人事と書いて「ひとごと」と読む

 NFLの話だが、まずプロボウル後にHCを解任するという暴挙に出たSan Diegoの後任HCが決定した。Marty Schottenheimerの後を継ぐのはNorv Turnerである。殿、ご乱心召されたか。なぜよりによってノブタをプロデュース、もといHCに。
 候補者としてインタビューした面子の大半はNFLのHC未経験だが、その中には一応Jim Mora Jr(Atlantaで26勝22敗)もいたはず。スーパーボウルで評価が下がったとはいえそれなりに能力があると見られるChicagoのRon Rivera(結局San DiegoのLBコーチになった)や、実はChicagoより強力なディフェンスを作っていたBaltimoreのRex Ryanだって面白かっただろう。それなのになぜTurnerを。
 理屈はある、らしい。TurnerがかつてSan DiegoのOCをやったことがあり、直前のOCだったCam CameronはTurnerの下で働いた経験がある。一方、ディフェンスでは3-4に対応できる人材が必要だが有力候補たちはいずれも3-4システムを採用していない。現時点でほぼリーグ最強のチームなのだから無理に何かを変えようとするより保守的に行動した方が望ましい、という判断なのだろう。
 それにしてもTurnerである。Washingtonでは8年間もHCを務めながらプレイオフに出たのは1シーズンだけで、プレイオフを含めトータル50勝60敗の成績に終わった。Oaklandでも2年間指揮を執ったがいずれも二桁敗戦、トータル9勝23敗だ。今オフではWade PhillipsがDallasのHCになってびっくりしたが、彼はHCとして2チームで負け越したことはない(というかDenverでは勝率5割、Buffaloでは実は勝ち越している)。2チームで負け越しながらなお3度目のチャンスを与えられるHCなど、聞いたことがない。
 Pro Football Reference"http://www.pro-football-reference.com/"によると80敗以上しているHCは歴代44人いる。このうち負け越しているのは13人。勝率の低い順番に並べるとTurner(0.416)は実に5位に顔を出すのだ。彼より上位にいるHCのうち3人はサラリーキャップ導入前の80年代以前に弱小チームのHCをやっていた連中であり、残る1人はエキスパンション2チームを率いたDom Capers。いずれもTurnerに比べれば圧倒的に厳しい条件で指揮を執った人物たちである。
 海外のサイトではTurnerのことを「GMであるSmithの操り人形」と指摘する意見も出ていた。かつてSniderやDavisといったアクの強いオーナーたちの下でHCをやったことがあるTurnerなら自分の言うことを素直に聞くだろう。Smithはそう考えてTurnerをHCにしたのだと、ファンは思っているわけだ。CottrellのDC就任についても厳しい見方をするファンが多い。
 もちろん、TurnerがいきなりすばらしいHCになる可能性は残っている。たとえそうならなくても、今のSan Diegoなら十分にプレイオフを狙えるだけの力はある。Turnerになっていきなり負け犬チームと化す可能性はかなり少ないだろう。だが、このチームに求められるのは単にプレイオフに出ることだけではない。スーパーボウルへ行くこと。そのための選択肢としてTurnerが正しかったかどうかが問われるのだ。正直大変そうな仕事である。

 ちなみにNew Englandの方ではSamuelにフランチャイズタグを貼り付けた模様。これで来シーズンも彼がNew Englandでプレイする確率はかなり高まった。このところオフのDBに関する対応は失敗続きだったので、これがいい結果につながることを期待する。あと、Bradyの元恋人が妊娠していたことが明らかになったが正直どうでもいい話。

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