Pulaski Academyのフットボールチームはアーカンソー州のクラス5Aに所属する。アメリカの高校スポーツは主に州単位で行われており、そして学校の規模に応じてクラス分けが行われているのが特徴だ。アーカンソーの場合、最も規模の大きな16校がクラス7A、続く16校が6A、続く32校が5Aといった具合に定められており、つまりPulaski Academyは規模で上から3番目のクラスに所属していることになる。
彼の戦術はスタッツ分析に由来している。彼は「アメフトにおけるポゼッションはあまりに過小評価されすぎている」と考え、結果としてほとんどパントをせず、大半のケースでオンサイドキックを行うという極端なチームを作り上げた。また彼は「爆発的なプレイ」(1回で20ヤード以上ゲインするようなプレイ)が重要であることもデータから読み取り、そのためダウンフィールドでラテラルパスを行う戦術を考え出した。まるでラグビーのように。
具体的にはこちらの動画"
https://www.youtube.com/watch?v=MbKv-LZKFFM"がわかりやすい。ある種のオプションプレイと考えられるが、通常のオプションがスクリメージの背後で行われるのに対し、こちらはフォワードパスを受け取った後のレシーバー間で実行されるのが特徴だ。ダウンフィールドでのファンブルはディフェンスにリカバーされる可能性が高いのでリスクは大きいが、ビッグゲインを得るためには正当化されるリスクだと考えたのかもしれない。
日本に比べれば圧倒的に人気とはいえ大して金のかかっていないハイスクール以下のレベルでは、色々と実験的な取り組みもしやすくなるんだろう。一方、実態はほとんどプロに近いカレッジ以上になると、かなり金をかけている部分も多く大胆な挑戦がやりにくいのかもしれない。もっとも超有力校以外で、なかなか勝てずに近くクビになる可能性のあるHCは、もっとチャレンジすべきだという意見もある。
パスの重要性は広く知られるようになり、どのチームも以前よりパス重視になってきた。NFLでは1977シーズンには1試合平均のラン37.4回に対し、パスは(サック含め)27.4回しかなかった。だが2014シーズンになるとこの数字はラン26.7回、パス37.3回と完全に逆転している。時代が変われば変化の遅いプロレベルでも違いが明白になる。だとすればいずれはKelleyのようにほとんどパントをしない戦術でも、それが有効である限り、いずれプロにも届く可能性がある。
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