NFL week16

 リーグ首脳及びテレビ関係者の祈りが天に通じたかのような第16週だった。Atlantaが勝ちSeattleが負けるという確率のかなり低い事象が発生したため、MinnesotaはGiantsに勝たないとプレイオフを決められなくなり、少なくともSNFが無意味にならずに済んだ。相手のGiantsが完全に終戦モードだったため試合自体は一方的になってしまったが。
 第17週にもプラスの影響が多くあった。Carolinaの敗北によりパーフェクトシーズンがなくなったのみならず、最終週のTampa Bay戦でHFAを賭けてまじめに戦う必要が出てきた。かれらとHFAを争うArizonaもホームでのSeattle戦を本気で争う必要が発生し、この2試合が消化試合になることが回避された。またAFCトップのNew Englandも敗北し、こちらも最終週の@ Miami戦をお休みモードにできなくなった。
 Cincinnatiとの直接対決を制したDenverはようやくプレイオフ出場を決めたのだが、まだ地区優勝は決まっていない。最高ならシード1位、最悪でワイルドカードの可能性も残っているため、最終週のホームでのSan Diego戦で勝つことが必須になる。一方Cincinnatiにはまだシード2位の可能性があるため、これまたBaltimore戦を本気で戦う理由ができた。
 もちろんKansas Cityは逆転地区優勝を狙ってOakland戦に勝つしかない。同様に地区優勝がかかるのはGreen BayとMinnesotaで、最終週のランボーフィールドはNFC北の頂上決戦となる。Seattleは最終週の@ Arizonaで勝てばシード5位となってプレイオフ初戦の相手がWashingtonになる。やはり真面目にやった方がいいだろう。
 自力プレイオフを失ったPittsburghは@ Clevelandでとにかく勝利し、Jetsの結果を待つことになる。そのJetsは@ Buffaloで勝てば他の結果と無関係にプレイオフが決まるため本気で臨むだろう。主力を休ませる余裕のあるプレイオフ出場チームはNFC4位確定のWashingtonのみ。まあ9試合の結果がそろわない限り逆転負けを食らうことがないHoustonもほぼAFC4位確定と言っていいんだが、Jacksonvilleに勝てば文句なしなので多分本気で来るだろう。
 Indianapolisの地区優勝と絡む試合が多いため、最終週のゲームは一応その大半がプレイオフに影響することになる。関係しないのはDetroit @ Chicago、Philadelphia @ Giants、Washington @ Dallas、そしてSt.Louis @ San Franciscoの4試合だけだ。これだけ上位と下位の差が開いたシーズンの割に消化試合の少ない最終週になったのはありがたいことだろう。
 とはいえ12チーム中10チームの出場枠が既に埋まり、残る2つのうち1つもほぼ確定というこの状況が理想的な展開から程遠いのも事実。プレイオフを巡る争いで最も重要なのはプレイオフに出るか出ないかであり、次がbyeを入手できるシード2位と3位の間の競争だろう。そう考えると本当に興味深いのはCincinnatiとDenverのbye争い、及びJetsとPittsburghの生き残り競争くらいになる。
 スケジュールによるとナイトゲームはMinnesota @ Green Bay。実際これ一択だろう。夕方の5試合にはKansas CityとDenverによる地区優勝争い(及びシード順位争い)、CarolinaとArizonaによるシード1位争い、そしてSeattleのワイルドカード順位争いが入ってくる。New Englandは午後イチの試合なのでここで彼らが勝ってしまうとシード1位争いはなくなるのだが、それでもこの組み合わせなら同じく午後イチに試合を行うCincinnatiの結果に関係なくシード2位争いの関心をつなぐことは可能だ。Houstonも午後イチ試合なので他の結果を待たずに勝ちを狙いに行く必要があるし、JetsとPittsburghも同じ。最後までいろいろな思惑が働くゲーム展開を期待できるわけで、テレビ局もほっと一息だ。

 今週何より注目を集めたのはOTでコイントスに勝ちながらキックオフを選んだNew Englandの選択だろう。Belichickの判断でこうしたらしいが、なぜこの決断になったのかさっぱりわからない。スタッツギークの間では、攻撃権の保持は世間一般に思われているより重要だというのが基本的な合意点。それに反した行動を取るのにどんな意味があるのやら、このチームが考えることはなかなか読めない。
 ダメQBの反撃が目立った週でもあった。11月にDallasをクビになってHoustonに拾われたWeedenはYatesの怪我で先発となり、勝利を挙げプレイオフ出場へあと一歩と迫った。そのHoustonで先発失格とされて10月に解雇されたMallettは12月にBaltimoreに入り、Pittsburgh相手にまさかのアップセットを演じた。脳震盪から復活してきたKeenumは3週連続で勝利をつかみ、序盤の好調が嘘のように負けが込んでしまったMatt Ryanもパーフェクトシーズンを止める役割を果たした。
 しかしながら彼らがプレイオフに出る可能性はない。結局のところプレイオフまでたどり着いたチームの大半は、ダメQBではなく一流QBを抱えて勝ち抜いている。勝利する可能性を増やしたければ、やはりいいQBを手に入れることは必要だろう。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

トラックバック