NFL week18

 NFLはWildcard Roundが終了。4試合中シード順で見れば3つ、Advanced NFL Statsの予想"http://www.nytimes.com/2014/01/03/sports/football/probabilities-in-wild-card-round-close-up-on-chiefs-colts.html"で見れば2つ、Football OutsidersのDVOA"http://www.footballoutsiders.com/dvoa-ratings/2013/final-2013-dvoa-ratings"でも2つ、Pro-Football-ReferenceのSRS"http://www.pro-football-reference.com/years/2013/"でも2つ、そしてANY/A differential"http://www.steelersdepot.com/2014/01/2013-nfl-regular-season-stats-adjusted-net-yards-per-passing-attempt-differential/"も2つがアップセットになった。
 最もアップセットが少ないと見ているのは、実は勝率。スタッツ系サイトはAFCの2試合を(シード順通りになったKC @ Indを含め)アップセットと見ている一方、どちらもアウェイが勝ったNFCの2試合は実力通りと判断している。それに対して勝率で見るとアップセットと言えるのはSD @ Cinだけ。残り3試合はいずれも勝率の高いチーム(勝率が同じならホーム)が勝利している。Wildcardはアップセットが多いというのが一般的な認識だが、今年はそれほど多くはなかったと見ていいのかもしれない。
 で、こうなると例年発生する「意外なチームの大進撃」候補はSan Diegoに絞られてきたと見てよさそうだ。後は全て11勝以上しているチームしか残っていないし、11勝以上のチームなら優勝しても意外とまでは言えないだろう。もちろんSan Diegoがこれから勝ち上がることが保障されているわけではないんだが、それにしてもこれで優勝まで駆け上がったりすればあのNorv時代は何だったんだという話になりそうだな。
 
 勝因敗因、それぞれのファンが色々と語っているが、こちらはいつものようにパス成績から見てみる。今週はおそらく珍しいことだが、ANY/Aで負けていたチームが試合に勝った事例が多かった。Kansas CityのANY/Aは9.23とIndianapolis(8.28)より良かったにもかかわらず敗北。同様にPhiladelphia(6.17)がNew Orleans(5.59)に、Green Bay(5.90)がSan Francisco(5.73)に負けた。むしろNY/Aで勝った方が全試合で勝利したという、あまり見かけない結果になった。
 普通は勝敗に直結するターンオーバーが、今週はあまり効果がなかったことが一因だろう。Indianapolisはターンオーバーレシオが-3、New Orleansは-2、そしてSan Franciscoは-1だったにも関わらず、いずれも勝利をつかんでいる。今シーズンの成績全体を見るとターンオーバーレシオは-1で勝率0.299、-2で0.164、-3で0.043となっており、今週の試合がいかに珍しい展開だったかが分かる。というかターンオーバーレシオ-3で勝ったなんて今シーズンは1試合しかなかったほど、滅多に起きない現象なのである。
 試合数が少ないと偏りが生じて珍しい現象が相次ぐこともあり得る。だがそれが長続きするとは思えない。普通に考えれば来週は平均への回帰、すなわちターンオーバーレシオが勝敗に直結する傾向が復活するだろう。各チームとも来週はターンオーバーを犯さないよう注意すべきである。といってもターンオーバーは偶然性が強いことは何度も指摘している通り。シーズン中に14give awayとリーグ最少だったIndianapolisが1試合で4give awayを記録するなど、先行きの成績を予想するのは困難な指標だ。
 となるとやはり普通にパス成績が次週の予想には役立つだろう。ANY/A differentialで見るのなら来週はほとんどホーム優勢。例外はSan Francisco @ Carolinaくらいで、HFA(ANY/Aで0.40程度"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/53659185.html")を考慮してもここはSan Franciscoが勝つ可能性がある。もちろん4試合に1試合くらいはアップセットが起こるのがNFLなので、終わってみれば予想外となることもあり得る。
 Advanced NFL Statsはシーズン終盤4試合の勢いがプレイオフのアップセットにつながっているのではと考えた分析を行っている"http://www.advancednflstats.com/2014/01/can-late-season-momentum-explain.html"。アップセットしたチームの中にはディフェンスが強いところが目立つという結果になっているのだが、では今シーズンでアップセットできる候補となるチームがいるのかというと、「良さそうに見える」としているのがSeattleとCincinnati。前者はそもそもunderdogになり得ないチームだし、後者はもうプレイオフから脱落が決まっている。そもそもこの分析はアップセットでない試合を排除している時点でコントロールグループのない実験のようなものであり、果たして結論を妥当と見ていいかどうか疑問もある。サンプル数の少ない事象(プレイオフなど)に無理にトレンドを見いだそうとしない方がいいようにも思える。
 もう一つ、プレイオフと言えばCode and Footballの奇妙な予想"http://codeandfootball.wordpress.com/2013/12/30/week-17-stats-and-first-round-nfl-playoff-odds/"もある。取りあえずWildcardについてはSan Diego @ Cincinnati以外はこれまた的中。おそらく次のDivisional RoundではSeattle、San Francisco、Denver、Indianapolisの勝利と予想するつもりだろう。というかこれを見るとAFCで最強予想は実はIndianapolis。うーむ、やはり奇妙な予想だ。
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