全く正確な戦闘シミュレーター

 バカゲー発見"http://landfall.se/totally-accurate-battle-simulator/"。こちらの記事"http://www.gizmodo.jp/2016/07/this-totally-accurate-battle-simulator-might-be-the-most-ridiculous-video-game-ever.html"で簡単な紹介がなされているが、映像を見てもわかる通りどう見てもinaccurateな戦闘シーンが繰り広げられる間抜けなゲームである。
 Youtubeにはこれを使った映像がいくつもある。一例がこちら"https://www.youtube.com/watch?v=M_sBSwaJjiQ"。ドナルド・トランプが某国境に築いた壁に向かって不法移民が押し寄せる、という設定をシミュレートしたものらしい。
 ゲームには15種類のユニットが出てくるようだ。素手のpeasant、ボクシンググローブをつけたboxer、ピッチフォークを持つfarmer、棍棒で武装したbarbarian、小型の弓を持ったpoacher、剣を持つfootman、槍を持つspearman、盾で身を守ったshield、長弓を持つarcher、マスケット銃で武装したmusket、戦車chariot、大砲cannoncrew、大型の弩であるballista、投石機catapult、そして中国版ミサイルランチャーhwacha(火車)だ。加えてキャンペーンモードのみに「鶏使い」なるネタキャラが出てくる。
 見ての通り時代はでたらめ。紀元前にしか使われなかったchariotがある一方で、近代である16世紀頃に登場したmusketも出てくる。野戦をシミュレートしているにもかかわらず、攻城戦に使われるballistaやcatapultが登場するなど、設定も無茶だ。いやまあ映像を見るとそれ以前にツッコミどころだらけなので、真面目な指摘が野暮にしか見えないのが問題だが。
 野暮を承知でいうなら、chariotが敵の戦列に真っ直ぐ突っ込んでいくのはおそらく史実と異なる。敵が逃げようとしている場面ならともかく、普通は弓矢で射撃して攻撃するのが中心だ。またcannoncrewが敵に向かって砲丸ばかりを撃ち出すのもおかしい。ゲーム中の距離感ならどう見ても散弾を撃つのが正しい。あとboxer rebellion"https://en.wikipedia.org/wiki/Boxer_Rebellion"で戦った義和団たちは、さすがにボクシンググローブをつけてはいなかったと思うんだが。
 ballistaのみ着弾時に爆発するようになっているのもよくわからないし、poacherは短射程で発射頻度が高く、archerは長射程で低頻度という設定もどこから出てきたのか不明。とにかく名称であるtotally accurate battle simulatorってのは単なるギャグだと思って見ておく方がいいのだろう。愉快な動画が多いため気がつけば随分時間が経過してしまっているのが最大の懸念事項かもしれない。
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