さて、そんな初音ミクの動向を見ていて感じるのは、以前にも書いたSFが辿った道"
http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/52117727.html"との類似だ。Vocaloidが拡散し、今まで使われなかった場所にどんどん出て行くようになった結果、古参の中にはそれに違和感や反感を表明する人が増えてきた。彼ら彼女らの中には「Vocaloidはこうあるべき」という一種のイデアがあるんだろう。でもそれはSFがスノッブな存在になっていったのと同じ現象を引き起こすきっかけになりかねない考えだろう。こうでなければならないと枠をはめた瞬間、初音ミクはSFのように「死んで」いく。大衆文化とはそういうものだ。
でもこれだけVocaloidの拡散が進んでいる現状を見れば、多分そうなったとしても心配はない。初音ミクや今一般に言われている「ボカロ曲」は死ぬかもしれないが、というか流行り物である以上いずれは死ぬが、初音ミクがもたらした音声合成ソフトの音楽使用やN次創作といった文化、あるいはバーチャルアイドルのような概念などは、他分野へ紛れ込みそこで生き延びていく。そこで新たな花を開かせることもあるだろう。「SFは死んだ」と言われる時代に、初音ミクが一世を風靡したように。
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