もったいない

 NFLの中で「残念なチーム」はどこか。長い歴史全体を見渡せば、たとえば通算勝率が4割を切っているTampa Bayなどが候補にあがるだろう。あるいは優勝した経験がないチームの中で最も古い歴史を持つMinnesotaの方が「残念」かもしれない。「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」という言葉が思い浮かぶ。
 もっと短い期間に絞った「最近残念なチーム」となるとどこだろう。Houstonがリーグに参加し現在の32チーム体制ができた2002年以降で見れば、たとえばレギュラーシーズンの勝率が最も低いのはDetroit(0.290)だ。まあ納得の結果だろう。そうではなくプレイオフへの出場をメルクマールに取るなら、この期間中に1度もプレイオフに出ていないBuffaloこそ残念なチームと見ることもできる。
 
 残念、というより「もったいない」チームはないだろうか。本来ならもっといい成績を収めていてもいいのに、様々な理由でそうならなかったチームだ。一例として思い浮かぶのがTurner時代のSan Diego。たとえば2008年には得失点差がプラス92(12勝したIndyより上)もありながら勝率は5割だったし、2010年には得失点差プラス119とAFCで3番目に高い数字を記録しながらプレイオフにすら届いていない。実に「もったいない」チームだ。
 得失点差と勝敗の乖離は、僅差の負け試合が多いために生じるものだろう。そう考えて得失点差が-1から-8まで(つまり1ドライブ以内の差での負け)の試合数を調べてみたところ、TurnerがHCを務めていた2007年以降のSan Diegoは25試合でリーグ全体の12位タイだった。全体1位はWashingtonの35試合で、San Diegoはそれほどもったいないようにも見えない。ただし敗北に占める僅差負けの割合で見ればSan Diegoの62.5%という数字はリーグ6位になり、やはりかなり「もったいない」との結論になる。とはいえこのランキングだと1位がGreen Bay、3位にNew Englandが出てくるので、果たして指標として適切なのかどうか難しいところではある。一方、最も低いのはGiants。2007及び2011シーズンのSuperbowlは、最も幸運なチームとかなり不運なチームの対戦だった、と見ることも可能だ。
 こちら"http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/52821041.html"で使ったモデルで「もったいない」チームを調べるとどうなるだろうか。2002年以降のNY/Aと勝率の偏差値で、NY/Aに比べ勝率が低いところほど「もったいない」と解釈してみるのだ。例えばSan Diegoの場合、この数字は-1.35となる。つまりSan Diegoももったいないチームだったという結論になる。
 しかし最ももったいない訳ではない。San Diegoよりマイナスの大きなチームは山ほどある。例えばBuffaloは-2.93、Carolinaは-2.30、Dallasは-2.70、Detroitは-2.86、Washingtonは-2.40といった具合だ。中でも一番「もったいない」のはPittsburgh。-4.48という数値は他チームより頭抜けて大きい。Pittsburgh自体はこの期間に3回Superbowlに出場し、2回優勝しているため、あまりもったいないと思われていないだろうが、このデータを見る限りもっと勝てた可能性はある。
 逆にNY/Aより勝率の方が上に来るチームとしては、HCを調べたときにも指摘したがNew Englandがある。その数値、実に+6.77にまで達している。だが本当に凄いのはこのチームですらトップでないという事実。+7.56という恐ろしい数字をたたき出しているそのチームとは、実はAtlantaだ。特にRyanの入団以降は+8.20というすさまじい数字を出しているが、それ以前も+7.02だからかなりいい。Jim Mora Jr.とMike Smithは、実はかなり有能なHCなのかもしれない。
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