NFL week6

 Giantsのターンオーバーレシオがかなり酷いことになっている。6試合終えた時点で-16なんだが、1940年以降の全チームのうちこの数字が-16以下になっている例は過去に延べ10チームしかない。特に1990年以降で見るとGiantsと同じくらい悪かったチームは皆無。昨年のKansas Cityですら6試合終えた時点では-15だった。
 Ratioではなくターンオーバーの数だけ見ても凄い状況で、6試合で喫した23ターンオーバーは2位のHoustonやArizona(15ターンオーバー)の1.5倍以上。こちらも1990年以降では1997年のNew Orleans(24)に次ぐ凄まじい数であり、とにかく最大の敗因がターンオーバーであるのは間違いないだろう。
 ターンオーバーの内訳では明らかにインターセプトが過剰すぎる。16インターセプトはこれまた2番手のArizonaなど3チームの11インターセプトを大きく引き離したトップであり、これが最大の要因であることは否定できない。もっともファンブルロストもDenverの8個に次ぐ7個という数字を記録しているので、こちらもリーグ内ではダメな状態にある。
 Eliの15インターセプトはまたシーズンが半分も終わっていないのに既に昨シーズンの最多インターセプト(BreesとRomoの19)に残り4つまで迫っている。確かにEliはこれまでのキャリアでリーグ平均よりインターセプト率の高い年が結構あった。キャリア9年のうち平均より悪かったのが4年、うち1標準偏差より悪かった年が2年あった。逆にいい年でも1標準偏差以上よかった年はゼロ。キャリアートータルのInt%+は94であり、要するにインターセプトの多い選手ではある。だがそれにしても今年は悪すぎる。2標準偏差以上も平均を下回ったことはEliであっても過去にない。1978年以降で見てもシーズン224試投以上のQBでInt%+が彼より悪いのは1988年のTestaverdeと2009年のFreemanしかいないほどである。
 もちろんEliの数字はまだシーズン途上。今後事態が好転して今ほど酷くない状態でシーズンを終える可能性は十分ある。というか普通に平均への回帰が見られれば好転する可能性の方がよほど高い。それでもEliの今年の数字が良くないという状況はおそらく変わらないだろう。問題は、ランダム性の高いターンオーバーが影響して勝ちきれないチームの動向。どうすればいいのか、正直悩ましいところだ。
 
 スタッツ系ランキングではPro-Football-ReferenceのSRSに問題発生。こちら"http://codeandfootball.wordpress.com/2013/10/11/nfl-season-2013-week-5/"で「破綻していた」と指摘されているように、第5週時点の順番も数字もかなりでたらめになっていた。実際には1位のDenverに次ぐのはNew Orleansであり、以下Indianapolis、Seattle、Green Bayと続く。下位もJacksonville、Giantsの次はSt.Louisとなっている。PFRの方が間違っているのはMoV+SoS=SRSになっていない点からも確実だと思われるが、どうしてこうなったのかは不明だ。
 でももっと分からないのは今週の数字。PFRのSRS"http://www.pro-football-reference.com/years/2013/"と、Code and FootballのSRS"http://codeandfootball.wordpress.com/2013/10/15/nfl-season-2013-week-6/"を比べると、順番は似ているが数字が微妙にずれている。どうもSoS(スケジュールの厳しさ)の計算に違いが発生しているようで、たとえばNew EnglandならMoV(平均得失点差)はどちらも4.7だがSoSはPFRが-2.7、C&Fが-1.79と大幅にずれており、結果としてSRSにも1ポイント近い差が生じている。どちらが正しいのか何とも判断しづらいところだ。
 いずれにせよSRSでは全勝2チームがトップ2を占めている。それに対しFootball OutsidersのDVOA"http://www.footballoutsiders.com/dvoa-ratings/2013/week-6-dvoa-ratings"では2位に踏ん張っているのがSeattleであり、Kansas Cityは3位にとどまっている。過去に開幕6連勝したチームの中では9番目に低いDVOAになっているようで、それがSeattleの後塵を拝している一因だろう。
 inpredictableのランキング"http://www.inpredictable.com/p/ticker-nfl0.html"には大きな変化なし。こちらもSeattleは2番手で、その後にGreen BayやSan Franciscoが続く。Kansas CityはNew Englandに次ぐ7位だ。ブックメーカーはKansas Cityをかなり低く評価していると見るべきだろう。ちなみにこちらのサイトではゲームで儲けるある手法を提案"http://www.inpredictable.com/2013/10/the-turnover-index-possibly-overfit.html"。ターンオーバーに基づく方法だが、それを使えば1999年の1000ドルを2012年には5600ドル(年率13%のリターン)まで増やせる計算だという。Giantsが多すぎるターンオーバーのため潜在力よりかなり低い評価を受けている可能性まで考えると、これはなかなか興味深い。
 そしていつもアグレッシブなAdvanced NFL StatsのGWP"http://www.advancednflstats.com/2013/10/team-efficiency-rankings-week-6.html"。まずトップはDenver、ではなくSeattleである。どうやらDenverのディフェンス29位というランキングが足を引っ張ったようだ。しかしそれより驚きなのは最下位がJacksonville、ではなくSt.Louisであること。確か今週のSt.Louisは38対13と圧勝した"http://www.pro-football-reference.com/boxscores/201310130htx.htm"はずなんだが、さすがGWPさん、誰も予想できないことを以下略。うん、何だかシーズンが始まったなあという感じがしてきた。
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