NFL week5

 5週も経過するとこういう記事"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000555560/article/"やこんな記事"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000555696/article/"も出てくるようになる。似たような名前が並んでいるのだが、後者にPeyton ManningやDrew Breesが登場するのはなかなか感慨深い。NFLを代表してきた選手たちも、それだけ年を取ってしまったわけだ。
 実際、QBシャッフルはまだ続いている。DallasではWeedenのダメさ加減にうんざりしたのか、Romoのケガで緊急補強したCasselの先発を計画しているという"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000556473/article/"。BuffaloもManuelを出すそうだが、こちらはTaylorのケガのため"http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000556423/article/"。もしこの2人が先発すれば、今シーズンに先発を経験するQBは40人を超えるようになる。

 第5週終了時でリーグ全体のNY/Aは6.47、ANY/Aは6.27だ。昨シーズンの最終的な数値よりも高い。もちろんこれから季節が進むにつれてQBの成績は落ちていくため、今シーズンがどうなるかはまだ不明。それでもQB成績が高水準を続けていることに変わりはない。年年歳歳、QBにとっては厳しい生き残りを強いられる状況が強まっている。
 ANY/Aの上位陣を見ると今年は現時点でRoethlisbergerやBrady、Rodgersあたりが定位置、Dalton、Palmer、Eliなどが予想以上に高い位置にいると見ていいだろう。他にHoyer、McCownも頑張っている方だが、まあプレイ数が少ない現状ではこの程度のブレは珍しくない。一流と呼ばれるためには複数シーズンにわたってこの位置をキープする必要があるのだが、それができる選手は少ない。
 逆に下の方を見ると、前に指摘したワースト5からPeytonがどうにか脱出したがまだワースト6位であり、浮上の気配はない。代わって落ちてきたのは試合中にベンチ送りとなったStafford。これにTannehillを加えた7人がANY/Aで5にも達していないところで苦戦している。うちMallettは再び先発から滑り落ちても不思議はないだろう。
 ボトムではないものの引き続き凡庸な成績を記録しているのがBradford、Alex Smith、Cutlerあたりか。Folesも随分と下の方にあり、現状ではSt.LouisもPhiladelphiaもトレード失敗と言われかねない状況だ。下位17人のうち11人は20代、逆に上位17人のうち30歳以上は12人となっており、Peytonの成績悪化があっても相変わらず年寄り優位の成績に変化はない。

 ダメQBをいつまでも抱えるのはいかがなものかとこれまでも指摘してきた。今シーズンで言えばTannehillなどが典型だし、Alex SmithもHarbaughの下にいた時以外は並以下の成績しか残していないのだから普通ならいつ切られてもおかしくない。だが人によってはそうしたQBをなかなか切ることができない事情があるのだと言うこともある。つまりデッドマネーだ。
 NFLでチームにとって大切な選手は複数年契約が当たり前だ。だが契約が切れる前にその選手をカットした場合でも、契約で当該選手に支払いが決まっていた給与はサラリーキャップの計算に参入される。この金額はデッドマネーと呼ばれている。チームにとって何の役にも立たない選手に無駄金を払っている恰好であり、これが多いのは問題とされる。ここしばらくOaklandがデッドマネーに苦しんでいた典型的なチームだったし、今シーズンはNew Orleansが多額のデッドマネーを払っている"http://overthecap.com/salary-cap/new-orleans-saints"。
 TannehillやAlex Smith、あるいはCutlerといった選手たちが凡庸な成績にもかかわらずなかなかクビにならないのは、デッドマネーの問題もあるからだ。Tannehillの場合、デッドマネーの発生が1000万ドルを下回るようになるのはようやく2017年になってから。CutlerやAlex Smithも同様で、彼ら並以下QBをチームは少なくとも2年近くは抱え込まざるを得ない、というのがサラリーキャップから見た説明となる。
 だがこの判断は正しいのだろうか。むしろサンクコストに縛られている「ダメな決断」の典型例とみなすべきではないのか。そう言い切れないのがこの手の「凡庸なQB」の問題点だ。彼らがもっと酷い成績だったなら、GabbertやJaMarcus RusselやRyan Leaf並みにどうしようもないレベルだったなら、サンクコストと割り切ってクビにしても問題は少ないだろう。だが困ったことに彼らはそこまで惨憺たる有様ではない。
 キャリアトータルのANY/A+を見るとCutlerはそもそも100とリーグの「加重平均」に達している。ランダムにNFLのQBを選べば上位3分の1に入るレベルだ。Alex Smithは95だが「単純平均」よりは上。最も酷いTannehillで92と単純平均を少し下回る水準になるのだが、彼はこの3人の中で唯一の20代だ。クビにしたからと言って次に若くて優秀なQBがやってくる保証がないことまで踏まえると、契約を口実に現状を継続したくなる気持ちもわかる。
 でも彼らのサラリーはとても安いとは言えない。1年平均のサラリーで見る"http://overthecap.com/position/quarterback/"と、例えばTannehillはリーグで10位。RomoやPalmerよりも高い契約を結んでおり、若手の中ではRussell WilsonやCam Newtonに次ぐ金額だ。彼が投資に見合うだけの資産になっているかと言われれば極めて疑問だろう。CutlerやAlex SmithもBradyより高い金額になっており、成績との対比ではよろしくない。

 というかTom Bradyが安すぎる"http://mmqb.si.com/mmqb/2015/09/30/tom-brady-contract-nfl-patriots-salary-cap"。サラリーキャップ下においてはいかに低コストで選手を集められるかが勝利を手に入れるうえで重要な方法だと以前も指摘したが、それを容赦なく実践しているのがNew Englandであることがよくわかる数字である。彼らが2001シーズン以降、レギュラーシーズンで.763もの高い勝率を記録してきたのは、このあたりも一因だろう。New Englandの覇権を崩したければ、他チームも同じレベルでコストパフォーマンスを上げる必要があるんじゃないだろうか。
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