つまり今回の選挙における最大の敗者は彼ら予想屋だった、という結論も言えそうだが、実はそれだけにとどまらない。彼らの予想が外れた最大の理由は、予想するうえで元になっていた各種世論調査が外れていたからだ。真の敗者は、実は世論調査だったのだ。
なぜ世論調査は間違えたのか。まず考えられるのが偶然だ。どんな調査であれ誤差はつきもの。今回の選挙では、たまたまどの調査もクリントン有利な結果が出るようなサンプリングをしてしまった可能性はある。しかし、ここまで横並びで間違えているのを見ると、その確率は低そうに思える。
なぜ掴めなかったのか。気になるのは世論調査を実施しているのが伝統的なマスメディアであることだ。トランプ支持者たちに既存メディアを嫌う傾向があるのはよく知られているが、そうした態度が世論調査に対しても出ている可能性がある。既存メディアが行う世論調査にまともに答えようとしない彼らのために調査結果が歪んでしまっているのだとすると、今後こうしたメディアが行う世論調査の信頼性はさらに低下するかもしれない。国民の政治行動が一段と読みにくくなってくるのだ。
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