2周年の前に…

 面白い記事を見つけた。2009年6月に書かれたblogが、gooの「ブログ検索」機能を使ってVocaloidについて分析してしている"http://marimostudio.seesaa.net/article/120592617.html"。その結論が、表題にあるように「ボカロ好きは女性が多い!?」。2009年の段階でこの結論に到達しているというのは実に素晴らしい。クリプトンが調査会社に依頼した結果として10代の女の子に人気があるという事実を明らかにしたのは2010年7月"https://twitter.com/vocaloid_cv_cfm/status/19296143305"。ニコニコ動画のアンケート"http://blog.nicovideo.jp/niconews/2010/07/008380.html"でやはり女性人気が高いことが分かったのも同じ時期だ。上記のblogはそれより1年以上も前からVocaloidファンの概要を捉えていたのである。
 それによるとニコニコ動画全体を見ると男女比では男の方が多いものの、ピアプロで分析すると男女比が逆転し、また10代の比率が7割弱と圧倒的に高くなったそうだ。初音ミクで検索してもピアプロとほぼ似たような結果になっており、10代女子というボリュームゾーンはかなり早い時期から明確に存在していたと見ていいだろう。一方、DTMで検索すると男が4分の3を占め、20代が半分となっている。10代女の子の人気を作品を、少し年上の男が作っているというイメージは、今から見ても違和感がない。
 実際、今でもVocaloidは10代女子が主に聞いている。以前紹介した朝日新聞の記事"http://www.asahi.com/tech_science/update/0831/TKY201308300493.html"でも指摘されていたし、マジカルミライ"http://magicalmirai.com/"が「初めてのライブ」であった女子たちがいたとの指摘もある"https://twitter.com/sugipack/status/373825693240401920"。子供が多かったというツイートも目立っていた("https://twitter.com/sa__ya__chi/status/373773564639338497"とか"https://twitter.com/pomse_matu/status/373723416089489408"など)。夏祭初音鑑"http://angelproject.jp/event/"でも子供ばかりが集まった時があった("https://twitter.com/290cart/status/371436442246856704"とか"https://twitter.com/290cart/status/371463168586825728")ようだ。
 もう一つ面白いのがこちら"http://news.netpoyo.jp/2013/08/683"の記事。ミクが歌っているかのような演出がヒットを生んだ時代は黎明期の2007-08年にしか当てはまらず、2009年からは「若い世代に響く楽曲を生み出してきたボカロPたち」が物語性を重視する楽曲を作る動きが目立ってきたという。最近ブームになっているボカロ本の嚆矢となった「悪の娘」"http://www.amazon.co.jp/dp/4569791034"が最初に出版されたのは2010年。こうしたヒットの傾向からも、主なファン層が早いタイミングで10代女子になっていたことが裏付けられるだろう。
 
 ただ、早いタイミングと言っても2008年まで遡れるかは微妙だ。残念ながら2008年時点で10代のボカロ好きを調べた調査は見当たらず、せいぜい20代と30代について調べたもの"http://release.center.jp/2008/10/1702.html"くらいしか発見できなかったんだが、この世代だとむしろ女性より男性の方が「初音ミクを知っている」との回答が多かった。また2009年3月に朝日新聞がYoutubeにアップした動画"https://www.youtube.com/watch?v=xBZOlipfjkQ"では、ソニー関係者がSupercellの購入者のうち「45%が女の子」と話している。2008年から2009年の初頭までは、まだ女子のファンは多数派にまではなっていなかった可能性があると見ていいだろう。
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