QB指名

 意外なデータを1つ。2008年以降の直近10年間、ドラフト上位(1~3巡)でQBを指名した数が最も多いのはClevelandの5人だ(カッコ内は指名巡)。

2010 Colt McCoy(1)
2012 Brandon Weeden(1)
2014 Johnny Manziel(1)
2016 Cody Kessler(3)
2017 DeShone Kizer(2)

 では次に多い4人を指名したのはどのチームだろうか。同じくQB不足に苦しんでいるJets? それともRams? 残念ながらどちらも違う。2番目に多いのは、実はNew Englandだ。

2008 Kevin O'Connell(3)
2011 Ryan Mallett(3)
2014 Jimmy Garoppolo(2)
2016 Jacoby Brissett(3)

 JetsやRamsは、Denver、Miami、Tampa Bayと並んで3人指名の3位である。QBの人材に最も苦労していなかったチームが、最も苦労していたチームの次に多くの上位ドラフト権を投じていたわけだ。New Englandが指名した4人のうち、O'Connellは後に解雇、Mallettは後にドラフト権とトレードされ、残る2人は先発を経験した。
 他のエースQBを抱えているチームを見るなら、例えばGreen Bayは1人(Brohm)、New Orleansも1人(Grayson)、Giantsも1人(Webb)しか同期間に指名していない。PittsburghやSan Diegoに至ってはゼロ人だ。QBに心配がないのなら、ドラフト権という資源は他のポジションに投じた方がいいと考えるのは、ごく普通の発想だろう。
 だがNew Englandはそうしなかった。指名した選手はほとんどNew Englandでプレイしていないのだが、それでも指名を続けた。なぜなのか、理由はよく分からない。Bradyが大けがをした後にこの動きが始まったので(それ以前の2001-07にQB上位指名はゼロ)、もしかしたらけが対策のためかもしれない。あるいは他に狙いがあるのかもしれない。
 もちろん、別に狙いがあったわけではなく、たまたまそうなっただけという可能性もある。あまり深読みする必要のないデータかもしれない。だがチームのニーズから考えれば順位が低いポジションにこれだけのドラフト資源を投入し続け、それでいてなお勝率0.752と2位(Pittsburghの0.643)に大きな差をつけて勝ち星を稼ぎまくったのは驚きというほかない。
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