RBの凋落

 例年ならそろそろNFLのドラフト時期なんだが、今年は5月上旬まで後ずれしている。何でも会場の都合があるためらしい"http://espn.go.com/nfl/story/_/id/9318615/2014-nfl-draft-held-8-10-radio-city-music-hall"が、タイミング的にはスーパーボウル(2月上旬)の3ヵ月後にしてプレシーズンが始まる8月上旬の3ヶ月前という、計ったような時期になっている。オフシーズン最大のイベントだけに、来年以降どうなるかにも関心が集まるところだろう。
 
 というわけでまだドラフトまでは時間があるが、ここまでの動きももう1度整理しておきたい。前回"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/54587574.html"書いたところで就職先が決まっていなかったQBのうち、Flynnは予想通りGreen Bayでの再雇用が決まった"http://www.greenbaypressgazette.com/article/20140422/PKR0101/140422043/"。一方、就職できないのではないかと心配されていたFreemanはGiantsが契約"http://www.poughkeepsiejournal.com/story/sports/2014/04/21/qb-josh-freeman-signs-with-giants/7977107/"。Eliの手術でQBをそろえる必要が出てきたのが追い風になったようだ。もっともEliがシーズンに間に合ってしまった場合、その後の仕事は不透明だろう。
 Schaubを手に入れたOaklandはドラフト7巡でPryorをSeattleに売り払った"http://www.nfl.com/news/story/0ap2000000342734/article"。1年前はスターターと言われて期待されていたのがこの有様であり、NFLの厳しさが浮き彫りになった格好。もっともQBに関しては早めの見切りも悪くないと個人的に思っているので、Oaklandのの決断に異論はない。若手ならMcGloinもいることだし。
 ちなみにFootball PerspectiveはSchaubの先行きについて不安を思わせるエントリーを上げている"http://www.footballperspective.com/is-there-any-hope-in-oakland-for-matt-schaub/"。Schaub同様、短期間に急激に成績が落ち込んだ30代QBの過去の例を調べると、ごく少ない例外を除き大幅な成績回復は期待できないのだそうだ。平均への回帰は見られるようだが、あくまでその程度。いきなりエリートと呼べるようなオフェンスになることを期待するのは難しいかもしれない。
 
 同じFootball Perspectiveは、ドラフトに関しても分析している"http://www.footballperspective.com/analyzing-position-values-in-the-nfl/"。これまでNFLのチームはドラフトでまずはQB、次いでRBに資源を投じてきたのだが、最近はRBのドラフト上位指名自体が減ってきている。そして足元のフランチャイズタグという切り口で見れば、RBよりWRやOLの方が高い評価を受けるようになっている"http://www.nfl.com/news/story/0ap2000000330088/article"。
 サラリーキャップで投資額に枠を嵌められている現状、少なくともRBへの投資は優先順位が高くなくなっているのだろう。以前にも書いた"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/54451988.html"ように、ランオフェンスの勝利への貢献度はパスに比べて3.5分の1しかない。チームのランオフェンスを一手に担うようなスターRBに高いサラリーを払うより、安い有象無象を交代しながら出場させた方がコストパフォーマンスに優れている、という判断が増えてくるのも当然だろう。
 実際、NFLにおいてかつてのEmmitt Smithのように1人でランオフェンスの大半を担うようなエースRBは少なくなっている。シーズンの1チーム平均ラン回数の7割に相当するキャリー数を記録するRBは、00年代前半には10人を数えたこともある(2003年)が、最近は減少傾向にあり11年や13年にはたった1人しかいなかった。かつてはCurse of 370なんてことも言われたが、13シーズンには最多キャリーのMcCoyですら314キャリーしかしていない。そのMcCoyもランの多いチームにいるので、実際の負担はチーム全体の6割ちょっとだ。Emmittのようにランオフェンスの76%を担う(1995年)ような無茶はしていない。
 昔はいいRBに少しでも多くボールを持たせる方が得だと考えるチームが多かったのだろう。だが最近はそういう発想ではなく、消耗品かつ取替え可能な部品としてRBを使うところが増えている。その極端な例がNew Englandだろう。DVOAでリーグ6位のランオフェンスを持っているのに、ボールキャリーは最も多い選手でチームの38%しか占めていない。それで通用してしまうのを見ていれば、そりゃドラフト上位指名権をRBに使おうという気にはならないだろう。今年のドラフトでも有力な上位指名候補はいないようだ。

 アイシールド21がもし今連載されていたら、RBを主人公にするのは難しかったかもしれない。
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