ボカロ好きは「北国」の「田舎」に住んでいる。
――というデータがgoogle trendsから判明した。以前も書いた通り、国内では「ボカロ」の検索が増える一方で「ボーカロイド」「vocaloid」は長期低落傾向にあるのだが、google trendsでは都道府県別に見た「ボカロ」の検索頻度を調べることができる"
http://www.google.co.jp/trends/explore#q=%E3%83%9C%E3%82%AB%E3%83%AD&geo=JP&cmpt=q"。そしてこの結果がなかなか面白いのだ。なぜか東北地方の比率が異常に高くなっている一方、九州や、特に沖縄は非常に低い。
人口との関係も興味深い。例えば東北で一番低いのは仙台を抱える宮城県であり、関東では東京や神奈川、関西では京都や兵庫といったところがやはり低くなるなど、人口の多い都道府県ほど低水準にとどまる傾向が見られる。逆に言えば田舎ほど数値は高く、全体に数値の低い西日本でも鳥取や高知などは結構高い数値を出している。
単に印象だけではない。統計的に調べても相関性が確認できる。「ボカロ」というキーワードの人気度は時とともに変化しているが、例えばあるタイミングでこの人気度と県庁所在地の緯度について相関係数を調べると0.612となり、人口との相関係数を見るとマイナス0.353と逆相関になる。いずれもP値は5%水準で有意。
なぜそうなるのだろうか。思いつきを述べるなら、特に冬が寒く屋内に篭りがちな北国ほどネットの娯楽に親しむ傾向が強いことが考えられる。また人口の多いところは娯楽の種類も多いが、田舎は逆。楽しみの選択肢が少ない田舎ほど、やむを得ずネットに娯楽を求めることになっているのではなかろうか。かくして南より北の方が、そして都会より田舎の方が、ボカロへの関心が高まる結果となる。
ついでなので重回帰分析もやっておこう。緯度と人口では数値が違いすぎるので、いずれもstandardizeする(各都道府県の数値から平均値を引き、標準偏差で割る)。そのうえで統計ソフトRを使って重回帰分析した結果は以下の通りだ。
切片 75.787
緯度 7.480
人口 -4.722
相関係数は0.734の強い相関で、R自乗は0.541。P値は3.572e-08と極めて小さな数字であり、ほぼ有意と見ていいだろう。もちろん、上にも述べた通り人気度は時とともに変わっていくためこの数値にも細かい変化はあるはずだが、それでも大きな傾向は変わらない模様。即ちボカロに関心を持つ割合の高さは、北国であるか否かがまず大きく影響し、それに次いで都道府県人口との関係が強いことになる。
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