王位継承

 以前、こちら"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/55622609.html"でAndre LuckのTDがgarbage time「意味のない時間帯」に積み上げられたものであるとの話を載せた。2015シーズンまでの実績はその通りだが、足元ではgarbage time kingの座は別のQBに譲られている。その新たな玉座の主は、JacksonvilleのBlake Bortlesだ。
 2014-16シーズン(プレイオフ含む)に合計20TD以上を上げたQBを対象に、一方が17点以上(つまり2ドライブで追いつけない点差)リードしている局面で上げたTDの比率がどの程度に達しているかを調べたところ、Bortlesは23.2%に達した。これは2位のAlex Smith(22.8%)、3位のAndrew Luck(22.5%)を上回ってトップだ。この期間中にBortlesが記録したTD数69はリーグ15位と平凡だが、そのうち16のTDは「無意味な時間」に記録されたものとなる。
 彼のTDは特にリード「された」場面で多い、というか16のgarbage time TDは全てリードされた局面での数字だ。これは2位のAaron Rodgers(12TD)を大きく引き離したトップ。この2人以外にリードされた場面で2桁のTDを記録しているのはLuck(11)しかなく、いかにBortlesの数字が図抜けているかが分かる。
 Rodgersの場合は単にTD数全体が多い(リーグ最多の計126TD)ことがgarbage timeのTDも増えている要因。実際、彼の場合はリード「している」場面でも13TDを記録しており、特にリード「された」場面だけが多いわけではない。Bortles同様に負けている場面でのTDが多いLuckも、この3年に限ればリード「している」場面のTD数(9)とあまり変わらない数字にとどまっている。
 他のgarbage time TDが多いQBたちと比べても、Bortlesほど偏っているQBは決して多くない。Smithは負けている場面のTDが7つで勝っている場面のTDが6つ、Cam Newton(20.3%)は負けている場面が9つで勝っている場面が7つだ。Ryan Tannehill(18.6%)はもう少し偏っているが、それでも負けている時の9つに対して勝っている時が4つ。Matt Ryan(16.7%)は勝っている時も負けている時も8TDである。
 Bortles同様に負けている時だけgarbage time TDを記録しているBrian Hoyer(21.6%)という選手もいるが、その数は8つ。もちろんBortlesに比べてプレイ回数が少ないことは確かだが、それでもBortlesほどgarbage timeに頼った成績とは言いがたい。トータル20TDという条件を外せば、例えば12TDのうち8TDが負けているgarbage timeのものであるZach Mettembergerなどがいるが、2年で10試合しか先発していない控えQBなのだから仕方ないと見るべきだろう。
 つまり先発扱いされているQBたちのうち、現時点で最も「無意味な時間に活躍している」QBはBortlesとなる。彼のキャリアトータルのTD-int数は69-51となっており、この3シーズンのリーグ全体(2544-1369)に比べてかなり悪いうえに、そのTD数がゲームへ与える影響の少ないgarbage timeに稼いだものだとなれば、これはかなり問題である。

 こちらの記事"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000794860/article/"では、低迷するフランチャイズのファンが「死の受容のプロセス」"https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E3%81%AC%E7%9E%AC%E9%96%93"をたどっている様子をまとめている。もちろんこの記事はジョークに過ぎないが、その中にJacksonvilleのファンによるBortlesへの態度が「否認」段階の事例として紹介されている。
 Bortlesはこのオフシーズンに成長していると述べているようだ"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000793889/article/"。だが彼の言葉を信用しようとするファンの反応は「典型的な否認」であり、彼らは15シーズンにBortlesが記録した35TDにすがりついている。「Bortlesの記録の多くが、無意味な時間の産物であった事実を無視して」。
 3年間リーグどん底クラスの成績を残し、その中でプラス材料とファンが見なしている数字も実は「無意味度ナンバーワン」だったこのQBは、しかし17シーズンも先発を続けると見られている。確かにGabbertの失敗を経験したフランチャイズが、ドラフト1巡QBで2人連続失敗したことを「否認」したくなる気持ちは分かるが、果たしてそれでいいのか。Bortlesがサンクコストであるなら、とっととその事実を「受容」し次のステージに進むべきだと思える。
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