エキサイティング?

 以前にも書いたが、今シーズンのNFLではAdvanced Football Analyticsの出しているExcitement Index"http://www.advancedfootballanalytics.com/index.php/home/tools/top-game-finder"が低いように思える。というか少なくともEIの高い試合数は明らかに少ない。9月中に行われた試合で最もEIが高かったのは開幕週に行われたNew Orleans @ Atlanta"http://wp.advancednflstats.com/nflarchive.php?gameid=56171"だったのだが、この試合のEIは6.4にとどまっている。一方、昨シーズンは9月中にEIが7以上となったのが5試合もあった。
 昨シーズンだけではない。2012シーズンは6試合、その前は4試合、その前も4試合だ。9月中に7以上の試合が1つもなかったシーズンを探すと、06シーズンまで戻らなければならなくなる。この数年について言うなら、ある程度はEIが高い試合が起きるのが普通だったのだ。
 ただし06シーズン以前になると、それほどEIの高い試合は多くなくなる。05、01、00、99シーズンは9月中にEI7以上の試合が皆無だったし、それ以外の年もせいぜい2試合にとどまっている。つまり00年代の中盤まではEIの高い試合は少なく、それ以後になって増えてきたという傾向が見えるのだ。
 
 9月中だけでなくシーズン全体で見てもそうした偏りはある。10~13シーズンにはEI7以上の試合数が13~17試合あったのに対し、1999~2009の11年間には10試合以上の年が2回しかなく、のこる9年はEI7以上の試合が一桁しかない。1999年にいたってはシーズン通じて最も高かった試合のEIですら6.1しかない。
 00年代半ばまで派手な試合の数が少なかったのだ、その後になって増えてきたのには、何らかの理由があるのか。それともたまたま偶然でそうなっただけで、シグナルではなく単なるノイズに過ぎないのか。個人的にはおそらく後者だろうと思う。
 もし、EI7以上の試合が増えているのは全体として接戦になる試合が増えたからだ、ということが証明できるなら、接戦が増えている背景を説明することでEI7以上の試合数増加を説明することができるだろう。つまり一定のシグナルがそこに発見できる。でも実際は違う。1ドライブでは追いつけない9点以上の試合数と、EI7以上の試合数の相関係数を調べると-.174となる。確かに一方的な試合が多いとEI7以上の試合数が減る(相関係数マイナス)ことになっているが、その係数は弱いというレベルにすら達しておらず、ほぼ無関係な水準だ。
 EI7以上の試合はそもそも発生する機会が極めて少なく、それだけにランダム性が高い。頻度が低すぎるデータから一定の傾向を見つけようとするのは無理があるだろう。だから今年についてEIの高い試合が少ないことに何らかの意味を見出すのはやめた方が賢明だ。
 
 それにEIが高いからといって試合内容が面白いとは限らない。典型例が2000シーズンに行われたNew England @ Buffalo"http://wp.advancednflstats.com/nflarchive.php?gameid=1216"だ。EIは歴代で見てもトップクラスに高いのだが、中身は惨憺たるものだった。
 そもそもこの試合"http://www.pro-football-reference.com/boxscores/200012170buf.htm"が始まった時点でNEは4勝10敗と既にプレイオフから脱落が確定。Bufは7勝7敗で、数字の上ではまだプレイオフの最後の椅子に滑り込む可能性はあったが現実にはかなり厳しい状況にあった。同地区対決という以外に盛り上がる要素に乏しかった試合と言える。
 試合が始まると中身はさらにしょっぱいものとなった。両チームとも拙攻を繰り返す展開で、かろうじて1QにNEが、2QにBufがFGを決めただけで前半は3対3に終わった。Bufはろくにパスを通せないQBのRob Johnsonを早々に諦めて2QにはDoug Flutieを投入。一方のNEも前半Bledsoeにパスを投げさせたのはたったの8回で、あとはひたすらランばかり。勝つ気があるのかどうかすら疑わしいプレイが続いた。
 後半になると更に情けない状況になる。最初に敵陣1ヤードまで迫るというチャンスを掴んだBufだったが、Flutieがファンブルし、味方がカバーしてくれたもののヤードは後退。やむを得ずFGを蹴ればブロックされて無得点に終わる有様だ。4Q冒頭にもう一度敵陣1ヤードに来た時もまたFlutieがファンブルし、今度はボールを奪われてしまった。それでも3度目の正直で敵陣1ヤードからTDパスを決めてようやくBufは7点のリードを手に入れた。
 ところがその直後のキックオフが57ヤードとしょぼく、NEがいい陣地からの攻撃となる。このオフェンスは止めたものの、パントリターナーのPeerless Priceがマフってしまいリターンはゼロ。その後の攻撃が止められた後で今度はパンターのChris Mohrが27ヤードの酷いシャンクを蹴り、かくしてNEは何の苦労もないままBuf陣からの攻撃権を得てTDにつなげた。10対10である。
 残り2分を切ったところでBufがNE陣35ヤードまで迫り、もう少しでFG圏内へたどり着きそうになるが、ここでまたまたFlutieがファンブル。リカバーしたものの大きく後退してしまった。その後で最後の攻撃権を得たNEはBuf陣10ヤードまで迫り、これで終わったかと思われたがVinatieriが27ヤードのFGを外すという大失敗で延長突入。
 延長で最初にサヨナラの機会を得たのはBufだったが、敵陣12ヤードからのSteve ChristieのFGはまたしてもブロック。折り返しの攻撃で今度はBuf陣6ヤードまで進めたNEが、ようやくFGを決めてこの酷い試合を終わらせた。
 この日のBufは13回のドライブのうち、NEのレッドゾーンに5回攻め込んで1TD1FG1ファンブル2FGブロックという惨憺たる成績。一方のNEはレッドゾーンからの攻撃は1TD2FG1失敗FGとBufよりましだったが、14回のドライブのうち10ヤード以上進めたのは半分の7回のみ、4回のドライブでは進むどころかむしろ後退している有様で、オフェンスの機能不全ぶりが露呈している。
 こんな試合でも形だけはゲーム終盤にWin Probabilityが派手に動いたことになっている。だからEIも高くなっているんだが、中身がミスや失敗のオンパレードであることは上記の通り。初心者にアメフトの面白さを伝えられるような試合を選ぶ際にEIは参考に出来ると思うが、この試合だけは避けたほうが賢明だろう。
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