New Orleansは先のBrandin CooksのトレードによってNEの1巡32位のドラフト権を手に入れているため、Butlerのために指名権を差し出してもまだ1巡が1つ残るのが強みだろう。元々CooksとButlerは同時にトレードされるという話もあったため、その意味では予想通りと言える。後はNEが1巡指名権とButlerのどちらに価値を見いだすかだ。
そのCooksトレードは、高齢化しているWRの若返り策かもしれない。何しろEdelmanは今年で31歳、残るかどうか分からないがAmendolaはシーズン中に32歳となる。Hoganも29歳になる計算で、20代前半はMitchellくらいだ。今年24歳になるばかりのCooksは、長期的なレシーバー陣の安定を考えれば必要な人材だったのかもしれない。ドラフトで当たるかどうか分からない新人を採るよりは確実と見たのだろう。
レシーバーのトレードとしてはIndianapolisからTEのDwayne Allenも入手した。こちらはFAとしてGreen Bayと契約したBennettの穴埋めと見ていいだろう。元々、ケガがなければGronkが第1ターゲットなのは間違いないため、基本的に2番手TEとして活動できれば御の字。もう1人、トレードで入手したのがDEのKony Ealyだが、こちらはドラフト順を8つ下げただけで手に入れた選手であり、役割もDLのローテーションを担えば十分だと思う。
FAとして手に入れたのはGilmore以外だとまず4年20ミリオンの契約を結んだLawrence Guyがいる。FOXだとポジションがDEになっているが、こちら"
http://bleacherreport.com/articles/2697420"によればDTが正しいようだ。DTとして1年平均5ミリオンは決して高い金額とは言えないし、Alan Branchと2年契約を結び直しているため、基本的にはこちらもローテーション要員だろう。
新年度入り直後の「契約の第1波」は通り過ぎ、全体として動きは静かになっている。最近はあまりFAに期待をかけすぎるのはまずいということが知られるようになったのか、この時期に動かない所も増えてきた。FA流出が多いにもかかわらず補充を急がないHoustonやCincinnati、Green Bayのような例もある。確かにFA選手は市場価格での契約になるため、割安なドラフト選手に比べればどうしても効率が悪い。
ただしドラフトには当たり外れがある。期待値通りに行けば割安になるとしても、期待外れになってチーム力が大きく落ち込むリスクも存在する。一方でそれを恐れ、ドラフトよりも戦力が予想できるFAに力点を置きすぎれば、いずれはキャップマネジメントが破綻をきたす。
次の大きな波がドラフトの時に訪れるのはおそらく間違いないだろう。その時点で「割安だが不透明」なドラフトと「割高だが予想しやすい」FA、トレードをどう組み合わせてチームを作り上げていくか、GMたちの腕が問われる局面だ。Belichickが高い評価を受けるのもこのチーム作りで常に他者に先んじていい実績を積み上げてきたからこそであるが、一方でその彼にもしばしば失敗があったこともまた事実。さて今年は成功になるのか、それとも失敗か。
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