NFL week14

 今シーズンは14週終了時点で勝ち越しチームが11チームしかないという異常事態に陥っている。過去に勝ち越しチームがリーグの半数未満だったシーズンは極めて少ない。シーズン16試合になった1978シーズン以降、13試合が終わった時点で勝ち越しチームが半数未満だったのは今年も含めて僅か9シーズン。しかも過去の例では少なくても13チームは勝ち越しがあった(全部で28チームしかない時に)。今年がいかに特殊かが分かる。
 そのせいもあってか、プレイオフ見通しが既にかなりはっきりしている。3チーム(NFCのCarolina、ArizonaとAFCのNew England)が進出を決めているほか、NFCではGreen Bay、Minnesota、Seattleがそれ以外のチームに2ゲーム以上の差をつけており、残り試合(3ゲーム)を考えるとほぼプレイオフ確定となっている。実際、FiveThirtyEightの予測"http://projects.fivethirtyeight.com/2015-nfl-predictions/"では最も低いMinnesotaですら92%だ。
 つまりNFCでは東地区の優勝争い以外にサバイバルといえるようなものはほとんど残っていない状態と言っていいだろう。シード順についてもトップのCarolina、2位のArizonaはほぼ確定的であり、順位争いの面白さも今一つ。せいぜい東地区の三つ巴に頑張ってもらうしかない。
 残り試合を見るとEaglesはArizona、Washington、@ Giants、RedskinsはBuffalo、@ Philadelphia、@ Dallas、そしてGiantsはCarolina、@ Minnesota、Philadelphiaだ。最もしんどいのがGiants、最も楽なのがWashingtonか。アウェイが多いのが不安材料だが、これはまさかのRedskins地区優勝があるかもしれん。
 一方AFCではCincinnati、Denverが99%のプレイオフ確率を維持している。Daltonのケガといった不安材料もあるが、この両チームは地区2位に2ゲーム差をつけており、残り3試合で逃げ切れる可能性は高い。New Englandを含めてシード上位争いの主役になる可能性があるのはこの3チームでいいだろう。
 FiveThirtyEightによればワイルドカード争いもKansas City(90%)とPittsburgh(78%)が一歩リードした状態だ。ただJets(26%)も彼らと同じ勝率を維持しているため、NFCに比べればこちらの方がもつれそう。そして南地区の優勝争いだが、ここではHoustonとIndianapolisがいずれも5割弱となっており、まだどちらに転ぶか見えない状態。要するにAFCはNFCよりもつれそうってことだ。
 ワイルドカードを争いそうな3チームのスケジュールを見るとKansas Cityが@ Baltimore、Cleveland、Oakland、PittsburghがDenver、@ Baltimore、@ Cleveland、そしてJetsが@ Dallas、New England、@ Buffaloとなる。圧倒的に楽なスケジュールのKansas Cityはほぼ決まりじゃなかろうか。残り2チームではどちらかと言えばPittsburghの方が緩い。Jetsにとっては厳しい試合が続くだろう。

 また今シーズンはベテランQBが久しぶりに悪い成績を残しているシーズンでもある。ベテランの苦戦ぶりは年齢とANY/Aとの相関係数にも現れている。現時点でのこの数字は0.164となっており、昨シーズン(0.525)はもとより、2011シーズン以降では最も低い数字だ。だが、それ以前まで遡ると、実はもっと低い例がある。
 2010シーズンのこの数字は0.071、08シーズンは0.027、04シーズンは0.046で、03シーズンは0.070だ。02シーズン以降、今シーズンも含めた14年のうち今年より低かった年が4回もあったのだ。確かに今年の数字が低いのは事実だが、極端に低すぎるわけではない。
 02シーズン以降現在までの期間を2つに分けると、特に前半部の相関係数の低さは際立っている。7年間の平均は0.150となり、後半7年の平均(0.318)の半分以下だ。逆に言えば08シーズン以降の数字が異常だったとも言える。
 08シーズンといえばPeyton Manningが32歳、実質デビューを飾ったAaron Rodgersが25歳、Ben Roethlisbergerが26歳、Philip Riversが27歳と、その後長期にわたって活躍する選手たちがまだ若かった時代だ。だからこの頃は年齢と成績の相関が弱かったのだろう。
 だがこうした花形QBたちが年を重ねながらもほぼ常にいい成績を残した結果、次第に年齢と成績の相関が上がっていく。そしてようやく今シーズンになってPeytonの没落とともに相関係数が低下した。そういえば前に相関係数が低かった2010シーズンもFavreの最終年だった。おそらく今後はPeytonに続く高齢有能QBたちがキャリア晩年を迎え、相関係数の低い水準が続くのだろう。
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