レシーバーたち

 NFLではFA序盤戦が終了。我がNew Englandはかなり派手に動いて大勢のFA選手をゲットした。このチームらしからぬ動きである。というかなぜスケジュールのしんどい今年にこんなことをやって、逆にスケジュールの楽だった昨年はわざわざサラリーを余らせたのだろうか。やるべきことが逆のような気がしてならない。
 とはいえ選手を集めてしまったのは事実。ならばその選手たちの中身をきちんと見た方がいいだろう。とりあえず、いきなり数が増えたWRを対象に、Football Outsiders"http://footballoutsiders.com/"の指標を使って分析してみる。一年こっきりの分析ではブレもありそうなので、可能な選手は過去5年分について数値を調べてみた。まずは前シーズンから引き続きとなる選手について。数値は左から年平均DPAR、同DVOA、同パス数、同レシーブ数、レシーブ率、年平均獲得ヤード、同YPA、年平均TD数の順番だ。

Caldwell 0.4 -18.4 50.2 27.4 54.6% 344.2 6.86 2.2

 DPARは控え選手並み、DVOAはリーグ平均を大幅に下回り、レシーブ率は50%台でYPAも7ヤードに届かない。TD数も含めてどうしようもない成績だ。と言ってもこのダメ成績の大半はSan Diego時代の影響であり、昨シーズンに限ればDPAR15.7、DVOA+9.4と一流半くらいの成績にはなっている。それでも今年のFA選手獲得ぶりを見ると彼の立場がヤバそうなのは否定できないだろう。というか、よく昨年はこんなのを拾ってくる気になったものだ。Branchが辞めると分かっていれば、いくらBelichickでももっとマシなWRを取りに行ったのではなかろうか。

Gaffney 5.3 -1.9 63.2 36.4 57.6% 430.2 6.81 1.6

 DPARとDVOAはCaldwellよりはるかにマトモだが、それでも成績としては二流から三流と言わざるを得ない。YPAではCaldwellに負けているし、年平均TD数もしかり。それにしてもこの二人、YPAで見る限りではポゼッションタイプのレシーバーだがその割にレシーブ率が冴えない。こんなWRたちを使ってプレイをさせられたのだから、Bradyの苦労が偲ばれるところだ。ちなみに途中でクビになったGabrielの成績は以下の通り。

Gabriel 5.5 -2.3 66.0 31.7 48.0% 483.0 7.32 2.7

 Gaffney並みのDPARならよりディープスレットとしての性格が強い彼を残しておいた方がCaldwellとキャラがかぶらなくて済んだのではないだろうか。まあ流石にレシーブ率が低すぎるけど。

Jackson 4.9 +23.5 19.0 13.0 68.4% 152.0 8.00 3.0

 いかんせんプレイ数が少なすぎるため、正直あまり参考にならないデータだ。おまけに2年目もACLの負傷で出遅れることがほぼ確定。プレイしない一流選手と、プレイする三流選手のどちらが偉いかと言えばそれはもちろん後者である。

Brown 7.9 +3.9 73.0 47.2 64.7% 480.8 6.59 2.8

 引退するかもしれないが、それにしてもキャリア晩年のBrownの方がCaldwellやGaffneyよりポゼッションレシーバーとしてはるかにマトモな成績を残しているのはいかがなものだろうか。もっと若ければ彼こそエースとして使いたいところだっただろう。それだけ昨シーズンのWR陣が酷かったということである。
 さて、ではそのダメなレシーバー陣を強化すべく呼ばれた連中の成績はどうであろうか。

Stallworth 12.1 +6.1 87.4 46.6 53.3% 710.2 8.13 5.8

 今まで並べた連中に比べれば圧倒的に素晴らしい成績である。プレイ回数が多いうえにYPAは夢の8ヤード台。年間TD数も多く、DPARも充実している。レシーブ率は低いがディープスレットが主な役割だと考えれば十分に納得の数値である(少なくともGabrielよりずっとマシ)。これだけのプレイヤーなら実質1年でなく長期契約をそのまま履行しても良さそう……と思えるとしたらそれは目の錯覚。本物の超一流プレイヤーとは以下のような選手を言う。

Marvin Harrison 36.5 +21.9 153.2 100.0 65.3% 1322.0 8.63 12.0

 はい、これで一目瞭然。Stallworthは今シーズンのFAの中ではいいWRだが、あくまでそれだけの選手に過ぎない。何しろ下の選手と比べても物足りない実績しかないのだ。

Deion Branch 16.0 +14.7 89.6 53.2 59.4% 693.8 7.74 3.6

 StallworthがBranchを上回っているのはYPAとTD数のみ。トータルの実績を示すDPARでは結局Branchの穴埋めにすらならないことが分かる。昨シーズンよりまともな1番手WRが手に入るのは事実だが、過大な期待を抱くべきではないだろう。

Welker 9.6 +4.8 76.0 48.0 63.2% 560.5 7.38 0.5

 これまた妙に期待感の強いWRであり、実際に数値を見てもTD数の異様な低さを除けば悪くない数値が並んでいる。Stallworthと並べてこちらをポゼッションタイプのレシーバーとして使えば、昨シーズンに比べてはるかに優れたレシービングユニットが出来上がりそうな気がする。かつてNew Englandで二番手WRだった以下の選手と比べても遜色ない。

Givens 9.9 +15.1 58.4 33.2 56.8% 463.2 7.93 2.4

 問題はWelkerの実績が実質2年分しかないこと。母数が少ないため、Jacksonほどではないがデータの信頼性が乏しいのだ。もう一つは、2番手WRに2巡と7巡を支払うのが果たして妥当かという点。中には払いすぎという人もいる。

Washington 5.0 +10.8 32.0 18.0 56.3% 223.0 6.97 2.3

 GaffneyレベルのDPAR。7ヤードに到達しないYPAも60%未満のレシーブ率もGaffney並み。それでもってプレイ回数はGaffneyの約半分だ。あくまでスポット使用向きのWRであり、それ以上ではないと見ておくべきだろう。
 以上、過去の実績だけで見るなら1番手Stallworth、2番手Welker、スロットにGaffneyを入れ、Washingtonは控えにするのが妥当。結果として出来上がったユニットは、05シーズンまで持っていたものが少しレベルダウンした程度の水準にあると考えていいだろう。もちろん、それでもディフェンスやランニングゲームがうまく進めば十分にSuperbowlへ行くことはできる。WR以外をどれだけきちんと強化し機能させられるかがカギを握る。

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