NFL week10

 NFLは第10週。1920年代に存在したチームRochester Jeffersonsが話題になったり"http://ftw.usatoday.com/2014/11/chicago-bears-green-bay-packers-aaron-rodgers-jay-cutler-marc-trestman"、Peyton ManningとBrock Osweilerの寸劇がギャグになっていたり"https://twitter.com/sibab/status/531744370421411840"と、今週も色々あった。しかし何より驚きなのはClevelandが単独地区首位になったこと。第10週以降でClevelandが単独地区首位になるのは実に1994シーズン以来のことである"http://espn.go.com/blog/afcnorth/post/_/id/81995/browns-all-alone-in-first-place-in-afc-north"。
 
 前に書いたが、今年は若手QBが苦戦しているという話はこちら"http://www.footballoutsiders.com/film-room/2014/film-room-colin-kaepernick-and-teddy-bridgewater"でも指摘されていた。新人も同じで「典型的なルーキー」という扱いだ。少なくとも今年のルーキが豊作と言えるほどでないことは確かだろう。
 では「新人年に最も活躍したQB」となると誰が候補になるのだろうか。Pro-Football-ReferenceのPlayer Season Finder"http://www.pro-football-reference.com/play-index/psl_finder.cgi"を使い、パスルールが変更された1978年から2013年までの新人で1試合14試投以上のQBをピックアップし、ANY/A+の順番に並べてみた。
 といってもこのFinderで出てきた結果をそのまま信じるわけにはいかない。なぜならPFRでルーキー成績を調べると、実際に出てくるのは「NFL実働1年目の成績」だからだ。だから例えば2003年にドラフト全体1位で指名されながら同年は全くプレイしなかったCarson Palmer"http://www.nfl.com/player/carsonpalmer/2505245/profile"の1年目は、このサイトでは2004シーズンになってしまう。
 もう1つの問題はJim Kellyのような選手がいることだ。彼はNFLに入る前に対抗リーグでプロのゲームを経験している。CFLを経てNFLに入ってきたWarren Moonのような選手も同じだ。野球のプロチームを経てNFLに入ったHutchinsonはともかく、KellyやMoonをルーキーと見なすのは無理があるだろう。
 余計な選手が入り込んでしまう一方、このFinderで零れ落ちてしまう新人QBもいる。具体的にはストライキ年のため試合数が減っている年、つまり1982年と87年にNFL入りした選手たちだ。他の年は224試投以上を条件とするが、87年は210試投、82年は126試投以上のルーキをピックアップする必要があるのだ。これによってJim McMahonとMike Pagelが対象QBに名乗りを上げる。
 
 こうやって調べると新人年に規定数まで達したQBは1978年以降で58人いることが分かる。そのうちANY/A+が100以上、つまりリーグ平均以上を記録したQBは8人のみ。残る新人50人は平均未満の成績しか残せなかったわけで、新人がリーグ平均を上回るのがいかに難しいかがわかる。後のHOF入りの選手たち、例えばJohn ElwayやTroy Aikmanは80にすら到達していないし、あのPeyton Manningですら96だ。
 その中で100以上になったのはDan Marino(131)、Robert Griffin(120)、Ben Roethlisberger(119)、Matt Ryan(116)、Russell Wilson(114)、Charlie Batch(105)、Cam Newton(105)、そしてJim McMahon(100)である。36年で8人だから、4.5年に1人くらいの比率で新人年にそれだけの活躍をするQBが現れる計算だ。
 実際にはそんなに均等に現れてはいない。82、83年に連続して1人ずつ生まれた後は98年まで誰もこの水準に到達せず。その後は04年、08年と1人ずつ生まれ、11年には1人、12年には2人も登場している。前半20年に2人、後半の16年には6人という訳で、最近になって優秀な新人が増えている格好だ。
 特に新人豊作年であった2011年と12年のQBたちは100以上が3人もいるうえに、11位にはDalton(97)、13位にLuck(97)と彼らもかなり上位に顔を出してる。そもそも12年は規定試投数に達した新人QBが6人もいて1978年以降では最多だし、11年の4人は02年と並んで2番目に多い。新人QBたちが記録したANY/A+を足すと12年は602、11年は352でもちろんワンツーだ。中でも12年は1人平均で計算しても100超になるわけで、素晴らしいという他にない。
 一方、上に記した通り、今年の新人は苦労している。彼らのANY/A+はDerek Carrが87、Teddy Bridgewaterが85、Blake Bortlesが80となっている。既に揃って先発を外されている13年の新人たち(Mike Glennonが87、EJ Manuelが85、Geno Smithが76)とほとんど変わらず、流石に2年も連続して豊作年が続くとその後は厳しい状況が避けられないようだ。
 
 新人年から使われるQBがいる一方、ドラフト上位指名なのになかなか先発の機会が与えられないQBもいる。2005年ドラフト1巡のAaron Rodgersが初先発したのは4年目の2008年"http://www.pro-football-reference.com/players/R/RodgAa00.htm"だったし、12年の2巡指名であるOsweilerは未だに先発できていない。そして来週、彼らよりさらに長期間待たされていた11年ドラフト指名のRyan Mallett"http://www.pro-football-reference.com/players/M/MallRy00.htm"が、ようやく先発として独り立ちする。
 彼が問題なく先発すれば、今年はNew Englandを経由してプロ入りしたQBのうち4人が先発を経験することになる。Casselは既にIR入りしているがHoyerはいまだ先発の座を保持しており、Mallettが先発としてそれなりの成績を残せばNEはQB育成に長けているとの定評を勝ち取れるかもしれない。後はシーズン最終戦あたりで余裕ができ、Garoppoloが先発でもすればさらに面白いところだ。
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