NFL week11

 あくまで試算に過ぎないが、インターセプトの偶然性について調べてみた。以前にも述べた通り、同一選手のn年とn+1年のインターセプトの成績は相関性が低い。だが、A選手とB選手のインターセプトの成績を比較すると、Aの方が有意にBより優れているという関係はあり得るのではないか、という問題が残る。どうやって調べればいいのか分からないが、簡単なチェックをやってみたのだ。
 長い期間は大変なので2002年から2011年までの10年を対象とし、QBが年224試投以上を記録した年のみ対象とする。また、そういう年が1年しかなかったQBは比較しようがないので対象から外す。残ったQBは66人。彼らのInt+が100以上だった年数と100以下だった年数を調べ、キャリアのうち100以上を記録した年が何%だったかを調べてみたのだ。厳密にはInt+が100ぴったりの年はダブルに数えてしまうことになるが、Pro-Football-ReferenceのPlayer Season Finder"http://www.pro-football-reference.com/play-index/psl_finder.cgi"の仕様がそうなっているので仕方ない。
 調査したところ最も多かったのは50%、つまりInt+が100以上と100以下だった年数が同じQBであり、計16人に達した。Brett Favre(5年と5年)からDamon Huard(1年と1年)まで色々いるものの、リーグ平均に比べてインターセプトの成績が上に行ったり下に行ったりするQBが結構多いことが分かる。この数字は「複数選手間でもインターセプトは偶然による」との解釈を補強しそうなデータだ。
 だが、次に多いのを見ると判断が変わる。66人中10人を占めていたのが100%のQBたち、つまりこの10年はずっとリーグ平均よりいいインターセプト成績を残している連中だ。Tom Brady(9年)以外は長くても4年に過ぎないが、それを言うなら50%のQBだって16人中7人は2年(100%なら10人中4人)と少ないデータしかないわけで、100%のQBの多さはやはり無視できるデータではない。
 0%が8人を占めているのも問題だ。こちらもデータは少ないQBが多いものの、複数年にわたって平均より悪いインターセプト成績しか残せなかったQBが一定数いることは否定できない。全体を調べてみると平均が54%になっているのだが、標準偏差が30弱とかなり高いのも事実。1標準偏差が上は84%から下は24%まで広範囲に広がっている訳で、とても綺麗なベルカーブとは言えない。
 正直、私の能力ではこれ以上厳密に調べるのは無理だが、このデータを見る限りA選手とB選手のインターセプトの成績を比較した場合には、有意な差が生じている可能性は高そうだ。来年の予想をする上でインターセプトが使いづらいのは事実だが、それでもインターセプトの少ない選手は翌年も少なく、多い選手は翌年も多い可能性がある、くらいのことは言えるだろう。
 そう考えて見た時に面白いのはTony Romo。50%を下回る選手は大体さえない連中が多いのだが、Romoも40%とその連中の仲間入りしてしまっているのだ。もちろんRomoは非常にいい成績を残している優秀なQBだ。NY/A+で見ればこの10年でManning兄に次ぐ2位になっているほど。なのに今一つ「やらかし」イメージが強いのは、もしかしたらこのインターセプトのせいかもしれない。
 
 なお11週終了時点のランキングを見るとPro-Football-ReferenceのSRS"http://www.pro-football-reference.com/years/2012/"とFootball OutsidersのDVOA"http://www.footballoutsiders.com/dvoa-ratings/2012/week-11-dvoa-ratings"はいずれもSan Franciscoがトップ。Chicago相手の大差の勝利が効いたようだ。Advanced NFL StatsのGWP"http://www.advancednflstats.com/2012/11/team-efficiency-rankings-week-12.html"はDenverが引き続き首位。
 ちなみにAdvanced NFL StatsもFootball Outsidersも、AFC西の地区優勝確率はDenverが100%になっている。まだ勝ち越し決定すらしていないのだが、同地区の他チームがあまりに酷すぎるのが原因だろう。少なくともDenverにとってはManning獲得合戦に勝ったのは意味があったようだ。
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

トラックバック