補給「列車」

 細かい話を1つ。「鉄道と戦争の世界史」"http://books.google.co.jp/books?id=WrtCFsKJCIgC"に目を通し始めたところだが、その中に「彼[ナポレオン]は、補給用の荷車を『列車』とまで称した」(p25)という一文がある。原文では He even called his supply wagons "trains": (p10)となっている部分だ。
 だがgoogle bookで調べるとナポレオン戦争から200年ほど前のフランス語辞書"http://books.google.co.jp/books?id=G8VFAAAAcAAJ"に既にtrainという言葉は採用されているし、その説明文には獣を通すための駅舎を置いた道という表現が紛れ込んでいる。また17世紀末に出版された辞書"http://books.google.co.jp/books?id=hEU8AAAAMAAJ"にはtrain d'artillerieという用語も採録されており、軍事用語の中で既にtrainという言葉が使われていたことも明らかである。
 ナポレオン書簡集の第1巻"http://books.google.co.jp/books?id=QLPSAAAAMAAJ"を見ても、1793年のトゥーロン攻囲の時点から彼はtrainという言葉を使用している。「エギエットには大砲10門、大塔には12門あり、[バラギエを含めた]これら3ヶ所それぞれに加熱砲弾のtrainがあった」(p24)と書かれているのを見ても、まだボナパルトが一介の砲兵部隊指揮官に過ぎなかった時からtrainが軍事用語として使われていたのが分かる。trainはナポレオン由来ではなく、それ以前からあった言葉と考える方が妥当なんじゃなかろうか。
 あと、この本はとにかく訳語が堅苦しすぎるなど読みにくい部分が多いのも問題。内容自体は面白いんだが、注意して読む必要がありそうだ。
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