが、Jetsがその後もベテランを切りまくったあたりが寄与したのかもしれない。6月時点で15.9%だったドラフト1位確率が、8月下旬"http://www.espn.com/nfl/story/_/id/20437605/"には24.3%に上昇し、直近で32.8%まで膨らんだあたり、完全にタンキングモード一直線である。
 7番目の「TitansがAFC南で優勝する」は、彼ら自身よりも同地区のColtsの動向が影響したと見られる。6月時点では地区優勝確率はColtsが36.0%、Titansが30.6%だったが、シーズン開幕が近づくにつれてLuckの復帰が遅れる見通しが拡大。既に開幕週に間に合わないことは確定のようで"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000838463/article"、リーグ3番目の高給取り"https://overthecap.com/position/quarterback"の欠場でColtsの地区優勝確率が28%まで低下したのがTitans浮上の理由である。
 最後に3番手の「Elliottの出場停止はCowboysを止めない」という指摘は、スタッツ分析に親しんでいるファンなら「予想通り」以外の感想はない。彼らが地区優勝したのはRomoに代わったPrescottがRomo並みかもしかしたらそれ以上に優秀なQBだったからであり、Elliottの成績はリーグトップクラスのOLに手助けされた数字である。確かにElliottはいいRBだが、彼が残したDYARは339で、Prescottの数値(1302)に比べれば小さい。いなくても影響度は少ないのだ。
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