Football Outsiders Almanac 2012を含めで色々なところで書かれている「いいパスディフェンスとはいいパスラッシュを意味しており、いいDBではない」という指摘は本当に正しいのか。1978年以降のパスディフェンスと失点との相関を調べてみた。
最も失点との相関性が高いのがサック数で-0.458、次がサックヤードで-0.447となり、インターセプト数は-0.420と少し下がる。ただし標準偏差はサック数が0.140、サックヤードが0.148なのに対しインターセプト数は0.129で少しだが安定度は高い。サック%は-0.385に、インターセプト率は-0.370となり、率は実数より相関性が低くなるようだ。
サックとインターセプトの相関性の差は、最近になるほど広がっている。1991年以降に絞ればサックが-0.464に対しインターセプトは-0.402に、2001年以降だとサック-0.455に対しインターセプトが-0.388となり、インターセプトと失点との相関は「緩やかな」逆相関から「弱い」逆相関まで低下している。比較的最近のデータに絞れば、確かにサックの方がインターセプトより失点との相関が強い。
加えて前にも指摘した"
http://blogs.yahoo.co.jp/desaixjp/53178676.html"が、サックに比べてインターセプトは偶然性が強く、ディフェンス側からすればコントロールしにくい指標だ。より年ごとの安定性が高く、失点との相関も強いサックを強化することで「いいパスディフェンス」を作り上げていくのは、妥当な方法のように思える。
個々の選手に関するデータを見ても、サックに関連するポジションの方が評価が高い事例がある。Advanced NFL Stats"
http://www.advancednflstats.com/"のディフェンス選手について、ポジション別の2011シーズンの平均値を調べてみた結果がそうで、左からポジション、+WPA、+EPA、選手数だ。
DE 0.83 28.67 79
DT 0.61 20.55 77
LB 0.96 32.05 147
SF 0.67 22.39 95
CB 0.62 21.52 126
サックの多いDEの方が、+WPAでも+EPAでもインターセプトの多いDBたち(SFとCB)を上回っている。1人のDEの方が1人のCBまたはSFよりもゲームの勝敗(+WPA)や失点(+EPA)への貢献度は高いとも解釈できる。強いパスディフェンスを目指すなら強いパスラッシュを構築することが必要、って結論には一定の論拠があるようだ。
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