次に最終局で話題になったのは中盤の1六香"
http://i2chmeijin.blog.fc2.com/blog-entry-535.html"。ツイッターを見ても指された直後は多くのファンが首をかしげ、続いて「あり得ないような手」「人間は絶対考えない」「悪手にしか見えない」との意見が出ていた。ただし否定一色ではなく、「もしこれが良い手だったらキツイ」「16香で勝ったらものすげ~読み」「きっと人間の常識外のいい手なんだろう」など、意外とコンピューターの強さを信じる声も多かった。
そして実際、この香車は最後まで活躍することになる。玉からずっと離れたあまり関係ない場所に指されたはずだったのに「16香遥かなる旅」と言われるくらいどんどん移動し、「働き過ぎ」と言われるほどの活躍を見せ、終わってみれば「コンピューターがコンピューターらしい手で勝った」展開。ある意味「プロ棋士の将棋感そのものに問題を突きつけた一着」であり、「人間の棋士にもまだ未知の将棋の知識が眠ってるんじゃないか」との意見さえ出ていた。
興味深いのは、人間がコンピューターのもたらす可能性について、割と素直に受け入れている様子が窺えた点。昨年の電王戦では勝ち負けを巡る感情的な意見をよく見かけたものだが、今年は前向きな意見の方が増えてきている印象がある。第4局の観戦記を書いた小説家が、プロの敗北シーンについて「現場はあっけらかんとして全く悲壮感がなかった」"
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1026705"と述べているのも、人間側の適応が進んだことを示しているのかもしれない。
もっともこの手については適応しすぎかもしれない。実際に対戦したコンピューター将棋側の最新版は、この手をあまり評価していなかったという"
http://ponanza.hatenadiary.jp/entry/2014/04/15/032741"。開発者も「これはPonanza側の認識がまずそうだ」と記しており、人間側が思ってしまったほど素晴らしい手ではなかった可能性があるのだ。結果的にコンピューターが勝ったから妙手かもしれないと思われるが、結果だけで過程が全て正当化できるわけではないようだ。チームが勝ったと言ってもQBの有能さを示す証拠にはならない(例:Sanchez)ってことか。
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