WBC2013

 気がついたらWBCが始まっていた。毎回、SABRmetrics系の指標を見ているので今回もやってみよう。まずは昨年実施された予選ラウンド。敗者復活付きトーナメントで行われているためチームごとに試合数が違うものの、WBC公式サイト"http://web.worldbaseballclassic.com/"では簡単なスタッツなら見ることができる。もちろんこんなに少ない試合数で判断を下すのは無理なんだが、それを承知のうえで敢えて見てみよう。
 チーム打撃でOPSを見ると最強はカナダの1.161。うむ、短期決戦ならでは、あるいは対戦相手との実力差が大きい故の異常値なんだろう。特に長打率が0.707となっているのは驚愕だ。3試合で本塁打9本というのが貢献したもよう。3試合全てで10点以上を記録しているのも当然と言える。以下、台湾(OPSが0.988)、スペイン(0.904)、ドイツ(0.898)の順番で続くが、カナダと同じ組に入ったドイツは本選第1ラウンドにはたどり着けていない。ブラジルのOPSは全体6位の0.746だが、予選3組の中では最強だったので本選まで来られたんだろう。
 投手成績では3試合で防御率0の台湾が輝いている。ブラジルもこの成績はよく0.67だ。スペインは2.19で3位、カナダは3.38で5位。攻守のバランスが最もいいのが台湾、攻撃中心がカナダで守備中心がブラジル、どちらもそこそこがスペインといった感じ。ただしWHIPで見ると台湾(0.83)の次にいいのはカナダ(1.00)。カナダはよほど効率よく点を取られたんだろう。1度はスペインに2点差で勝ちながら決勝で負けたイスラエル、ブラジル相手に2試合やってどちらも1点差で負けたパナマなど惜しいチームもあったが、全体としては実力上位のチームが本選に顔を出したと見てよさそうだ。
 
 で本選の方はA組、B組が全試合を終えたものの、プエルトリコと米国で行われるC、D組はまだ試合途中。彼らは7日から10日にかけて第1ラウンドの試合をこなすのだが、その間にA、B組は敗者復活付きトーナメント方式の第2ラウンドに突入してしまう。おかげでスタッツ関連の数字はあまりバランスを取ったものにならない可能性があるが、とりあえずA、B組の第1ラウンド終了時点での数字を見てみよう。
 打撃ではOPSトップがキューバで0.916。OPSだけでなく長打率(0.515)、出塁率(0.402)もやはりトップだ。打率も0.320と8チーム中で唯一3割を超えている。3試合で本塁打4本もトップだし、塁打53は2番手の台湾(38)を大きく引き離している。文句なしに強い。以下、2位は台湾(0.749)、3位オランダ(0.675)、4位韓国(0.632)、5位日本(0.579)と続く。ちなみに前回2009年の成績を見ると16チームのうち0.7以上のOPSを記録しているところが9チームと過半数に達しており、現時点では明らかに投高打低であることが分かる。
 投手成績を見ると防御率はキューバが1.08でトップ、以下韓国(2.08)、オランダ(2.08)、台湾(2.42)、日本(3.46)と続く。WHIPで見ればトップは台湾(0.92)、以下日本(0.96)、キューバ(1.00)、オランダ(1.08)だ。もっともWHIPは役に立たんという批判も多いようで("http://baseballconcrete.web.fc2.com/alacarte/whip.html"参照)、将来を予想するのならむしろFIP"http://ja.wikipedia.org/wiki/DIPS_%28%E9%87%8E%E7%90%83%29"とかの方がいいのかもしれない。FIPの計算は色々あるが、面倒なので与死球と故意四球を除き、定数は3.5とする。すると順位は以下のようになる。
 
日 2.31
キ 2.42
韓 2.54
蘭 3.88
伯 4.00
台 4.35
豪 5.18
中 5.24
 
 投手力では日本とキューバが優れ、WHIPトップの台湾は実はヤバいという結果になる。なぜそうなるかというと予選のBABIPで日本が0.334とかなり不運に見舞われたのに対し台湾は0.177と異様に幸運だったため。日本より不運だったのは韓国(0.348)くらいで、台湾は2番目に幸運だったオランダ(0.237)を大きく引き離している。
 
 以上、第1ラウンドを見る限り日本の投手陣はA、B組の中でも実力トップクラスだが不運もあって失点が増えている。一方、打撃は明らかに酷い。特に目を覆わんばかりの状態が長打率であり、0.228は中国(0.171)に次いで下から2番目だ。出塁率(0.351)はキューバに次ぐ2位で、四球も最も多い状態だが、いかんせん長打が出ない。2塁打以上が1本しかないのは日本だけ。単打頼みではそりゃ点は取れない。不調と言われている長野がOPSで見れば稲葉、坂本、阿部よりもいいってんだから、監督も困っていることだろう。
 次の台湾戦はどうか。打線ではどうみても日本が負けている。台湾は3試合で2本塁打を記録し、長打率(0.400)もキューバに次ぐ2位。出塁率(0.349)も日本とほぼ同じだ。一方、投手力では表面的な数字はともかくFIPなら日本側がかなりいい。優秀な日本投手と優秀な台湾打線、実はヤバい台湾投手とどう見てもヤバい日本打線の対決という、なかなか面白いマッチアップになりそうだ。もう一つのキューバ対オランダは打線でも投手でもキューバの方が上だ。
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