メモ代わり

 前に書いたSTAP細胞の話、その後も色々と展開が続いている。そしてNature発表から1月以上経過した最近になって、ようやく理研がSTAP細胞作成に関する詳細を公開した"http://www.riken.jp/pr/topics/2014/20140305_1/"。で、それがまた議論を呼んでいる。
 火の手が上がったのはこちら"http://new.immunoreg.jp/modules/pico_boyaki/index.php?content_id=348"とかこちら"http://slashdot.jp/journal/578529/"。といっても詳しくない私には何が何やらよく分からないのだが、そういう人向けにこちらの解説"http://ka-ka-xyz.hatenablog.com/entry/20140305/1394030589"が出てきた。「分化済みのT細胞がリセットされてSTAP幹細胞になったという主張のキモ」があっさりひっくり返されたことが「衝撃」だったという。
 どうやらSTAP論文ではこの初期化されて幹細胞になった重要な証拠として「TCR遺伝子が再構成されている」という事実があったはずなのに、STAP幹細胞にTCR再構成がなかったとなると、そもそも細胞が初期化されたというNature論文のキモがあやしくなる。ネット上では「初期化じゃなくて単に幹細胞を選び出しただけじゃねーか」というツッコミが出ており("http://www.ipscell.com/2014/03/key-initial-reactions-to-rikens-detailed-stap-stem-cell-protocol/"のコメント欄など)、論文としての価値に対する疑惑が一段と増している。
 さらにこちら"http://slashdot.jp/~kaho/journal/578550"では、データを見ると「酸処理で性転換が起こった」としか思えないものが含まれているとの指摘がなされた。異なるデータをむりやりつなげたのか、あるいはオスメスそれぞれの細胞を適当にかき混ぜて実験が行われたのか、どちらにしてもなかなか凄い話になっている。
 一方、一部では「本人が再現に成功した」との報道"http://sankei.jp.msn.com/science/news/140306/scn14030609000001-n1.htm"も登場。もちろん本人がいくら再現しても意味はないんだが、再現してもTCR再構成を確認できていないのなら「多能性獲得細胞」じゃない可能性が残ってしまう。一体どのような「再現」ができたのかまでは、新聞記事では分からない。
 
 中には怪文書っぽいものまで登場してきたこの騒動、そもそもはNatureに掲載される時に理研が大々的にアピールしマスコミがそれに乗っかったことがきっかけになっている。ある研究者は「研究成果は大概の場合は、『誰でもわかる一発ネタ』を探しているメディアとの相性は悪い」と指摘しており、それはある面で事実だろう。Natureに載っても一般的報道がなされていなければ、業界内での地道な議論のみにとどまっていた可能性は高い。
 でも一方で、たとえば予算獲得のためには世間一般にアピールしなければならない面もある。というかそういう側面が強まっている。財政難が進んでいる日本国内でも、こうした動きは強まりこそすれ弱まることはないだろう。こういう際どい研究成果とそれを巡るごたごたが、業界内だけでなく一般にも知られることになるケースは今後も引き続き出てくるのではないか。
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