NFL week10

 イーグルスが勝率よりもいいチームであるとの記事がFiveThirtyEightに載っていた"https://fivethirtyeight.com/features/the-eagles-should-be-better-than-4-4/"。NFLはシーズンの試合数が少ないため、ツキの偏りのために実力以下の、あるいは実力以上の成績を残すチームが生まれがちである。
 例えば今シーズンの成績について、各チームの勝率と得失点の分布図を出し、近似線から期待できる勝率と実際の勝率を比較する。するとHouston(得失点差マイナス)が期待できるより.259も高い勝率を記録していることが分かるし、逆にPhiladelphiaは0.177ほど低くなる。もちろんこうしたずれの大半は偶然で説明できるし、そのためシーズン後半になるとこういう極端な数字を残しているチームには平均への回帰が強く働くようになる。
 しかしもっと長い期間、多いゲーム数を対象にした場合、ことは単なる「ツキの偏り」で説明できなくなる可能性が出てくる。実態以上にいい成績を収める能力があるチーム、ないチームの存在がそこから浮かび上がってくるかもしれないのだ。というわけで2002-2015シーズンを対象に調べてみた。
 やり方は上記と同じだが、得失点差だけでなくオフェンスとディフェンスのNY/Aの差、及びANY/Aの差とも比べる。そのうえで「期待できる勝率」と「実際の勝率」との差を標準偏差にして比べてみると、各指標における上位陣(標準偏差でプラス1以上)は以下のようになる。

得失点差
Indianapolis +2.94
New England +1.74
Denver +1.25
Pittsburgh +1.00

NY/Aの差
New England +3.10
Atlanta +1.87
Indianapolis +1.56
Baltimore +1.47

ANY/Aの差
New England +1.92
Chicago +1.75
Atlanta +1.72
Minnesota +1.70
Indianapolis +1.12
San Francisco +1.07
Baltimore +1.07

 3つのランキングすべてで上位に顔を出しているNew EnglandとIndianapolisについては、単なるツキではないレベルで「期待より高い勝率」を得る能力があると思われる。つまりBradyとPeyton Manningだ。もしかしたら優秀なQBはパス攻撃の成績を高めるだけでなく勝利を引き寄せる力まであるのでは、と思うかもしれないがそうとは言い切れない。それは同じ指標の下位陣(標準偏差マイナス1以下)を見れば分かる。

得失点差
Cleveland -1.81
Detroit -1.79
Oakland -1.18
Tampa Bay -1.15

NY/Aの差
Pittsburgh -1.42
Buffalo -1.38
Cleveland -1.36
Washington -1.21
Houston -1.10

ANY/Aの差
Tampa Bay -1.91
Buffalo -1.65
Green Bay -1.55
Cleveland -1.24
Washington -1.16
San Diego -1.06

 Pittsburgh、Green Bay、San Diegoという一流QBを抱えているチームが顔を出している。QBの持つ実力を十分に勝利につなげきっていないわけで、こういったところを見るとやはりチームの力は重要なのだという結論が出そうだ。いやまあBradyとPeytonが特殊すぎるだけ、という可能性もあるけど。
 なおそもそもの期待勝率が低いうえに、実績がそれすらも大きく下回っているClevelandについては、ご愁傷様と言うしかない。

 続いてPeyton世代のまとめ8回目。今回は2005年初プレイ組。

aaron rodgers +1.61 02
kyle orton -0.20 38
alex smith -0.35 40
ryan fitzpatrick -0.48 44
matt cassell -0.59 47

 トップのRodgersは文句なしの超一流QBだが、足元は凡庸な成績。早くも燃え尽きたのか、それともこれからまた復活するのか、運命の分かれ道だろう。それ以外には成績の割に息の長い選手が目立つ。AlexとFitzpatrickはいまだに先発だし、CassellやOrtonもプレイ回数は結構多い。早々に消えても不思議ではない成績ながらここまで踏ん張っているという点で、粘り強さには定評のある年次とでも言おうか。
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