以上はオフェンス側から見た話。ではディフェンス側から見たらどうなるのだろう。サックもインターセプトもディフェンスにとっては重要なビッグプレイなのだが、彼らにとってそれぞれのプレイはどの程度偶然によるものであり、どの程度必然的にもたらされるものなのか。これも調べてみる価値はあるだろう。
できればQB同様、選手ごとのデータを調べたうえでn年とn+1年の結果を比較してみたいところだが、残念ながら現実には不可能だ。分子となるディフェンス選手のサック数やインターセプト数は簡単に分かるが、分母であるプレイ回数が全く把握できないため。サックを決めた選手が、何回のパスプレイに参加していたかなんてデータはいまだかつて見たことがない。
というわけでチーム単位で調べてみた。ディフェンスのスキームはチームごとにある程度継続性が存在するだろうし、選手も毎年がらりと入れ替わるわけではない。チーム単位でもそれなりの傾向はつかめるだろう。いつものように1978年以降で、サックとインターセプトの比率(分母はパス試投+サック)を同じ年のリーグ全体と比較し、その相対的なサック率とインターセプト率がn年とn+1年でどの程度相関するのかを見た。
インターセプト率の相関性は0.128。ほぼ相関なしの水準だ。オフェンス側のQBについて調べた時と基本は同じである。オフェンスにとってもそうであるように、ディフェンスにとってもインターセプトはランダムの要素が強いんだろう。個別のチームごとに見れば、たとえばNew Englandは2006シーズンから6年連続でリーグ平均を上回るインターセプト率を記録するなど一定の偏りが見られるチームも存在するものの、得点力のあるNew Englandを相手にするチームが追撃のため無理のあるパスを投げる頻度が高くなったであろうことを踏まえるなら、そう不思議なデータではない。
一方、サック率の相関性は0.296と弱い相関があった。そこそこの相関(0.4以上だったQB側の数字よりは低いが、インターセプトよりは高い。オフェンス側同様、こちらもディフェンス側から見ればより偶然の要素が少ない数字になっていると見られる。
ディフェンス側から見れば、インターセプトはコントロールが困難なのに対し、サック数の方は相対的にコントロール可能であるとも言える。インターセプトを狙って増やすのは極めて難しいが、サックを増やすべく努力すればそれなりの見返りが得られる可能性が高い。逆にサック率がリーグ平均を下回っているチームについては、コーチングスタッフやディフェンスの選手に一定の責任があるとも言える。
スポンサーサイト
コメント