2017オフシーズン

 私は一応New Englandのファンなので、足元のFAの動きをここでまとめておくことにする。参考にしたのはFOXのこちら"http://www.foxsports.com/nfl/transactions"など。

 最新の確定した動きとしてはDont'a Hightowerとの4年契約がある。金額は43.5ミリオン"http://www.patspulpit.com/2017/3/16/14943950/"だそうで、1年当たり11ミリオン弱となる。ILBとしてはCarolinaのKuechlyに次ぐビッグな契約だ"https://overthecap.com/position/inside-linebacker/"。NEは元々Teddy BruschiやJerod MayoなどILBのポジションについては長期に契約することが多いので、その意味では予想通りと言える(Mayoはさすがに引退が早すぎた気はするが)。
 Hightowerは現在27歳になったばかりなので、これで一応30歳まではNEでのプレイを継続することになる。Bruschiほど長期にわたってプレイするかどうかは分からないが、今後はできればシーズン通して活躍してほしいところ。こちら"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/56097433.html"でも書いた通り、ILBは比較的長くプレイできると見られているポジションなので、ここが安定すればディフェンス作りは楽になるだろう。
 Hightowerとの契約のやり方は、2015年に5年契約を結んだSのDevin McCourtyと同じだったという"http://patriotswire.usatoday.com/2017/03/16/donta-hightowers-free-agency-played-out-just-like-devin-mccourtys/"。予めFA市場で自分の値段を確かめたうえでチームと合意するという方法は、選手としてはありがたいものだろう。チームにとって欠かせない選手ならその程度は気を使った方がいいってことか。とりあえずCollinsやJonesのような流れにはならなかった。

 逆に取引材料に使われている印象が強いのがMalcolm Butlerだ。彼はRFAとして1巡テンダーを受けているそうで"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000791223/article/"、彼がほしければNEに1巡を差し出す必要があるとされている。New Orleansが彼に興味を持っており、実際にチームを訪ねて合意したとの報道も出ているが詳細は不明。New Englandが本当にトレードに応じるのかどうかも含めてまだ不透明である。
 NEはFAでStephon Gilmoreと5年65ミリオン(1年平均13ミリオン)の契約をした"http://www.espn.com/blog/new-england-patriots/post/_/id/4801705/"。実際には後半3年の契約に無条件で保証している支払いはないため、最初の2年でダメなら切り捨てる可能性がある契約ではあるが、いずれにせよ1巡テンダーでも1年4ミリオンに達しない同年生まれのButlerから見れば納得できない契約だろう。彼が市場で売り出そうとする気持ちも分かる。
 New Orleansは先のBrandin CooksのトレードによってNEの1巡32位のドラフト権を手に入れているため、Butlerのために指名権を差し出してもまだ1巡が1つ残るのが強みだろう。元々CooksとButlerは同時にトレードされるという話もあったため、その意味では予想通りと言える。後はNEが1巡指名権とButlerのどちらに価値を見いだすかだ。

 そのCooksトレードは、高齢化しているWRの若返り策かもしれない。何しろEdelmanは今年で31歳、残るかどうか分からないがAmendolaはシーズン中に32歳となる。Hoganも29歳になる計算で、20代前半はMitchellくらいだ。今年24歳になるばかりのCooksは、長期的なレシーバー陣の安定を考えれば必要な人材だったのかもしれない。ドラフトで当たるかどうか分からない新人を採るよりは確実と見たのだろう。
 レシーバーのトレードとしてはIndianapolisからTEのDwayne Allenも入手した。こちらはFAとしてGreen Bayと契約したBennettの穴埋めと見ていいだろう。元々、ケガがなければGronkが第1ターゲットなのは間違いないため、基本的に2番手TEとして活動できれば御の字。もう1人、トレードで入手したのがDEのKony Ealyだが、こちらはドラフト順を8つ下げただけで手に入れた選手であり、役割もDLのローテーションを担えば十分だと思う。
 FAとして手に入れたのはGilmore以外だとまず4年20ミリオンの契約を結んだLawrence Guyがいる。FOXだとポジションがDEになっているが、こちら"http://bleacherreport.com/articles/2697420"によればDTが正しいようだ。DTとして1年平均5ミリオンは決して高い金額とは言えないし、Alan Branchと2年契約を結び直しているため、基本的にはこちらもローテーション要員だろう。
 もう1人がRBのRex Burkheadで、こちらはたったの1年契約"http://bleacherreport.com/articles/2696707"。おそらくST要員だろう。ただ彼との契約によってCFAの枠を1人潰したことになるため、現時点の予想では2018年の補償ドラフト権が1つしか残らなくなる"http://overthecap.com/compensatory-draft-picks-cancellation-chart/"。できればChris LongやLeGarrette Blountあたりもどこかと契約してもらいたいところだが、どうなることやら。

 新年度入り直後の「契約の第1波」は通り過ぎ、全体として動きは静かになっている。最近はあまりFAに期待をかけすぎるのはまずいということが知られるようになったのか、この時期に動かない所も増えてきた。FA流出が多いにもかかわらず補充を急がないHoustonやCincinnati、Green Bayのような例もある。確かにFA選手は市場価格での契約になるため、割安なドラフト選手に比べればどうしても効率が悪い。
 ただしドラフトには当たり外れがある。期待値通りに行けば割安になるとしても、期待外れになってチーム力が大きく落ち込むリスクも存在する。一方でそれを恐れ、ドラフトよりも戦力が予想できるFAに力点を置きすぎれば、いずれはキャップマネジメントが破綻をきたす。
 次の大きな波がドラフトの時に訪れるのはおそらく間違いないだろう。その時点で「割安だが不透明」なドラフトと「割高だが予想しやすい」FA、トレードをどう組み合わせてチームを作り上げていくか、GMたちの腕が問われる局面だ。Belichickが高い評価を受けるのもこのチーム作りで常に他者に先んじていい実績を積み上げてきたからこそであるが、一方でその彼にもしばしば失敗があったこともまた事実。さて今年は成功になるのか、それとも失敗か。
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