FOA2012

 昨年は変則的な発売時期だったが、今年は通常に戻って発売されたFootball Outsiders Almanac 2012"http://www.footballoutsiders.com/store/football-outsiders-almanac-2012-pdf"。早速だがいくつか中身を紹介しよう。
 まず今年から登場したチームのフォーメーション。各チーム頻度の高いフォーメーションをオフェンスとディフェンスそれぞれ(相手チームも含め)上位5種類を掲載し、それぞれの平均獲得ヤードやDVOAをまとめている。各チームがどのような戦術を好んで使い、それがどの程度の成果を挙げているかが窺えるデータだ。たとえばNew EnglandのオフェンスならRB1人、TE2人のフォーメーションが全体の48%と圧倒的多数を占めている一方、ディフェンスでは3-4フォーメーションの採用が全体のたった11%しかないことなどが分かる。
 リーグ全体で見ると使用頻度が最も多いのはRB1人、TE1人(つまりWR3人)のフォーメーションで、全体の約4割に達している。さらにRB1人TE2人が約2割、RB2人TE1人が17%弱を占めており、この3種類だけで8割弱に達している計算だ。昔はRBを2人置くのが当たり前だった時代もあるのだが、今やワンバックこそが最も一般的なフォーメーションになっていることが分かる。ちなみにWildcatは全体のたった0.3%と絶滅寸前。導入当初はあれだけ話題になったが、結局ランヘビーなフォーメーションはNFLではなかなか通用しないようだ。
 ディフェンスでは3-4の比率が増えてきたと言われているものの、全体の比率では17%しかない。逆に4-3は30%。かつてのようにPittsburgh以外は全て4-3という時代と比べれば3-4の比重は増しているものの、リーグの中心は引き続き4-3だ。ちなみに2番目に多いのはニッケルバックを使った4-2(4-3の変形と見ていいだろう)の25%であり、4番手は6人以上のDBを投入したフォーメーション(10%)が顔を出している。パスヘビーな時代背景にあわせ、5人以上のDBを出すのが当たり前になりつつあるようだ。だが、平均ヤードを見るとDBの数が多い方が喪失ヤードは多い傾向が見られる。Football Outsidersは以前から「よいパスディフェンスとはよいパスラッシュのことであり、よいDBではない」と指摘しているが、それを裏付けるデータと言えそうだ。
 
 定番記事以外では、まずMITのカンファレンスで発表された「モメンタムってのは本当にあるのか」という分析がある。昔から議論されていたことだし、他のスポーツも含め統計的に分析している事例にも事欠かないこのテーマだが、NFLで調べてみたところ「ディフェンスのビッグプレーに続くオフェンスプレーが明白に好転している統計的証拠はない」って結論になったようだ。予想通りの結果だろう。
 次がCurse of 25。名前を見て分かるように「370の呪い」をリヴァイズしたものだ。シーズン370という数字自体が批判を浴びていたことは既に指摘しているが、より視野を広げて「1試合での使いすぎ(主に25回以上のボールキャリー)は後に負傷や成績低下につながる」という話に修正している。以前ほど明確なデータは出ていないが、大きな傾向として1試合でのキャリー数が多いRBほど後でその影響を受けやすいのだそうだ。370の呪いに比べて面白さには欠けるかもしれないが、その分堅実な分析だろう。
 そして例年通りのルーキー予想。まずQBだが、GriffinとLuckの予想が高いというのは以前も述べていたが、これに加えて3巡指名のRussel Wilsonも恐ろしいほどの高評価になっているようだ。ただし、高い評価になったのが彼自身の成長ではなく途中で大学を変わった効果による部分があるという特殊要因には注意が必要。評価が低いのはOsweilerとかTannehillあたり。RBでは公式記録ではないものの全体3位指名のTrent Richardsonはなかなか高い数字になっているほか、4巡でMiamiが指名したLamar Millerも評価が高い。
 パスラッシャー関連の予測で最もいい評価を得ているのはNick Perryだが、彼を除くと大物はいないようだ。昨年に比べると全体にレベルが低く、5年で20サック以上が期待できる選手は4人しかいない(昨年は8人)。取りあえずNew Englandが指名したChandler Jonesはその4人の中にかろうじて顔を出している。さらにWRの予想もあり、Stephen HillやKendall Wrightあたりが高い評価を得ている。
 
 各チームの成績予想は次回に。
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