上位陣総崩れ、とまではいえないが今週はアップセットが多かった。AFCでは東、北、西地区のトップが、NFCでは東と南のトップがそれぞれ敗北。一方、地区首位で勝利した3チームの対戦相手成績は合計11勝31敗。要するに極端に弱いところとぶつかったチーム以外はアップセットを食らったと見ていい。逆に既にプレイオフレースからの脱落が決まったチーム"
http://www.cbssports.com/nfl/standings/playoffrace"の中では、St.LouisとMinnesotaが上位チームを食っている。
ちなみに現時点でAFCのプレイオフ候補6チームの勝ち星は58、NFCも同じ。一応、上位陣については両カンファレンスが拮抗していると言えなくもない。もっとも下位チームになると話は違う。AFCは8チームが負け越しているのに対し、NFCは6チームにとどまっており、両カンファレンスの実力差はそこの部分に現れている。また、現時点で唯一6勝8敗でプレイオフの可能性を残しているチームはAFC所属のPittsburghのみ。NFCでは今負け越しているチームはもはやプレイオフに出られないことが決定済みだ。
一方、Eliは今週も5インターセプトと大乱調。第15週時点でトータル25インターセプトを記録した選手といえば2009年のCutler以来であり、1試合3インターセプト以上5試合というのは実に1986年のDan Foutsまで遡る。またシーズンで2番目にインターセプトが多いのはGenoの21個となり、New Yorkのチームが悲惨なことになっている。第15週時点で21インターセプト以上を記録した選手が複数いるのも最近は珍しく、2001年(Trent GreenとPeyton)以来だ。
何度も書いているがインターセプト率やTD率は年ごとの安定性に乏しく、偶然性の強い数値である。完全に偶然ではないと思うが(少なくとも相関係数はプラスなので)、それでも過大評価してはいけない指標だ。そしてNY/Aがこのに2種類の数字を入れていないのに対し、ANY/Aはそれを含んだ指標となっている。この両者の差は、ある程度だがQBの「ツキ」を表す指標と見ることもできるだろう。ANY/A-NY/Aが大きい選手はツキに恵まれており、小さいとツイていない訳だ。
現時点で最も「ツイていない」QBはGeno Smith(-1.76)であり、次がEli(-1.55)だ。つまりNew Yorkのツキのなさは数字で裏付けられているのである。ちなみに3位は先発の座から滑り落ちたPryor(-1.51)。この3者が突出しており、それ以外に-1を下回るQBはいない。逆に最も「ツイている」のはFoles(+1.28)。以下McCown(+0.93)、Peyton(+0.82)と続き、それより下は+0.5未満にとどまっている。
PeytonはキャリアトータルでNY/AとANY/Aがほぼ一致している選手であり、その意味では今年はツキに恵まれた数字だと見ていいだろう。McCownはそもそもANY/Aの方が低いのが当たり前だった選手なので、今年の数字が長続きするとは思いにくい。キャリアの短いFolesは判断が難しいが、まあ普通に考えて出来過ぎと考えるべきところだ。4位であるRodgersはANY/Aが高いことの多い選手なので、ツキだけでなく実力も反映した数字である可能性がある。
次にツイてない選手の方。新人GenoとキャリアがほとんどないPryorについては、ツイていないことは確かだが、どこまでが実力でどこからが不運なのかは判断しづらい。だがEliについてはキャリア全体でANY/AがNY/Aを0.6ほど下回っていることが分かる。だから今年のEliが特に不運であることは間違いないだろう。それにしてもこうやって分析してみると、ツキのなさは似ているのにEliは先発を続け、Pryorは控えに降格されているところは一見不条理にも見える。実際にはNY/Aですら5.36とリーグ平均を下回っているPryorに魅力がないのは否定できないが。
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