「Brady vs Manning: Episode 3」絶賛公開迫る!
という訳でAFCのプレイオフはシード1位と2位が敗北し、結果としてIndianapolisのホームでもう一度試合が行われることになった。IndyとNew Englandがプレイオフでぶつかるのは4年間で3度目。果たして「三度目の正直」になるか、それとも「二度あることは三度ある」となるのか。その前に「Same Old Schottenheimer: Episode 13」が開催されたのはSan Diegoファンにとっては不幸だったが。
試合には勝ったが中身はとても誉められたものではない。まずランオフェンスは再び「張り子の虎」から「赤べこ」へランクダウン。というか遊び好きの小学生の「夏休みドリル」並みに進まない進まない。ニールダウンを除いた20回のランのうち10ヤード超を記録したのはゼロ。マイナスに終わったのが3回(Maroney、Dillon、Faulk各1回)。リードされて追いかける展開になったためもあるが、この有様ではIndy相手でも全然期待できないところが凄い。良く言えば2003年に似ているし、悪く言えば2005年に似ている。
Bradyのパスは3intされたのだから決して良くはない。ショートゾーンでも35回中21回成功と決して褒められた数値ではない。その中で明るい兆しがあるのがディープへのパス。16回も投げたことも評価対象だが、そのうち6回を通したのは悪い比率ではないだろう。ディープへの脅威が増えてくればそれだけショートも通りやすくなるしランも出やすくなる。この試合ではそういう展開にはならなかったが。
レシーバーの成績では相変わらずGaffneyが絶好調。ショートを9回中7回、ディープも5回中3回レシーブした。何だか知らないがプレイオフのラッキーボーイになっているようだ。ショートゾーンの専門家Caldwellもショートの7回中6回レシーブとかなり順調である。ダメなのはディープ4回でレシーブ0のBrownとか、6回中2回しか取れなかったFaulkとか、6回のパスで1レシーブ9ヤードに終わったWatsonとか。要するに古いメンバーが軒並みさえない。投げ分けが特徴のBradyがトータル7人しか投げていない(うちレシーブは6人が記録)というのも、彼らしくない。
ディフェンスでは相変わらずランがおかしい。明らかに調子が狂っている。相手がTomlinsonということがあるにしても、ニールダウンを除いた33回のランプレイのうち6回も10ヤード超を許しているのは変である。後半には13回中1回まで減ったので多少はアジャストできたようだが、これでAddaiを相手にするのは正直嬉しくない。
パスディフェンスでは派手にやられたのがTomlinson。まあこれは想定内である。最も心配していた二番手WRのJacksonは7回2回レシーブとそこそこ抑えたのだが、43ヤード稼がれたのはちょっと。Gatesはショートで5/7-42、ディープで1/2-19と、心配していたほどはやられていない。まあ相手が実質新人QBだからこのくらいはやってもらわないと困る。
しかし何よりこの試合の特徴となるスタッツはファンブル関連だろう。NEのファンブルは2回あってロスとは0。一方のSDは3回中3回ともロストだ。NE側から見れば5の5という恐ろしいリカバー率を達成したことになる。要するにNEはすんげえ幸運だった(逆に言えばSDは不運だった)。前の試合ではNEもJetsも1回ずつファンブルして1回ずつロストしていたのだから、この試合が異常だったと考えた方がいいだろう。ちなみに今週はもう一つ異常な試合があって、それはIndy @ Baltimore。Indyの3回のファンブルは全て自分でリカバーに成功し、Baltimoreの2回のファンブルは全部ロストした。IndyもNE並みに幸運だったことになる。
もう一つ幸運だったのはGostkowski。シーズンであれだけFGをはずしまくっていた彼がこの試合では50ヤードを含む3回のFGを成功させている。一回でも失敗していれば勝てなかったことを考えればありがたいと思うべきだろう。この試合についてあるサイトでは「チェスで勝てるように作られているNEだが、SDは単純な腕相撲に持ち込めばいい」と書いていたが、結果的には腕相撲中にSDが転んで気絶したような展開になってしまったようだ。
他の3試合を見ると、まず色々な指標で有利と思われていたBaltimoreはSDに負けないくらいの派手な自滅。優勝するとguaranteeしなくて良かった。それにしてもManningが2試合1TD5intでIndyが勝ちあがると予想していた人間は一人もいないだろう。事実は小説より奇なり。一方のNFCではいずれもホームチームが勝ったが、試合結果はどちらも3点差。正直、力の差はほとんどなかった。結果として「SDとNEの試合は五分五分で、残り3試合のうち1試合くらいアップセットがある」という予想は当たったが、Balが負けた以上あまり威張ることはできんわな。
次はいよいよChampionship。そしてSuper Bowlへ残り3試合。今までの「ディフェンスの強いチームが有利」というデータならNEとChicagoの争いになりそうだし、「総得点÷総失点」ではChicagoが残ったチームの中で一番だ。そしてDVOAでも残ったチームの中のトップはChicago。という訳でChicagoが優勝する……かどうかは神のみぞ知る。
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