ノスタルジーと新参と

 久しぶりにバーチャルアイドル"http://dic.pixiv.net/a/%E5%88%9D%E9%9F%B3%E3%83%9F%E3%82%AF"に関連したアンケート調査が出ていた。「子どもライフスタイル調査2014冬」"http://asciimw.jp/info/release/pdf/20140314.pdf"で小学生を対象に調べたところ、小学生女子でVocaloidの楽曲を「よく聴く」「たまに聴く」と答えた割合は22.7%、高学年(4~6年)に限れば29.5%に達するようだ(p8)。
 1年前に行われた同じ調査"http://asciimw.jp/info/release/pdf/20130220a.pdf"では「よく聴く」「たまに聴く」が全体で19.9%、高学年で28%だったので、特に低学年を中心に少しではあるが裾野が広がっているように思える。一方、「ボーカロイドを知らない」との回答は今回が29%で前回が26.8%。実はこちらも前回調査より増えている。
 どうやら小学生の間では「ボカロ曲」への態度が両極化しているようだ。興味を持つ子供の中では聴く頻度が上がっているのに対し、興味のない子供の場合は名前すら知らなくなっている模様。まあ後者については例えばテレビでの登場頻度なども影響するので一概に言えない部分もあるものの、小学生女子の段階で既に音楽の趣味に偏りが出ている可能性が窺える。
 
 一方、ネットで話題を集めているのはこちらの曲"http://bump.mu/ray/miku.php"。アップされてから3日で100万近い再生を集めており、コメントには英語がずらずらっと並ぶ。初音ミクが海外で知られているのは不思議ではないが、もしかしたらBUMP OF CHICKENも海外で結構有名なんだろうか。まあ定着したことは分かっていたし、こういうものが出てきても不思議はない。
 でも古参の中には現状への不満を持つ人がいるようだ。たとえばこちら"http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51837091.html"では「消失世代よりのミクミク世代」と自称する古参が現状への嘆き節を(冷静にではあるが)述べている。「みくみくにしてあげる♪」は2007年9月、「初音ミクの消失」は同年11月なので、確かに初期段階からの古参なんだろう。この時期については奇跡の3ヶ月"http://d.hatena.ne.jp/GiGir/20081207/1228685979"と呼ぶ人もおり、それを経験した人が「そもそもボカロ文化ってキャラ愛でできてる」と考えてしまうのも無理はない。
 でもその後、というかメルト"http://www5.atwiki.jp/hmiku/pages/82.html"の後から聴き始めた人(おそらく現在Vocaloid曲を聴いている人の大多数)の場合、それとは異なる視点の持ち主も多いだろう。そしてVocaloid曲の裾野を広げたのは彼らだ。いつまでも初音ミクのキャラソンばかりが出ている状態だったなら、今ほどの隆盛は期待できなかった筈。サード・サマー・オブ・ラブの熱狂を味わった人間が、そこから派生した流れに対して違和感を覚えるのは仕方ないかもしれないが、もう時代は変わっているのだ。
 その意味ではこちら"http://togetter.com/li/641628"の意見もノスタルジーでしかないように思える。以前からCGMというのは形を変えた才能発掘の手段だろうと個人的には思っていた"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/51695008.html"し、予想通りに才能発掘が進むと生産者と消費者の格差がどんどん開いていった。現在のように金儲けの手段として利用される状況は、当然予想された結末に過ぎない。それに企業は金を儲けないと事業を継続できない。「ボカロ文化」とか「キャラ愛」といった曖昧なものより、明確に数字で出てくる利益を求めるのはごく自然なことだ。
 現在のVocaloidを巡る状況は、広まることなく終わっていったムーブメントに比べれば圧倒的に恵まれている。広まらなければ、裾野が広がらなければ、後は先細りに消えていくだけだ。広がりさえすれば、そこからまた新たな種が芽吹くこともある。そういう流れを楽しんだ方がいいんじゃなかろうか。およそ広がりのないナポレオニックの分野に嵌っている人間としてはそういう思いが強い。
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