QBASE 2016

 Football Outsidersで今年のドラフトを対象にしたQBASEが発表された"http://www.footballoutsiders.com/stat-analysis/2016/qbase-2016"。圧倒的に評価が高いのがカリフォルニア大のJared Goff"http://www.sports-reference.com/cfb/players/jared-goff-1.html"で、1996年以降のQBたちの中でも9位に顔を出している。それに対しもう一人のトップ指名候補、ノースダコタ州立大のCarson Wentz"http://www.fcs.football/cfb/players.asp?id=210322"はかなり凡庸な予想にとどまっている。
 それ以外のPaxton Lynch"http://www.sports-reference.com/cfb/players/paxton-lynch-1.html"、Connor Cook"http://www.sports-reference.com/cfb/players/connor-cook-1.html"、Christian Hackenberg"http://www.sports-reference.com/cfb/players/christian-hackenberg-1.html"はいずれもWentz以下の予想成績。Dak Prescott"http://www.sports-reference.com/cfb/players/dak-prescott-1.html"のみが少しWentzを上回っているが、Goffに比べれば大したことはない。要するに今年のドラフトQBは一点豪華主義、ということらしい。

 それより興味深いのは、モデル変更に伴って新たに計算し直した過去のQBたちの予想DYARと実績との関係だ。QBASEは3~5年目にそのQBがどの程度のDYARを積み上げるかを予測するものだが、過去の記録を見る限り、実は予測精度がそれほど高いとは思われないのだ。
 1996~2011年までにドラフトされた74人のQBたちについて予想DYARと実績とを比べたところ、R自乗は0.207にとどまった。つまりQBASEで説明できるのは、彼らが残した実績のうちほんの2割に過ぎない。過去の実績から将来を予想するのが難しいのは事実だが、相関係数で0.455というのはあまり魅力的な数字でないことは確かだ。
 特に大きく予想が外れた選手として、Football OutsidersではMatt Ryan、Brian Griese、John Beckらの名を挙げている。まずGrieseだが予想は-297だったのに対し実績は+2004。年ごとにぶれの大きな選手がたまたま絶好調だった年が3~5年目に当てはまったため、というのがFOの説明"http://www.footballoutsiders.com/stat-analysis/2015/introducing-qbase"だが、大外れなのは間違いない。
 Ryanも予想の+134に対して実績が+3438と大きくずれている。こちらについてはFOも素直に問題を認めており、「スカウトの予想がQBASEを打ち破った例」だと見ているようだ。そしてBeckはRyanと逆に予想(+1136)を実績(-143)が大きく下回った。Beckはドラフトされた時点で25歳以上だったのだが、そういう年齢の選手は母数が極めて少なく、正確な予測が難しいのだという。理屈は色々だ。
 この3人を外せば相関係数はもう少し良くなる、のだがそれでもR自乗は0.334にとどまり、実績の3分の1までしか説明できていないことが分かる。相関係数0.578というのも強い相関には届かない水準であり、まだまだ低い。

 R自乗で0.2というのは、以前調べた「n年目のパス成功率とn+1年目のANY/A」"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/54443205.html"の相関度とほぼ同じである。QBASEはかなり複雑な計算をしているようだが、そこまで調整を図って調べた大卒プロの成績予測は、単にパス成功率だけを使ったプロの翌年の成績予測と的中度があまり変わらないわけだ。やはり将来を予測するのはとてつもなく難しいんだろう。
 だから「Goffを指名すれば成功、Wentzを指名したら失敗」とドラフト前から断言するのは無理。たとえQBASEの評価が低くても、数字で表せない良さをWentzに見出したのなら指名する手はある。今年のドラフトではLos Angelesが豪快なトレードアップを行って1位指名権を入手"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000652822/article"し、同じくQBが必要とされるClevelandが2番手にいる。彼らの指名が成功となるか失敗となるか、それが分かるのはおそらく4~5年後だ。
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