NFL conference championship

 こりゃ力負けだ。まずツキはわずかながらNew England側にあったと見ていいだろう。ファンブルロストはどちらもなく、インターセプトの回数も同じだったが、リターンTDになったのはNEにとっては幸運。Gaffneyへのパスもオフィシャルの判断によってTDになった面があり、これまたルール通りとはいえツイていた。
 にもかかわらず負けたのだから、実力がなかったと考えるしかない。加えて自滅の面もある。反則8回63ヤードはIndianapolis(4回32ヤード)のほぼ倍。反則で相手に与えたFDも3回あり、影響は大きかった。そして最大の問題はコーチングのミスである。
 まず、前々から指摘していたランオフェンスの問題点は、Indyディフェンスを相手にしてもまったく解決されなかった。前半には19キャリー85ヤードともっともらしい成績を上げたように見えるがDillonの35ヤードランとBradyのニールダウンを除けば17キャリー51ヤード(平均3.0ヤード)とさえない成績。後半になると完全にランプレイを捨ててしまったため、ランは5回8ヤードという一段と惨めな状況に陥った。特にMaroneyは8キャリーでたった13ヤード、ロスが5回という酷い有様。Dillonもロス2回、2ヤードゲイン2回と振るわないことおびただしい。この辺は単に実力がなかったと見るべきだろう。
 問題は使えないランオフェンスに見切りをつけ、後半は同点でもリードしていてもひたすらBradyのパスを投げる展開に突入したこと。このプレイコールには疑問がある。確かにMaroney、Dillonはまったくダメだったが、Faulkは4回のキャリー中3回8ヤードをゲインしている。またEvansも1回しかキャリーしていないがゲインは4ヤード。MaroneyとDillonに見切りをつけるのは仕方ないが、それならなぜFaulkとEvansを使おうとしなかったのか。
 ランの代わりに多用したBradyのパスも問題山積だ。前半の12回のパスは全てショート。後半も第4Qに入るまでショートばかりを投げており、最終的にディープへ投げ込んだのはたった3回にとどまった(うち通したのは1回)。これではIndyに前がかりでディフェンスしてくれと頼んでいるようなものである。そりゃランも出ないだろう。Bradyが悪いのか、それともプレイコールの問題か、いずれにせよこれまた敗因の一つだ。
 レシーバーの内訳を見てもやはりプレイコールに疑問が残る。パス回数が最も多かったのはCaldwell(ショートが4/8-46、ディープが0/1)だが、ショートゾーンの専門家にいくらパスを投げてもディフェンスをストレッチさせるのは難しい。さらにWatsonの使い方も変。6回のパスのうち彼は5回取って48ヤード稼いだのだが、これが全部ショートゾーンへのパス。私は前のエントリーでTEを活用することを求めたが、いくらWatsonのレシーブ率が高くてもディープパスがなければまったく脅威にならない。改めてこいつは「一か八か」で深いゾーンに走らせるしか使い道のない選手であることが分かった。

 ディフェンスも崩れ落ちた。特にまずいのが後半だ。たとえばランディフェンス。前半は9回32ヤードに押さえ、しかもリードを奪っていたのに、後半には21回93ヤードとかなり走られている。前半のランFDは2回だったのが後半は7回まで急増。シーズン後半に増えていた一発ロングゲインではなく、じわじわと稼がれたあたりに実力差がにじみ出ている。
 パスも同じ。前半は6回のディープパスを全て失敗させたが、後半は6回中4回を通され132ヤードも稼がれた。特にやられたのがTEのClark。ディープゾーンを4回中3回取られて100ヤードを奪われた。もう一人のTE、Fletcherにはディープを1回中1回成功され32ヤードロス。これまで苦手といわれながらそれなりに抑えていたTEに崩された格好だ。最も苦手だった二番手WRのWayneは11回中5回成功の68ヤードとそこそこ止めていたのだが、後半にはTEのカバーが甘くなっていたのを読まれてしまった。
 結果として1ドライブ平均のFD数は2.46回。NE側が1.42回だったのを見てもオフェンスの力の差がはっきりと表れている。何より問題は、後半のアジャストの部分でNEが失敗したのに対しIndyが明確に成功していること。この試合に関してはコーチングスタッフの能力でIndyの方が上回っていたというしかないだろう。NEは組織として戦うことで勝利を重ねてきたチームだ。そのためにはコーチングで相手を上回り、なおかつ選手はきちんとプレイを実行する必要がある。なのにこの試合ではoutcoachされ、executionの部分でもミスが目立った。せっかく幸運の女神が微笑んでくれていたのに、NEはタレントで勝るIndy相手に下手な腕相撲を挑んで敗れ去った。
 そう考えると今回の敗戦のダメージは大きい。単に不運で負けたのなら腹は立ってもまだ将来への希望は残る。プレイコールは良かったのに選手のミスで負けたのなら「次は勝つ」と期待もできる。しかし、このプレイオフにおけるNEの戦いはそうではなかった。San Diegoには実力で完敗しながら運だけで勝利し、Indy相手にはコーチの能力差で敗れた。タレント面でも、組織としての戦い方でも、AFCのトップクラスチームに及ばなかったことが露呈してしまったのである。

 という訳で残るはSuperbowl。ここまできたらManningにドラマの完結編を演じてもらいたいものだが、問題はかつてシーズン350失点以上でSuperbowlに勝った例はないこと(Indyは360失点)。おまけに力負けしたNEの中で唯一Indyを圧倒したのがSTだったという事実もIndyにとっては厳しい。何しろChicagoのSTはNEをも上回るリーグ最高のユニットだ。Chicagoディフェンスの実力については疑問が残るし、Grossmanが逆噴射する可能性もあるが、Indyにとっても決して楽な試合ではないだろう。面白い展開になることを望む。

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