NFLのプロボウル。まずは最大の見所といえるBelichickのアロハだが、あまりいい写真がない。とりあえず公式サイトにあったこちらの映像"http://cachemediasrv.patriots.com/ImgDyn.cfm?s=patriots_bb_pb07_32068034.jpg&c=1&w=525&cs=1"を。ううむ、こりゃ一見の価値ありだ。
試合の方だが、相変わらずスタッツ分析をやってみることにする。プロボウルでやっても意味ないだろうという気もするが、お約束ということで。まずランプレイについてAFCは計30回中4回で10ヤード超、2回がマイナスだった。ついでにノーゲインは1回。これがNFCになると10ヤード超は27回中たった1回、ノーゲインが3回、ロスが6回。およそランプレイが確立できていないNFCの方がプレイ時間が長かったのはいかにもプロボウルらしい変な展開だ。
個別の選手を見るとやはりTomlinsonは素晴らしく、ゲインできなかったランプレイは0。Larry Johnsonは10ヤード超を2回記録する一方でロスも1回あった。boom or bustのイメージが強いParkerは最長で7ヤード、ロスが1回といささか冴えない数値。NFCではJacksonが10ヤード超を1回記録する一方でロスも2回あるなど不安定。Goreの方が比較的落ち着いたプレイをしていたようだ。
パスで見るとAFCのQBたちはいずれもショートがダメ。最も良かったPalmerで成功率50%、Youngに至っては3分の1だ。ディープは8回中4回成功とこちらはまあまあ。ショートの酷さはNFCも同じでBreesとBulgerの成功率は50%割れ。Romoが辛うじて14回中8回のパスを通した。ディープでは全体では12回中6回とAFCと同じ。特にBulger(4回中3回)は良かった。
AFCのレシーバーで大活躍だったのはWayne。ショートは7回中5回取り、ディープは一発72ヤードゲインがあった。Chad Johnsonはディープは良く取ったもののショートが5回中1回と酷い成績。TEの中ではGatesがショート4回中1回、ディープは1回中0回と冴えない成績だった。正直、RBとWayneが支えたオフェンスというべきだろう。
NFCに目を転じるとショートで5回中3回取り、ディープは2回で72ヤードを稼いだBoldinが最もいいレシーバーだった。Driverはショートで6回中3回とまあまあ。Smithはショートは6回中3回だったもののディープが4回中1回にとどまったのが問題。Williamsはディープを2回とも取ったのが評価できるところだろう。TEではWittenが期待はずれ(ショート3回中1回、ディープ1回中0回)。
しかし今回のプロボウルで最も面白かったのは両チームとも意地になったようにパントを蹴らなかったこと。特にAFCは確信犯で、前半は相手陣1ヤード、相手陣39ヤード、相手陣34ヤードと3回あった4th downで全てgo for itに踏み切った。自陣で4th downを迎えたのが1回しかなかったためもあるだろうが、試合全体を通じてパントは1回のみ。5回やったgo for itのうち、最後のドライブでやったものを除けばあとは時間があって同点またはリードした局面でのプレイ選択である。
NFCもgo for itは4回あった。しかし、その中身を見るとAFCに煽られるように積極的にやったものは前半の1回(自陣48ヤード)くらい。残る3回は14点リードを許した第4Qという、どちらかと言うと強いられて行ったgo for itである。まだ時間が残っていた段階ではNFCはパントを蹴っていた。BelichickとPeytonとではgo for itに踏み切るスタンスが明らかに異なっていたと言ってもいいだろう。
理論的には今よりも積極的にgo for itした方がいいという指摘はあちこちでなされている。どうやらBelichickはプロボウルというあまり勝敗にこだわらなくていい試合でそれの実践を試みたようだ。なるほどこういう手もあったか。
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