第4週までの成績がシーズン全体をどの程度占うか、昨シーズンはBradyを例に調べてみた。結果、予想は大外れ。4週時点でANY/Aでリーグワースト7位に位置していたBradyは、最終的にベスト8位まで盛り返してシーズンを終えた。序盤の成績だけでシーズン成績を確実に予想できるわけではないことが確認できた。
だが序盤の悪さが最終的な悪さを「ある程度」予想できるのは間違いではない。昨シーズン、4週時点でのANY/Aワースト5位を占めたのはMatt Cassel、Josh McCown、Chad Henne、Derek Carr、Jake Lockerであり、最終的な彼らのANY/A+はよくて87、悪いと72にとどまりリーグ平均(100)に届かなかった。序盤かなり悪かった選手はシーズン通してかなり悪かったのである。
昨シーズンだけの傾向ではない。2002-14シーズンそれぞれのワースト5(延べ65人)の最終ANY/A+がどうなったかを見ると、平均は81にとどまる。リーグ平均より1標準偏差以上悪い成績だったわけだ(偏差値に直すと30台後半)。100以上に達した選手はたった4人に過ぎず、およそ94%の選手はリーグ平均未満の選手としてシーズンを終えたことになる。
ちなみに100以上を記録したのは2012年のRussell Wilson、10年のJason Campbell、07年のDrew Brees及び02年のKordell Stewart。ただしStewartはこの年は166試投しかしておらず、最終的に規定数に達していない。Wilsonは新人でCampbellはチーム移籍直後と、それぞれ序盤は調子に乗れない理由があった。そう考えると、本当に序盤の不調から復活してきたと言えるのはBreesくらいになる。
他の選手を見ると最終的にANY/A+が90台になったのが延べ10人、80台が27人、70台が11人、60台が8人で60未満が5人だ。頑張っても並以下、悪い場合はとてつもなく悪い成績になる選手が大半を占めているのである。キャリアトータルでは有能なQBであっても、この傾向から逃れられなかった選手は多い。08シーズンのCarson Palmerは最終的にANY/A+80となったし、10シーズンのBrett Favreは86だった。Ben Roethlisbergerですら06シーズンは94とリーグ平均に届くことなく終えた。
さて今年は? 4週終わった時点でのANY/Aランキングワースト5は以下の通りだ。
Colin Kaepernick 3.46
Andrew Luck 4.29
Ryan Mallett 4.52
Teddy Bridgewater 4.61
Peyton Manning 4.85
何とも凄い名前が並んでいる。この数年の間にSuper Bowlに出たQBが2人、シーズン前にはAll ProとまでもてはやされていたQBが1人、そして2年目QBの中でも最も優秀だとされていたQBが1人。ジャーニーマンMallettを除けば、この位置にいる可能性はあまりないと思われていた連中ばかりである。
そして過去の実績を見る限り、彼らの大半が平均以上まで成績を盛り返す可能性はほぼ皆無だ。1人くらいはそういう選手が出てくることがあるかもしれないが、少なくとも3人は期待外れのレッテルを貼られてもおかしくはないだろう。QBを巡る情勢に結構な波乱が生じるかもしれないわけで、これはこれで楽しみである。
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