間違いなく陛下はヴルムザー氏がクレアファイト氏を救援しようとするこの熱意を承認してくださるでしょう。しかしもし恐れているように敵がスイスを通った時に崩壊に見舞われないよう、ヴルムザー氏が十分な兵力を保持するべく陛下が特に勧めてくださるならば、その方がいいと私は信じます。またクレアファイト氏がラーンの背後に留まることなく、そこを渡って会戦を行い、そしてもし敗れたとしてもラーンを保持してそれ以上後退しないよう、いずれ積極的な命令を受けることを私は希望しています。もうしそうならなければ、我々は6週間でわが軍がドナウの背後にいるのを待つことになるでしょう。もし勝利が得られるなら我らは助かり、勝利への道が開かれるでしょう。容易に希望し絶望するクロフォードは昨日、私が思うにハノーファーの利害のために、クレアファイトの軍へと出立しました。ケルンとファルツの選帝侯は大きな悲鳴を上げることでしょう。
ヴルムザー氏の口調とその配置には私は極めて満足です。彼は退却していませんが、彼の周りには僅かな人しかいません。ベレガルデは大きく関与しており、不幸にも来ることができないメールフェルトの不在ゆえに全面的信頼を得ています。彼の下にいるドゥカ中佐も悪くありません。ラウアーは相談されず、少し不満を持っています。嫉妬深いテュルパンは脇に退き、陛下が送り出して以来ずっとミュールハイムにいて何の活動もしていません。既にヴルムザー氏に対し彼に反対する警告がなされているため、彼はそこにとどまるでしょう。彼の話を聞き、彼にもっと話をするクレアファイト氏のところへ戻った方がいいでしょう。
同様に私は亡命貴族のもたらすあらゆる損失も知っています。しかし彼らの文章に対しては同じ通貨のみを支払えば済みます。礼儀正しさに金はかかりません。ここに到着する時、ヴルムザー氏は公子に挨拶することなくその宿営地を通過しました。公子はここに3日目に到着し、そして昨日、つまりヴルムザー氏がそこに至って15日後になってようやく、彼は答礼に訪れました。またここでは公子と彼の一族に対して批判的な物言いがなされています。将軍は昨日、この時点でライン渡河が行えないことを踏まえて公子には何も言わないよう求めてきました。私は、我らのライン渡河とは全く関係ないいくつかの任務を彼が担っているため、明日または明後日に彼のところへ行くのは避けられないとの意見を述べ、加えてもしそうせよと言うのなら、私は我らが渡河する場合に公子が何をするかしないかについて話すことができず、もし公子がその件について私に話した場合には、この点について私がどんな目的でどんな形式で回答すべきかについて指示を出すよう将軍に要求しました。私は今夕、この命令を待っています。もし公子がもはや年内の渡河はないと信じているのなら、彼をイタリアへ送る方が容易だと私は思います。(中略)
素晴らしい季節にも関わらず我らの2つの軍はその日暮らしです。ほとんど全ての物資を失っており、あらゆる移動が麻痺されています。この地域は軍に貢献せず、物価は高すぎ、空腹と悪い食事とともに病気が始まっており、悪い秣によって騎兵の馬匹は死んでいます。馬車馬のため最低のものも使っていますが、それすら欠けており、秣探索のため騎馬砲兵まで送り出すことを余儀なくされ、もし戦うとしても大砲を引く馬はもはやいません。
ラインを渡河したいと望んでも船がありません。年内には渡河はないと閣下に確約すべきでしょう。最良でここから行うとしたら3週間で可能でしょうが、それは望まれていないと私は答えますし、渡河はないでしょう。もう靴の不足はありませんが、外套と馬匹は不足しており、もしその到着がなければ病気と脱走は増加するでしょう。時は買うことができませんし、我々が必要なものを提供するには短すぎます。現時点で最も望ましいのはライン右岸で1つか2つの戦いに勝利し、そして冬の良好で素晴らしい防衛に至るまで季節が進み、ド=ヴァンへ増援をすることでしょう。
この状況に閣下はあまり鼓舞されないでしょうが、これは事実であると私は誓いますし、私が絶望的になりすぎていないことは神がご存知です。私はクレアファイト氏に、軍務の利益、彼自身の栄光について書き記し、そして私の正直な話しぶりは彼を元気付けていることでしょう。ラウアーもおそらく彼に何らかの決断をさせることができます。ヴルムザー氏から彼に送られる支援は、彼からあらゆる言い訳をなくします。(中略)
伝令の出発を急かされています。陛下がこれら2人の将軍に迅速な命令を送ることが極めて重要です。私が何をすべきかについての言及も加えるよう、敢えてお願いします。(後略)
Quellen zur Geschichte der deutschen Kaiserpolitik Oesterreichs V."
http://books.google.co.jp/books?id=AcJAAAAAYAAJ" p375-379
コメント