基本的には右上から左下に分布しているチームが多い。投資が多いほど成績がよく、少ないほど悪いという当たり前の傾向だ。その中で例外的なチームは左上と右下にあり、左上は投資効率がいいところ、右下は悪いところとなる。各チームを示す丸のサイズはキャップスペースを示しており、今後の投資によってチーム力を高める余地を表している。
投資に比べて成績のいいところで何より目立つのはNew England。左上のチームのうち投資額は最も少なく、成績は最も高い。おまけに丸のサイズも大きく、つまりキャップスペースにも余裕がある。何というチームだろうか。他にはAtlantaやPittsburghも左上にあるが、1番驚きなのはNew Orleansだろう。ディフェンスが崩壊状態だがオフェンスの頑張りもあって、コストパフォーマンスは良くなっている。
逆に投資効率が悪いのはJetsとJacksonville、及びHouston、Cincinnatiあたりだ。ただし各チームのキャップスペースは極端に違っており、Jaxが大幅に余裕を持っているのに対しJetsはほぼ使い切り状態で、HoustonとCincinnatiもそんなに余裕はない。つまりJaxはまだ追加投資によって成績を変える余力があるのに対し、Jetsは逆に現状ほぼ手の打ちようがない状態ってことだ。これはつらい。
興味深いのは左下に遠く離れて存在するSan FranciscoとCleveland。どちらもろくに選手に投資せず、結果として成績もダメなんだが、一方でキャップスペースは余りまくっている。つまり、わざと戦力強化をしなかったようにも見えるのだ。そして今シーズンの成績はどちらもリーグどん底クラス。タンキングという言葉が脳裏に浮かぶ。
オフェンスで投資効率がいいのはOaklandとTennesseeという若手QBが頑張っていいパス成績を残しているチームだ。新人契約の間はものすごく安く契約できるため、こうした結果も不思議はない。同じく若手好調のDallasは、一方で最高給取りのRomoが試合に出ていないので投資効率という点では普通。逆に効率が悪いのはKansas City、Miami、Chicago、Baltimoreなど。いずれもベテランだが成績がそれほどでもないQBを抱えているチームだ。
一方、ディフェンスを見るとBaltimoreやMinnesotaというディフェンスに定評のあるチームの他に、ディフェンスへの投資が最も少ないNew Englandが好成績を残している。投資効率という面ではJonesやCollins切り捨ては正しい選択だったということになる。逆に効率が悪いのはJacksonvilleやJets、Green Bayなど。JaxやJetsはおそらくFA戦略の失敗がそのまま響いているんだろう。
続いてPeyton世代のまとめ10回目。今回は2007年初プレイ組なんだが、とても残念なことになっている。
shaun hill -0.16 35
ご覧の通り1人だけ、それもキャリアの大半を控えで過ごしてきた選手しかいない。Hillのドロップバック数はわずか1273回、先発数は2015シーズンまででたった34回しかなく、要するにいつ消えてもおかしくないレベルの選手なのだ。にもかかわらず彼しかいないってことは、この年のドラフト上位が酷すぎたことが理由だろう。
1巡指名はJaMarcus RussellとBrady Quinn、2巡がKevin Kolb、John Beck、Drew Stantonで、3巡がTrent Edwards。並べてみるだけで残念感あふれる面々である。この中で1000ドロップバックに最も近づいたのはEdwards(998回)だが、その彼も2014シーズンを最後に引退しており、もはや上乗せは期待できない。現状、21世紀で最も残念なドラフト年次だったのは間違いないだろう。
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