15シーズンも最も怪我人に泣いたのはGiants。これで3年連続の最多怪我人となったわけで、ファンにしてみればいい加減にしろと言いたくなる状態だろう。もっとも怪我人の内容まで見るならBaltimoreやNew Englandの方が厳しかったという見方もできるらしい。Football Outsiders Almanac 2016では怪我をした選手の重要性について、もう少しデータの取り方を見直すそうだ。
そのBaltimoreはあの成績もさもあらんと納得できるくらい急激に怪我人が増えた。New Englandは久しぶりに怪我が少なかった14シーズンから一転して元の木阿弥に。14シーズンから連続して怪我が多かったのは他にWashington、Chicago、San Diego、San Franciscoあたりだった。
逆に最も少なかったのはCincinnati、なんだけど最後の最後にエースQBが負傷したからファンにとっては実感が乏しいかもしれない。前年に続き少ない水準を維持したのはCarolina、Philadelphia、New OrleansとGreen Bayあたり。14シーズンと15シーズンのAGLの相関係数は0.398、過去8年と15シーズンの相関係数は0.311となっており、やはり怪我が比較的多いチームと比較的少ないチームがあることが分かる。
シーズン成績とAGLとの相関は-0.319。こちらも例年通りの逆相関があった。実際AGLで20位以下のチームのうちプレイオフにたどり着けたのはNew EnglandとWashingtonの2チームのみであり、逆にトップ10のうち5チームはプレイオフに出ている。怪我が少ない方がゲームにおいて有利な傾向があるのは間違いないだろう。
QBではDallasとIndianapolis、Clevelandあたりが不運に見舞われた。Pittsburghも大変だったが、それでもプレイオフにたどり着いたんだから大したもんだ。RBは怪我の少ないチームからも多いチームからもプレイオフに出場するところがあった一方、WRは明らかに怪我が少ない方が強いチームが多かったようで、ここにもパスとランの重要性の差が現れていると言えよう。
OLはRBと同様に成績との相関が薄い。サックとOLは一般に思われているほど関係がない一方、RBの成績とOLの能力は関連が高いことはこれまでも指摘している。パスの方がランに比べて成績と強く相関しているのなら、OLの怪我人があまり成績に影響しないのも当然なんだろう。RBだけでなくOLに対しても金を払いすぎるのは拙いかもしれない。
ディフェンスではDLこそはっきり怪我の少なさが成績と相関している様子がうかがえるが、LBやDBは怪我人が少ない方がほんの少し有利な程度で、あまり明白な関係とは言えない。ポジションごとよりもチーム全体としてのレベルが影響するのだろう。
オフェンスのAGLとチーム成績の相関係数は-0.211、ディフェンスAGLと成績は-0.255だ。微妙な差ではあるがディフェンスの方が高い。オフェンスならランで怪我が増えればパスに頼るといった対応も可能だが、ディフェンスの場合は誰が欠けてもチーム力の低下につながりやすい、といった傾向があるのかもしれない。
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