累計DYARでは前にも書いた通り、4人が1万超。うちFavreは既に引退済みであり、残る3人もキャリア晩年に入っているので、彼らが最終的に1万超でプロ生活を終えるのは間違いないだろう。というかPeytonに次いで2万を超える人物が出てくるかどうかの方が興味深いかもしれない。
89年、90年のデータ反映によって数字が変わったのは5位以下の選手たちだ。その5位になっているSteve Youngは89年以降の11年間に9589DYARを積み上げている。だが彼はどうやらキャリア全体での1万超は達成できそうにない。何しろ残る4年のうち2年はバックアップしかしていないし、2年はTampa Bayで酷い記録しか残せなかった。他の選手たちと比較する限り、Tampa時代の彼のDYARはマイナスになっている可能性すらあり、下手したら9500という現状の数字すら割り込むのではなかろうか。
6位はDan Marino。9581を記録している彼はほぼ間違いなく1万超を記録できるだろう。80年代も彼はずっと先発を務めていたし、しかもトップクラスの成績をきちんと積み上げていた。というかキャリアの初期ほど彼の成績はずば抜けていた。MarinoのDYARがどこまで上昇するのか、とても興味深い。
古いQBとしては他に12位のWarren Moon(7058)、13位のTroy Aikman(6841)、17位のJohn Elway(5923)、18位のJim Everett(5750)などが目立つ名前だが、彼らのうち確実に1万に届きそうなのは見当たらない。MoonとElwayは正直微妙なところだし、Aikmanはもうキャリアトータルが確定。Everettも流石に難しいだろう。ちなみにJim Kellyは31位の4178とさらに低水準で、まず1万は無理だ。
むしろ長い目で見ると4105に到達しているMontanaの方が1万への期待は高そうだ。何しろ80年代こそ彼の全盛期であり、その期間がほぼ丸々残っているのは大きい。短期間で高いDYARを出せるかどうかを示すDVOAを見てもMontanaは23.87%と高水準。彼を超えるのはPeyton、Brady、Young、Rodgersくらいしかいないのだし、1万までたどり着く可能性は十分にあるだろう。
それにしても、最近のQBの方が成績が圧倒的に優れていることが改めてよく分かるランキングである。トップ4人のうち3人は現役QBだし、残る1人(Favre)も最近まで現役をやっていた選手。5位と6位には20世紀にキャリアを終えた選手が入ってきたが、7位からはRivers、Roethlisberger、Romo、Warner、Rodgersと21世紀のQBたちが顔を並べる。Elwayという殿堂入りQBよりもCarson Palmer、Trent Green、Steve McNairあたりの方が累計DYARは高かったりするのだ。
この四半世紀の間にNFLのパスオフェンスは極端に進化した。それはシステム的にもそうだし、チームメイトたちの能力もそうだろうし、そしてQB自身もそうした進化に合わせた者のみが生き残ってきた。加えて最近の新人QBたちを見ると、若いうちからPeytonやRodgersにも負けない程度の記録を残せそうな選手たちが増えている。
足元はChip Kellyの参入も含めリードオプションからのランオフェンスが関心を集めているが、少なくともこれまでの過程においてはパスオフェンスの進化こそがNFLのメーンストリームである。それがどこまで続くのか、は神のみぞ知るってところか。
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